④ 光点ボケを比較
夜景を撮影し点光源の描写性能をチェック
横浜大桟橋からみなとみらい方面を撮影。ライブビュー拡大を併用しながら、MFでピント位置を調整し、合焦時の点像性能をチェックするだけでなく、わざとピント位置を前後にずらして、ビルなどの点光源をぼかし、そのボケ方を比較してみた。カメラのMFアシストの距離表示を参考に、後ボケは約2m、前ボケはオーバーインフ (無限遠よりも遠く) に合わせているが、あくまで目安でしかなく、ボケの絶対量には意味がない。あくまで、ボケの縁取り、輪線の有無などを見てほしい。
合焦
後ボケ
前ボケ
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テスト撮影の様子を動画で紹介!
■ソニー FE 35mm F1.4 GM
ビルの窓枠にわずかな色づきが
通常の撮影では、軸上色収差によるボケの色づきをほとんど感じなかったが、このテストでは、ビルの窓明かりがぼけた輪郭にごくわずかな色が浮いている。後ボケよりも前ボケのほうが輪郭の縁取り感は強めだが、非球面レンズ特有の輪線ボケは出ていない。
合焦
後ボケ
前ボケ
■ソニー Distagon T* FE 35mm F1.4 ZA
輪線ボケがかなり表れ、色浮きも目立つ
思ったよりも周辺の解像は整っているが、明かりの周囲がにじみ気味。また、前後にぼかした写真を見ると、非球面レンズ特有の輪線ボケがかなり目立ち、また、ボケの輪郭にも軸上色収差による色が浮いている。
合焦
後ボケ
前ボケ
■ソニー FE 35mm F1.8
周辺部でコマ収差が多少見られるが、ボケに関しては比較的自然な印象
ハイライトににじみがあり、周辺部はコマ収差で点光源が羽根を広げるが、解像自体は少し緩さはあるが、絞り開放としてはまずまず安定している (画面右側の解像は少し乱れがあるが…)。前後のボケの縁取りは少しあるが、周辺でボケが変形する以外は割と自然なボケだ。
合焦
後ボケ
前ボケ
■シグマ 35mm F1.4 DG DN | Art
クッキリとした解像が見られが、前ボケでは縁取り感が強め
画面左のビルの窓枠の解像が少し緩いが、それ以外はハイライトににじみもなく、絞り開放とは思えないほど、クッキリした描写だ。前後のボケは、軸上色収差によるボケの色づきが認められ、前ボケはやや縁取り感が強めに出る。
合焦
後ボケ
前ボケ
■シグマ 35mm F2 DG DN | Contemporary
価格を考えれば十分な点像再現
ビルの赤い衝突防止灯など、画面周辺でコマ収差で点像が羽根を広げるが、それも画面のごく周辺。開放の点像性能は、この価格帯のレンズとは思えないほど。ただ、前ボケ、後ボケともに、ボケの中心に目玉のような模様が浮くのがちょっと惜しい。
合焦
後ボケ
前ボケ