機材レポート

シャープさとボケの両立が見事! 描写にこだわった中望遠マクロ「SIGMA 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art」実写レビュー

シグマのミラーレス専用DG DNシリーズから定番の105mm F2.8マクロがリリース。中望遠マクロのための画質と機能をハイレベルに実現。日常の光景がマクロレンズで違う世界に見えてくる。

ソニー α7R IV + SIGMA 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art

 

ミラーレス専用Artライン初の描写性能にこだわった中望遠マクロ

矢継ぎ早にミラーレス専用レンズを投入するシグマから、105mmマクロレンズが登場。これまでも一眼レフ用レンズがベースの「70mm F2.8 DG MACRO」がEマウント / Lマウントともに用意されていたが、ミラーレス専用設計として同社初のマクロレンズになる。

光学性能に磨きを掛けたお手ごろ価格のレンズ

マクロレンズは、その名の通り、接写に長けたレンズ。レンズ性能のひとつの指標である解像力については、近年登場したものであれば、いずれも高次元で目を楽しませてくれるが、耐逆光性能のほか、色収差や口径食の低減にも注力。唯一、惜しいのは三脚座が用意されないこと。スペース的に厳しいのも理解できるが、マクロ域で安定した撮影を楽しむためにも用意してほしかった。定番の人気中望遠マクロだけに徹底的に磨き込まれたうえに、価格は95,000円 (税別) と値ごろ感も高い。

シャープさとボケ味でヒガンバナを描く

絞り開放では周辺部のボケに口径食が若干見られるが、それよりも最新レンズらしいシャープさとボケ味の両立が見もの。絞り値の設定はボディ側、レンズ側のいずれかの選択が可能だ。

SIGMA 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art 作例
ソニー α7R IV SIGMA 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art 絞り優先オート F2.8 1/125秒 -0.3補正 ISO100 WB : 太陽光

マクロ撮影に便利な機能が充実

上からフォーカスモード切り替えスイッチ、AELボタン、フォーカスリミッタースイッチ、絞りリングクリックスイッチ。反対側には絞りリングロックスイッチが設けられている。

SIGMA 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art

大きなフォーカス群をパワフルに駆動

絞り羽根より前群の赤枠部を動かすフォーカス構造で色収差を低減。超音波モーター駆動を用いたフォーカスも移動量をたっぷり取って、ピント微調整が容易にできる設計になっている。

SIGMA 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art

日常の食卓がマクロレンズで作品になる

何気なく口にしている食事もレンズを向けると違う世界が見えてくる。コロナ禍で在宅が増えたせいか、春以降、ドイツ、アメリカを中心にマクロレンズの人気が高まったという。

SIGMA 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art 作例
ソニー α7R IV SIGMA 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art 絞り優先オート F2.8 1/125秒 -0.3補正 ISO1250 WB : オート

 

Lマウントモデルはテレコンバーターに対応!

テレコンで撮影倍率を拡大できる

Lマウントのみ1.4倍 / 2倍のテレコンバーターに対応する。焦点距離が伸びると同時に、最大撮影倍率もレンズ単体の等倍から、1.4倍 / 2倍へと拡大できる。なおワーキングディスタンスは14.1cmで変わらない。

SIGMA TELE CONVERTER TC-1411・TC-2011
左が1.4倍の「SIGMA TELE CONVERTER TC-1411」、右が2倍の「SIGMA TELE CONVERTER TC-2011」

 

SIGMA 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art 主な仕様

SIGMA 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art

発売日 2020年10月23日
希望小売価格 95,000円 (税別)

マウント ソニーEマウント、Lマウント
焦点距離 105mm
開放絞り F2.8
最小絞り F22
レンズ構成 12群17枚
画角 (35mm) 23.3°
絞り羽根枚数 9枚 (円形絞り)
最短撮影距離 29.5cm
最大撮影倍率 1倍
フィルター径 φ62mm
サイズ (最大径×長さ) Eマウント φ74×135.6mm、Lマウント φ74×133.6mm
質量 Eマウント 710g、Lマウント 715g
付属品 ケース、フード LH653-01

 

 

 

〈写真・解説〉桃井一至