ニュース

手ブレ補正6.5段、ついにベールを脱いだ「X-T4」はX史上最高の高性能ハイスピードミラーレスだ

富士フイルムは、ミラーレスカメラXシリーズの最新モデル「FUJIFILM X-T4」を2020年4月に発売する。ボディカラーはシルバーとブラックで、発売はボディ単体と、「XF16-80mmF4 R OIS WR」をセットにしたレンズキットの2種類。価格はいずれもオープン。ボディ単体の予想価格は204,500円 (税別)。

<2020.4.1> ブラックの発売日が2020年4月28日 (火) に決定。シルバーは2020年5月下旬発売に延期となる。

<2020.5.8> シルバーの発売日が2020年5月21日 (木) に決定。

FUJIFILM X-T4
▲日本時間2020年2月5日に英・ロンドンにて開催された「X Summit LONDON」で予告された「X-T4」が、ついにベールを脱いだ。写真はレンズキット シルバー。

 

「X-T4」は、X-Tシリーズの特長であるセンターファインダースタイルを採用した、小型軽量でスタイリッシュなミラーレスカメラ。有効約2610万画素の裏面照射型「X-Trans CMOS 4」イメージセンサーと高速画像処理エンジン「X-Processor 4」を搭載。15コマ/秒の高速連写と最短約0.02秒のAFが可能で、5軸・最大6.5段のボディ内手ブレ補正機能を備える。「フィルムシミュレーション」に、低彩度・高コントラストで重厚感のある「ETERNA ブリーチバイパス」モードを新たに搭載した。また、新開発の大容量バッテリーにより、約500枚の連続撮影が可能となっている。

FUJIFILM X-T4
▲レンズキット ブラック

■世界最速15コマ/秒の高速連写と最短約0.02秒のAF機能

「X-T4」は、新開発のフォーカルプレーンシャッターを採用し、高性能モーターでシャッターを駆動させることで、15コマ/秒の高速連写を実現。シャッターボタンを押してからシャッターが切れるまでのレリーズタイムラグは約0.035秒に抑えられ、高い応答性を発揮する。また電子シャッター設定時には、30コマ/秒のブラックアウトフリー高速連写が可能となっている。シャッターの耐久性は、従来機「FUJIFILM X-T3」の2倍に向上しており、シャッター音の静音化も実現した。

アルゴリズムの進化などにより、最短約0.02秒の高速AFを実現。顔・瞳AFの性能も向上しており、より快適なポートレート撮影が可能になっている。動体追従AFは、カメラから離れていく被写体も正確に捉え続けることができる。

■最大6.5段のボディ内手ブレ補正機能

「X-T4」は、ボディ内手ブレ補正機能をX-Tシリーズで初めて搭載した。「FUJIFILM X-H1」に搭載のボディ内手ブレ補正機能の8倍のブレ検出精度を持つジャイロセンサーと、シャッター時の微振動を効果的に抑制する衝撃吸収機構などを新たに採用することで、5軸・最大6.5段の手ブレ補正効果を発揮する

※XF/XCレンズ18機種との組み合わせで6.5段を実現 (2020年2月26日時点)。

■大容量バッテリーでノーマルモード約500枚の連続撮影が可能

電源には、新開発の大容量バッテリー「NP-W235」を採用し、ノーマルモードで約500枚、エコノミーモードで約600枚の連続撮影が可能となっている (背面液晶モニターのみを使用し、JPEG画像で撮影した場合)。また、別売の縦位置バッテリーグリップ「VG-XT4」を使用し、「NP-W235」を2個装填した場合には、最大約1700枚の連続撮影を行うことが可能だ。

■最適な表示を選べるライブビュー設定

ファインダーのライブビュー設定は、撮影シーンや被写体に応じて、低照度優先モード、解像度優先モード、フレームレート優先モードの3つのブーストモードから選択可能。背面液晶モニターでは、低照度優先モードと解像度優先モードから選択可能となっている。

低照度優先モードは、暗所でも被写体を正確に捉えることができるモードで、解像度優先モードは、被写体の細部までを映し出す。また、フレームレート優先モードは、被写体の動きをなめらかに表示することができる。

FUJIFILM X-T4
▲0.5型・約369万ドットの有機ELファインダーと、3.0型・約162万ドットの背面液晶モニターを搭載。背面液晶モニターはバリアングル式になった。

■こだわりの色彩表現

フィルムの色や階調を再現する「フィルムシミュレーション」には、「ETERNA ブリーチバイパス」モードを新たに搭載する。フィルム現像方法の「銀残し」を施したような、低彩度・高コントラストで重厚感のある表現を可能にするモードとなっている。「ETERNA (エテルナ)」は富士フイルムの映画用フィルムだ。

また、オートホワイトバランス機能に、白熱電球下などでも自然な白色を再現できる「ホワイト優先」モードと、温かみのある色合いを実現する「雰囲気優先」モードが新たに追加されている。

FUJIFILM X-T4
▲「ETERNA ブリーチバイパス」モードの作例。

■充実の動画撮影機能

「X-T4」は、静止画/動画切換ダイヤルを新たに搭載した。また、動画専用操作モード使用時は、動画撮影の設定を記憶することができるため、静止画撮影から動画撮影への移行も速やかに行うことができる。

FUJIFILM X-T4

4K/60P 4:2:0 10bitの映像をSDカードに記録可能となっており、HDMI出力ではより多くの色情報を記録できる4K/60P 4:2:2 10bitにも対応する。フルHD・240Pのハイスピード動画撮影が可能で、最大10倍のスローモーション映像で再生することができる。手持ち撮影で生じるブレを徹底的に補正する電子式手ブレ補正機能も新たに搭載されている。

レンズキット

標準ズームレンズ「XF16-80mmF4 R OIS WR」が付属する。予想価格は264,500円 (税別)。

FUJIFILM X-T4

FUJIFILM X-T4 主な仕様

カラー シルバー、ブラック
有効画素数 約2610万画素
撮像素子 23.5×15.6mm (APS-Cサイズ) X-Trans CMOS 4センサー (裏面照射型)
マウント FUJIFILM Xマウント
ISO感度 ISO 160〜12800 (拡張 ISO 80 / 100 / 125 / 25600 / 51200)
ファインダー 0.5型 約369万ドット 有機ELファインダー (倍率 0.75倍 / アイセンサー付き)
画像モニター 3.0型 約162万ドット バリアングル式タッチパネル付きTFTカラー液晶モニター
記録媒体 SD/SDHC/SDXCメモリーカード (UHS-I/II、ビデオスピードクラスV90対応)
サイズ (幅×高さ×奥行き) 134.6×92.8×63.8mm (最薄部奥行き 37.9mm)
質量 約526g (本体のみ) / 約607g (バッテリー、メモリーカードを含む)
付属品 充電式バッテリーNP-W235 (リチウムイオンタイプ)、ACパワーアダプター AC-5VJ、プラグアダプター、専用USBケーブル、ヘッドホン用アダプター、ショルダーストラップ、ボディーキャップ、ホットシューカバー、縦位置グリップ用端子カバー、メモリーカードスロットカバー、シンクロターミナルカバー ほか

 

 

〈文〉柴田 誠