フォクトレンダーから登場したマイクロフォーサーズ用の「SUPER NOKTON 29mm F0.8 Aspherical」は、なんと開放F0.8を実現。これまでのF0.95を超える明るさで、思いっきりボケを生かした撮影が楽しめる。
驚異的なF0.8で大きく美しいボケを描くマイクロフォーサーズ専用の超大口径MFレンズ
フォクトレンダーのマイクロフォーサーズ用レンズは、これまで10.5mmから60mmまで、すべてF0.95の明るさだった。しかし、今回F0.8の超大口径レンズが登場した。現在、写真用としては最も明るいレンズだ。
大きなボケ味が街スナップを印象的にする
標準域の遠近感ながら、マイクロフォーサーズとは思えない大きなボケ。ピントを合わせたイスのひじ掛けはとてもシャープだ。F0.8でも甘くならず、GAレンズの威力を感じさせる。
独自開発のGAレンズがF0.8実現のカギ
7群11枚のうち非球面レンズを2枚採用。しかも1枚は独自開発のGA (研削非球面) レンズ。高融点の硝材を使用することで設計の自由度が向上し、F0.8でも優れた性能が発揮できる。
常用できる大きさで質感も高い
F0.8だとどれだけ巨大なのかと思ったが、58mm相当としては大柄ではあるものの、十分常用できる大きさだ。MF専用で電気接点類を持たないのも小型化できた要因だろう。重さ703gは決して軽いとはいえないが、鏡筒には金属を採用し質感も高い。
高級感のあるデザインと操作性を両立
鏡筒は金属を使用し高級感たっぷり。ピントリングのローレットはクラシカルなデザインで操作性も良好だ。絞りリングは指標リングを180°回転させるとクリックフリーになる。
大きなボケが欲しいマイクロフォーサーズユーザーは必見
絞り開放はわずかに柔らかいが、F0.8とは思えないほど解像力は高い。F2に絞ると尖鋭度が増してくる。標準域の画角で大きなボケが欲しいMFTユーザーに注目のレンズだ。浅い被写界深度を生かしたスナップやポートレートなどにオススメしたい。
シルキーなMF操作で近接撮影が楽しめる
最短撮影距離0.37mで小さなバラを狙った。最大撮影倍率は0.1倍 (35mm判換算0.2倍)。クローズアップが得意とは言えないが、スナップ的な近接撮影やテーブルフォトなら十分対応できる。
12枚の絞り羽根で自然なボケ味を追求
絞り羽根は12枚もあり、円形に近い形。そのため点光源のボケが角張らず、自然なボケ味が得られる。これだけの枚数が入れられるのは、自動絞り機構がないレンズのメリットだ。
Voigtlander SUPER NOKTON 29mm F0.8 Aspherical 主な仕様
発売日 2020年12月10日
希望小売価格 225,000円 (税別)
マウント マイクロフォーサーズ
焦点距離 29mm (35mm判換算 58mm相当)
レンズ構成 7群11枚
画角 42.75°
絞り羽根枚数 12枚
開放絞り F0.8
最小絞り F16
最短撮影距離 0.37m
最大撮影倍率 0.1倍 (35mm判換算 0.2倍)
フィルター径 φ62mm
サイズ (最大径×全長) φ72.3×88.9mm
重量 703g
付属品 レンズフード
〈写真・解説〉藤井智弘