開放F1.2やF1.4といった高性能な大口径レンズは魅力的な存在。だけど高価で、さらには大きく重たいこともあって、ちょっと敷居が高い。そんなとき手が届きやすいのが「F1.8」。フルサイズミラーレス用F1.8単焦点レンズの魅力に迫る!
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ニコンのハイグレードF1.8単焦点
高感度画質において、フィルムとは比べものにならないくらい高画質になった現在のデジタルカメラでは、ボケ量の面以外ではあまり明るさを意識しなくてもよくなった。そこで明るさとのバランスを考えたF1.8を中心としてハイグレードな単焦点レンズを揃えているのがニコンだ。
ニッコールZシリーズでは、今まで5本のF1.8単焦点レンズを用意しているが、それらのレンズは性能、そして価格面でもワンランク上のSライン仕様。バックフォーカスが短くなったにも関わらず、サイズ的には長くて大きめになっている。
このレンズ鏡胴の長さと大きめの後玉レンズから察するに、これは撮像素子面にできるだけ斜入射しないような工夫、そしてショートバックフォーカスを生かしてギリギリまで慎重に収差補正している結果だろう。長くはなっているが、程よい太さと幅広のMFリングで操作感は良好だ。
■ NIKKOR Z 20mm f/1.8 S
周辺画質も抜群にいい “長い”デザインの超広角
外観では85mmよりも長い鏡筒を持つ、おそらく一番長い20mm。絞り開放による撮影だが、画面隅まで驚くほど高解像の安定したキレのある画質が得られている。
■ NIKKOR Z 85mm f/1.8 S
85mm F1.8スペックでは最高レベルの描写
絞り開放からピント面のシャープさが際立つが、ポートレート用途も意識してか若干抑えめの印象。ボケはクセのないナチュラルタイプで、特に後方へ溶けていくボケは美しい。
■ NIKKOR Z 50mm f/1.8 S
動画撮影にも使える高性能標準レンズ
Zマウントの初代メンバー。マルチフォーカスではないが、最短撮影距離でも素晴らしいキレとボケ。ブリージングが少ないのも特徴。
■ NIKKOR Z 35mm f/1.8 S
マルチフォーカスを採用し収差を補正
50mmとともに初期からある1本。フォーカシングで2群を動かすマルチフォーカスを採用。全域で収差を抑え安定した画質が得られる。
■ NIKKOR Z 24mm f/1.8 S
無限遠から接写まで高画質に狙える
マルチフォーカスが採用され、最短撮影距離から無限遠まで高画質が狙える広角レンズ。近距離撮影では美しい背景ボケも得られる。
次回はシグマのF1.8単焦点レンズを作例とともに紹介します。
※参考価格は記事執筆時点の量販店価格です。