富士フイルムXシリーズで高品位なスナップ撮影が楽しめる、27mm相当の大口径広角レンズ「フジノンレンズ XF18mmF1.4 R LM WR」が発売された。藤村カメラマンが街へ持ち出し、レンズ性能にシビアな都市夜景でテストした。
広角レンズの弱点を克服
広角レンズは、ボケ、歪み、周辺の流れ、収差、フリンジなど、ワイドならではの難点がある。しかし、このレンズは線や点などの描写が非常にクリアで、さらに歪みも少なく、シャープなレンズにありがちなフリンジも出ない。サジタルコマ収差とフリンジは夜景の天敵で、過去に何度も失敗した。都市夜景で歪みや収差を気にしないで撮影できるのは、大きなメリットだ。
繊細な描写が都市夜景をキレ味鋭く描く
「X-T4」とのバランスがよく、手ブレ補正も強力なので、ブレを最小限に抑えることができた。線路のシャープ感や柱などの歪みの少なさは秀逸。点光源のフレアやフリンジもまったく見られなかった。
画面周辺までシャープな描写を追求
非球面レンズ3枚、EDレンズ1枚を含むレンズ構成により、色収差やコマ収差を補正。6枚のフォーカス群を一度に駆動させることで収差変動を抑え、キレのある描写を実現している。
小型軽量で自然なボケ味も楽しめる
開放F1.4の大口径を利用してボケ味も楽しめる。丸ボケは口径食が非常に少なく、美しい円形かつ自然なトーンでぼけてくれる。広角接写を応用すれば、さらに表現の幅が広がるだろう。
小型で軽量なのも嬉しい。全体的に高級感があり、絞りリングを回すことすら楽しくなる。リニアモーターの搭載によりAF駆動が非常に静かなので、動画撮影にも威力を発揮するだろう。
シャープな描写と滑らかなボケ味を両立
最短撮影距離20cmの近接性能を生かし広角接写。ピント位置のステンレスのキズは高い解像性能によりリアルに表現され、そこから滑らかに続くボケと自然な一体感がある。高感度とは思えない階調豊かな描写が得られた。
スナップに最適なちょうどいいサイズ感
「X-T4」との組み合わせはサイズ感が絶妙。左手のひらの上に乗せて絞りやピントリングを操作するのにちょうどいい。女性がスナップで持ち歩くのも苦にならない程度の重さだ。
付属の花形フードで余計な光をカット
花形フードはレンズに入り込む光を効果的にカットできる。特に夜景撮影において頼もしい存在だ。メタル角形フード (別売) もあるが、夜景撮影には花形がオススメ。MFリングの操作性も良い。
フジノンレンズ XF18mmF1.4 R LM WR
発売日 2021年5月27日
希望小売価格 144,100円 (税込)
マウント FUJIFILM Xマウント
焦点距離 18mm (35mm判換算 27mm相当)
開放絞り F1.4
最小絞り F16
レンズ構成 9群15枚 (非球面レンズ3枚、EDレンズ1枚)
画角 76.5°
絞り羽根枚数 9枚
最短撮影距離 20cm
最大撮影倍率 0.15倍
フィルター径 φ62mm
大きさ (最大径×長さ) 約φ68.8×75.6mm
質量 約370g