機材レポート

シグマとオリンパスの小型軽量100-400mm超望遠ズームレンズを実写チェック!

シグマ 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary

シグマ 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary 作例

スペック
[大きさ] 最大径86.0×全長197.2mm (Lマウント) [重さ] 約1135g (Lマウント) [レンズ構成] 16群22枚 [最短撮影距離] 1.12m (100mm時) / 1.6m (400mm時) [最大撮影倍率] 0.24倍 (400mm時) [絞り羽根枚数] 9枚 [フィルター径] 67mm

参考価格 約118,800円 (税込)

 

解像感は高いが微ボケに若干ザワつきが見られる

よこはま動物園ズーラシアのツキノワグマ。直射日光が当たっていることもあり、顔の毛並みはビシッと解像していて、光っている毛に偽色が浮くほど。後ボケになっている枯れ草を見ると少し縁取り感があり、これが微ボケになるとやや騒がしいボケになりやすい傾向がある。

シグマ 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary 作例
パナソニック LUMIX S1R シャッター優先オート 1/640秒 F6.3 -0.3補正 ISO200 WB : オート 275mm域
シグマ 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary 作例
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開放F値が暗いぶん檻などはぼかしきれないことも

よこはま動物園ズーラシアのアムールヒョウ。開放F値は明るくはないので、絞り開放でも檻の存在をボカしきれない。ただ、檻の奥がもう少し明るく、相対的に檻の反射が少ないシーンであれば、絞り開放テレ側で撮影すれば、かなり檻を目立たなくできると思う。ISO5000と高感度の影響で毛並みの解像が少し鈍っているが、ヒョウの手前の目はかなりクッキリとした描写だ。

シグマ 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary 作例
パナソニック LUMIX S1R シャッター優先オート 1/100秒 F6.3 -0.7補正 ISO5000 WB : オート 317mm域
シグマ 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary 作例
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口径食はあるが大口径レンズほど目立たない

江ノ島サムエルコッキング苑のウインターチューリップ。背景に木漏れ日を入れて、口径食をチェック。多少の欠けはあるが、大口径望遠ズームに比べると口径食は目立たず、渦を巻いたような後ボケになっていない。ピント面の解像はしっかりしていて、花びらの細かな模様まで再現されている。

シグマ 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary 作例
パナソニック LUMIX S1R 絞り優先オート F6.3 1/320秒 +1補正 ISO250 WB : 太陽光 254mm域
シグマ 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary 作例
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OSのモード2は流し撮りにきっちり対応

流し撮り用のOSモード2で撮影。誘導灯の軌跡を見ると、上下方向の揺れは少なく、ちゃんと流し撮りに最適化されているのがわかる。機体が完全に真横のタイミングではないので、機首と機尾では最適な回転角が異なり、多少微ブレしているが、機体の中央はほぼピタッと写し止めることができた。

シグマ 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary 作例
パナソニック LUMIX S1R 絞り優先オート F5.6 1/15秒 -0.3補正 ISO400 WB : 太陽光 183mm域
シグマ 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary 作例
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機体の丸みの感じがよく再現されている

夕空が反射した機体にアンチコリジョンライトが赤く光った瞬間を狙ってみた。あまり感度を上げたくなかったのでシャッタースピードは1/10秒に抑え、牽引車の動きに合わせてカメラを微動させている。ピクセル等倍ではわずかに微ブレもわかるが、コントラストも高く、機体のぬめっとした丸みがよく再現されている。

シグマ 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary 作例
パナソニック LUMIX S1R シャッター優先オート 1/10秒 F5.6 ISO1250 WB : 太陽光 237mm域
シグマ 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary 作例
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逆光でもフレアが少なくキレのある描写性能

羽田空港第1ターミナル展望デッキから着陸機を撮影。日没近くでド逆光での撮影ながら、フレアは少なく、機体の細部までキレの良い描写が得られている。機体の反射が縦に滲んでいるのはワイヤーフェンスの影響。フィルター径は67mmと小径なので、駐機中のヒコーキならフェンスの隙間から撮影可能だが、追い写しの場合はカメラを振る必要がありフェンス越しとなる。

シグマ 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary 作例
パナソニック LUMIX S1R シャッター優先オート 1/1300秒 F6.3 ISO1250 WB : 太陽光 326mm域
シグマ 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary 作例
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1.4倍テレコン使用では羽根の解像がやや低下する

フルサイズの400mmは野鳥撮影にはちょっと力不足。そこで1.4倍テレコンを装着してメジロを狙ってみたが、レンズ単体よりもハイライトが滲んできて、開放F値が1段暗くなったことで、感度アップすることも影響して羽根の解像もちょっと落ちる。高画素機ならAPS-Cクロップのほうが解像感的には有利かも。

■TELE CONVERTER TC-1411 を装着して撮影

シグマ 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary 作例
パナソニック LUMIX S1R シャッター優先オート 1/1000秒 F9.0 +0.7補正 ISO8000 WB : 太陽光 560mm域
シグマ 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary 作例
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距離が伸びると空気の揺らぎの影響も受けやすい

羽田空港第1ターミナル展望デッキから着陸機を狙う。川崎の浮島IC付近を背景にすると400mmでは望遠不足で、1.4倍テレコン併用でもこの大きさがやっと。撮影距離も遠くなるので、空気の揺らぎでコントラストや解像感も低下する。ただ、操縦席の窓付近を見ると、ニジミはあるが結構解像している。

■TELE CONVERTER TC-1411 を装着して撮影

シグマ 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary 作例
パナソニック LUMIX S1R シャッター優先オート  1/640秒 F9.0 +0.7補正 ISO2000 WB : 太陽光 560mm域
シグマ 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary 作例
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この距離ではコガモの羽根の細部まで解像

近くの川でコガモを撮影。コガモという名前の通り、カルガモに比べると小さいので、2倍テレコンを装着して800mmで撮影している。撮影距離が比較的短く、直射日光が当たって被写体のコントラストが高いこともあり、2倍テレコン併用としては羽根の細部まで解像していて、水滴や目の反射を見ても色ニジミはない。

■TELE CONVERTER TC-2011 を装着して撮影

シグマ 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary 作例
パナソニック LUMIX S1R シャッター優先オート 1/800秒 F13 ISO2000 WB : オート 800mm域
シグマ 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary 作例
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コントラストはやや低下するものの羽根の解像は十分

自宅近くの小川のほとりに座って日光浴しながら野鳥が来るのを待っていると、ツグミが徐々に近づいてくる。カメラをバッグの上に置き、チルトモニターを使ってローレベルで狙ってみた。少しコントラストが低下し、エッジのニジミ感もあるが、撮影倍率が高いこともあり、羽根の微細な部分までしっかりと再現されている。

■TELE CONVERTER TC-2011 を装着して撮影

シグマ 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary 作例
パナソニック LUMIX S1R シャッター優先オート 1/400秒 F13 +0.3補正 ISO1000 WB : 太陽光 800mm域
シグマ 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary 作例
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※参考価格は記事執筆時点の量販店価格です。

 

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