機材レポート

気軽に使える10メガ機に興味津々実はMFも超快適!『ニコンD40X』

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レンズキット用のレンズ『AF-S DXズームニッコールED18~55ミリf3.5-5.6GⅡ』がミョーに大きく見える…。ま、それほどD40Xボディが小さいってコトですナ。

 ニコンD200をメイン機として使っているボクだが、撮影目的がさほど明確じゃない場合などは、コイツを持っていくかどうか、かなり迷ってしまう。レポート用のカメラは別にあって、D200は状況撮影やブツ撮り用…とか。また、基本的には“あてのない自由な撮影”だけど、もしかしたら仕事に使える写真が撮れるかも…とか。だとすれば、コンパクトよりも一眼レフの方が描写の自由度(ボケ効果や質感描写)が広いだろうし、RAWで撮っておけば、後から融通もきくだろうし…。そんな迷いに直面するたび「あ~、もっと軽快で気軽に使えるボディがあればなぁ~。でも、ボディは軽快でも、撮れる絵(画像)はしっかりしていて欲しいよなぁ~」などと思ってしまう。

 そんなワガママを叶えてくれそうなボディが、この春に発売された『ニコンD40X』であ~る。小型軽量で、使いやすくて、値段も安い…で大ヒットした「D40」の基本機能はそのままに、デジタルカメラの心臓部である撮像センサーを「有効画素1020万画素CCD」にパワーアップ。そう、上位モデルのD200やD80の心臓部と肩を並べちゃったのよネ。しかも、連写性能もD40の「2.5コマ/秒」から、「3コマ/秒」に向上!! 見た目は同じでも、内容(性能)はパワーアップ…というパターンは、ニューモデルとしては新鮮さ&インパクトに欠ける。でも、個人的には“羊の皮を被った狼”っぽくて好き。

 問題は、約2万円(それ以上?)の価格アップをどうみるか? だね。「だったら、もう少し足してD80にした方がイイんじゃないの?」という意見も聞かれる。まあ、AFの仕様や制約(D40系は測距点が3点と少なく、超音波モーターのレンズじゃないとAFが機能しない)や、ボディや操作パーツの作りや質感もビミョーに違うからね。

 でも、そうやって欲を出しはじめると、当初の望みだった「軽快で気軽に使えるボディが欲しい!」というコンセプトがボヤけてこないかぇ? 機能や操作性能を追及するなら、悪いけどD80よりもD200だな(もちろん、D80も優秀なカメラだと思う)。たしかに、AF仕様&制約は少し見劣りするポイントだけど、そのかわり(?)に、ファインダー像の見え具合は、エントリークラスの中ではダントツ。いや、マジでダントツ優秀よ! メーカーは違うけど、ファインダーに定評のペンタックスK10Dに負けてない。実際に、同クラスの望遠ズームで比較してみた。ボクが見た(比較)したところ、MF時の“ピントの山”の見やすさは、そのK10D以上だった。…ということで、ボクの中で存在感がグングン高まっている『D40X君』なのでありマース!

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画素数の違いは別としては、描写の傾向は前モデル「D40」によく似ている。基本的に鮮やかな色再現なので、風景や人物など多くの撮影で好印象。ただし、露出レベルは少々オーバーぎみなので、風景撮影ではややマイナス側に補正する必要があるだろう(このカットはマイナス0.7補正)。あと、AWBの優秀さも特筆すべき点!(ニコンD40X AF-S DX18~55ミリf3.5-5.6GⅡで撮影)