フルサイズミラーレス専用設計のDi IIIシリーズ8本目となる望遠ズーム「70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD」がタムロンから登場。フィルター径67mmを踏襲したコンパクトズームの実力を、スポーツ撮影の現場で検証した。
フィルター径67mmの小さなズームで300mmの望遠効果が高画質に楽しめる
ソニーEマウント仕様のDi IIIシリーズに、70-300mmズームが加わった。世界最小・最軽量の望遠ズームだ。気軽に望遠撮影できるように企画されたレンズで、手ブレ補正機能やAF/MF切り替えスイッチは付いていないが、手ブレ補正に関してはボディ内手ブレ補正が使え、最近のカメラは高感度も優秀なので問題ないだろう。
祈りを込める選手の仕草をシャープに再現
男子やり投決勝。新井涼平選手が投てき直前にヤリに語り掛けるかのような仕草を、瞳AFを使い300mmでアップに捉えた。高感度でもシャープな画質が印象的だ。この最終投てきで81m57を出し優勝した。
シンプルなデザインで軽快に撮影できる
小さく軽いのでボディとのバランスは良好。レンズにはズームリング、フォーカスリングがあるだけだ。ズームリングをテレ側へ回すと鏡筒が伸びるタイプ。レンズフードは鏡筒先端部に取り付ける。
カメラ機能を効果的に使い高画質と使いやすさを両立
カメラ内レンズ補正 (周辺光量、倍率色収差、歪曲収差) に対応しており、300mm側でも隅々まで高解像度が得られる。逆光や照明からのフレアやゴーストは、BBARコーティングによりほぼ抑えられていた。
AF駆動にはステッピングモーターユニット「RXD」を搭載し、静かでスムーズなAF追従が可能だ。瞳AFやダイレクトマニュアルフォーカスにも対応している。レンズが小さいのでカメラとのバランスが良く、スポーツのほか、鉄道や飛行機なども軽快に撮影できそうだ。
瞳AF追従連写が勝利の瞬間を逃さない
1500m決勝。館澤亨次選手が3分41秒32で優勝した。ゴールとともに両手を握りしめ、右手で大きくガッツポーズした。ゴール直前から瞳AF追従連写で狙い、その瞬間を逃がさなかった。
軽量化と高画質化を追求した光学設計
むだを極限まで省いたレンズ構成で、軽量化とともに高画質を追求。LDレンズを適切に配置した光学設計により、望遠レンズで発生しやすい軸上色収差をはじめ、諸収差を良好に抑えている。
コンパクトで高性能なDi IIIシリーズ
フルサイズミラーレス専用設計のDi IIIシリーズは、超広角から望遠まで8本がそろった。フィルター径を67ミリに統一し、フィルターやキャップなどの使い回しができ便利。コンパクトで複数のレンズを持ち運ぶ際も携帯性がよい。
タムロン 70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD 主な仕様
発売日 2020年10月29日
希望小売価格 70,000円 (税別)
モデル名 A047
マウント ソニーEマウント
焦点距離 70〜300mm (APS-Cミラーレスカメラ装着時 : 35mm判換算 105-450mm)
開放絞り F4.5〜6.3
最小絞り F22〜32
レンズ構成 10群15枚
画角 (対角) 34°21’〜8°15′ (フルサイズミラーレスカメラ装着時)
絞り羽根枚数 7枚 (円形絞り)
最短撮影距離 0.8m (ワイド端) / 1.5m (テレ端)
最大撮影倍率 1:9.4 (ワイド端W) / 1:5.1 (テレ端)
フィルター径 φ67mm
サイズ (最大径×長さ) φ77×148mm
質量 545g
付属品 丸型フード、レンズキャップ
〈写真・解説〉高橋 学