機材レポート

APS-C機で”大口径・標準〜中望遠レンズ”として活用『タムロン SP24-70ミリF2.8 Di VC USD』

キヤノン EOS 60D+タムロン SP 70-200mm F/2.8 Di VC USD
フィルター径82mm・重さ825g(ニコン用の重さだけど)と、大柄で重い標準ズームなので、ボディがKissシリーズあたりだと不釣り合い。このEOS 60Dボディとのバランスも微妙(苦笑)。でも、ホールドしやすい鏡筒デザインだし、手ブレ補正機構「VC」も搭載しているので、撮影時の使用感は良好であ〜る。

タムロン SP 70-200mm F/2.8 Di VC USD
大柄な大口径ズームはフードも大柄。…という事が多いが、このSP24-70ミリF2.8 Di VC USD用のフードはあまり大柄じゃないので、個人的には好印象。また、フード位置をロックする場合の”固さ”も、信頼感があって好印象なんだよなぁ(個体差はあるかもしれないけどね)。

 35ミリ判フルサイズ対応の大口径標準ズームで、初めて手ブレ補正機構を搭載した『タムロン SP24-70ミリF2.8 Di VC USD』。このレンズ、以前に「キヤノン EOS5D Mark II」用の標準ズームとして使っていたモノ(それ以前は、キヤノン純正のEF24-105ミリF4L IS USMを使ってた)。だけど、一昨年秋に敢行した”フルサイズ機はキヤノンからニコンに乗り換えよう作戦”以降は、あまり使う機会がなかった。まあ、手持ちのEOS 60Dボディだと1.6倍の焦点距離(の画角)になっちゃうからね。え〜と、「38.4-112ミリ相当」の画角になるのか。うむむ〜、微妙(笑)。何だか2000年代初めの高性能コンデジの搭載レンズみたいな数値だ。

 でも、いまEOS 60D用の標準ズームとして使用している「EF-S18-55ミリF3.5-5.6 IS II」だと、ボケ具合を含めた描写には妥協せざるを得ない事が多い。望遠側の画角に関しては、18-55ミリと同時に購入したEF-S55-250ミリF4-5.6 IS IIでカバーできるけどね。

…ということで、標準域から望遠域にかけての明るい開放F値(18-55ミリF3.5-5.6と比較)に注目して使えば、良さげな結果が得られるんじゃなかろか? そんな期待を抱きながら、タムロン SP24-70ミリF2.8 Di VC USDを装着したEOS 60Dを持って、冬晴れの庭園に出かけてみた。
55ミリ/F5.6で撮影(キヤノン EF-S18-55ミリF3.5-5.6 IS II)
作例1(C)吉森信哉

70ミリ/F2.8で撮影(タムロン SP24-70ミリF2.8 Di VC USD)
作例2(C)吉森信哉
◆共通データ:キヤノン EOS 60D 絞り優先オート WB太陽光 ISO100  5184×3456ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)

 以前に使用していた「EF24-105ミリF4L IS USM」も、標準ズームとしては大柄な部類だったが、この「タムロン SP24-70ミリF2.8 Di VC USD」はそれに輪をかけてデカい。フィルター径が一回り大きい82mmだし(24-105ミリは77mm)、重さに関しても150g以上も重いからねぇ。しかも、ズームリングの動き(回転)も重めで、お世辞にも快適に扱える標準ズームとは言えない。また、70ミリの望遠端も、105ミリと比べると「引き寄せ効果が弱い」という印象を受ける。

 しかし、重めのズームリングは、持ち運び時に気になる”自重による鏡筒の伸びが起きにくい”というメリットにつながる(いちおうズームのロック機構も装備されているが)。

そして、望遠側の焦点距離の短さと引き換えに”ズーム全域でF2.8″という最大のメリットがある。APS-C機で使用しても「112ミリ相当・F2.8」という微妙な数値ではあるが、「張り付くようなファインダー像」と評される強力な手ブレ補正機構「VC」の効果もあって、使用感や描写性能はけっこうイイ感じ。上の18-55ミリF3.5-5.6との比較作例を見ても、被写体を引き寄せる効果やボケの大きさは、たしかに一般的な標準ズームとは違う。

もちろん、APS-C機で18-55ミリと組み合わせて使うなら、EF-S55-250ミリF4-5.6 IS IIがベストだろう。画角的には。しかし、近くにある被写体をボケを生かしながら撮る…というアプローチを意識するなら、準標準域から中望遠域まで”F2.8″で撮れる「タムロン SP24-70ミリF2.8 Di VC USD」は、けっこう使えると思う。この24-70ミリF2.8をメインレンズに据えながら、足りない広角域を18-55ミリでカバーする…この組み合わせ&使い分け、やってみると意外と楽しいヨ!

タムロン SP 70-200mm F2.8 Di VC USD/キヤノン EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS II
EOS 60Dボディに装着したフルサイズ対応「タムロン SP24-70ミリF2.8 Di VC USD」と、コンパクトで軽量なAPS-C専用「キヤノン EF-S18-55ミリF3.5-5.6 IS II」。焦点距離は相当被るが、キャラは被らない。

作例3(C)吉森信哉
◆キヤノン EOS 60D タムロン SP24-70ミリF2.8 Di VC USD(70ミリで撮影) 絞り優先オート F3.5 1/2000秒 −0.3補正 WB太陽光 ISO100  5184×3456ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)

作例4(C)吉森信哉
◆キヤノン EOS 60D タムロン SP24-70ミリF2.8 Di VC USD(70ミリで撮影) 絞り優先オート F2.8 1/125秒 +0.3補正 WB太陽光 ISO100  5184×3456ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)

作例5(C)吉森信哉
◆キヤノン EOS 60D タムロン SP24-70ミリF2.8 Di VC USD(24ミリで撮影) 絞り優先オート F8 1/640秒 +0.3補正 WB太陽光 ISO100  5184×3456ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)

作例6(C)吉森信哉
◆キヤノン EOS 60D タムロン SP24-70ミリF2.8 Di VC USD(24ミリで撮影) 絞り優先オート F2.8 1/50秒 −0.7補正 WBオート ISO100  5184×3456ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)

作例3(C)吉森信哉
◆キヤノン EOS 60D タムロン SP24-70ミリF2.8 Di VC USD(70ミリで撮影) 絞り優先オート F2.8 1/3200秒 WB太陽光 ISO100  5184×3456ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)

作例8(C)吉森信哉
◆キヤノン EOS 60D タムロン SP24-70ミリF2.8 Di VC USD(31ミリで撮影) 絞り優先オート F11 1/320秒 −0.3補正 WB太陽光 ISO100  3456×5184ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)