機材レポート

鮮やかな色再現や優れたレンズ描写で”春の彩り”を堪能!『富士フイルム X-T1』

富士フイルム X-T1
ボクは別に「ダイヤルによるアナログ操作が好き」という訳ではない。でも、一眼レフを彷彿とさせるトップカバーに質感の高いダイヤルが並ぶ姿には、やはり懐かしさや安心感を覚えちゃうナァ〜。

富士フイルム X-T1
ボディ重量約440g(バッテリーとメモリーカード含む)+18−55ミリ標準ズーム約310g。ミラーレス一眼としては少し重めの部類に入る組み合わせだけど、ストラップを首から掛けても負担になるような重さじゃない(と、個人的には感じる)。

富士フイルム X-T1
今回借用した「X-T1+XF18-55ミリF2.8-4 R LM OIS」と「XF55-200ミリF3.5-4.8 R LM OIS」。この2本のズームレンズの組み合わせは、画質面での満足度が高いし、画角的にも実用的な範囲をカバーしている。まあ、風景派のボクとしては、標準ズームの広角端が24ミリ相当だとベストなんだけどね(18ミリだと27ミリ相当になる)。

 前回紹介したとおり、『富士フイルム X-T1』の特長は、高精細ファインダーや「最速8.0コマ/秒」高速連写。そして、堅牢で高剛性なマグネシウムダイキャスト製ボディや、アルミ削り出しの高品位ダイヤルによるアナログ操作、などである。こういった特長に惹かれてこのカメラを選ぶ人も多いと思う。だけど、主に風景や花などを撮るボクだと”色再現”や”細部の描写性能”といった画質を重視して選びたい。

 もちろん、X-T1はそういった画質面でも魅力的なモデルである。色再現に関しては、前回も触れた、PROVIA、Velvia、ASTIAというリバーサルフィルムの名称で選ぶ「フィルムシミュレーション」の親しみやすさや、その色再現性の優秀さに魅力を感じる。そして、細部描写に関しても、高解像力が得られるローパスレス構造&モアレの出にくい独自のカラーフィルター配列を採用した「X-Trans CMOS IIセンサー」を搭載。これにより、APS-Cサイズとしてはトップクラスの描写性能を実現。まあ、従来のモデルでも「色再現や細部描写でXシリーズを選ぶ」という人は多いと思うけどね。

そして、ボディの色再現や細部描写性能と同時に…いや、もしかしたらそれ以上に重要になってくるのが”レンズ性能”である。最近のデジタルカメラでは、レンズの特定の収差をボディ側で処理(補正)することも多いが、それだけでは”満足できる描写”は得られない。そう、レンズ自体の光学性能も重要。画面の中央やその付近は良好でも、周辺に近い所の像がボケたり流れたり…そういうズームレンズも多いからねぇ。

だけど、今回X-T1ボディと一緒に借用した、標準ズームの『XF18-55ミリF2.8−4 R LM OIS』と、望遠ズームの『XF55-200ミリF3.5-4.8 R LM OIS』は、利便性や使いやすさだけでなく描写性能もかなり優秀。XF18-55ミリは一般の標準ズームより開放F値が明るく、しかもに像の乱れが少なくて安定した描写が得られる。また、XF55-200ミリも一般の望遠ズームより明るいのに、開放付近からシャープでキレのよい描写が得られるのでボク好み。特に、多くの望遠ズームで泣き所になる”望遠端の絞り開放”時の描写が素晴らしい(ボク個人の印象で、レンズの個体差の問題とかもあるけど)。

色再現や細部の描写性能が優秀な「X-T1」ボディと、開放F値が明るめの標準ズームと望遠ズームの組み合わせ。この最小限”本気セット”を持って「梅まつり」開催中の公園に出かけてみた。そこでの撮影は、とても快適かつ撮影結果も満足できるモノだったよ。

富士フイルムX-T1作例(C)吉森信哉
◆富士フイルム X-T1 XF18-55ミリF2.8-4 R LM OIS(18.8ミリで撮影) 絞り優先オート F11 1/140秒 −0.3補正 WBオート ISO200 4896×3264ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)

富士フイルムX-T1作例(C)吉森信哉
◆富士フイルム X-T1 XF55-200ミリF3.5-4.8 R LM OIS(200ミリで撮影) 絞り優先オート F5.6 1/750秒 +0.3補正 WBオート ISO200 4896×3264ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)

富士フイルムX-T1作例(C)吉森信哉
◆富士フイルム X-T1 XF55-200ミリF3.5-4.8 R LM OIS(200ミリで撮影) 絞り優先オート F8 1/220秒 WBオート ISO200 4896×3264ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)

富士フイルムX-T1作例(C)吉森信哉
◆富士フイルム X-T1 XF18-55ミリF2.8-4 R LM OIS(18ミリで撮影) 絞り優先オート F11 1/170秒 WBオート ISO200 4896×3264ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)

富士フイルムX-T1作例(C)吉森信哉
◆富士フイルム X-T1 XF18-55ミリF2.8-4 R LM OIS(18ミリで撮影) 絞り優先オート F16 1/210秒 −0.7補正 WBオート ISO200 3264×4896ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)

富士フイルムX-T1作例(C)吉森信哉
◆富士フイルム X-T1 XF55-200ミリF3.5-4.8 R LM OIS(200ミリで撮影) 絞り優先オート F5.6 1/400秒 WBオート ISO200 4896×3264ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)

富士フイルムX-T1作例(C)吉森信哉
◆富士フイルム X-T1 XF55-200ミリF3.5-4.8 R LM OIS(200ミリで撮影) 絞り優先オート F5.6 1/550秒 WBオート ISO200 4896×3264ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)

富士フイルムX-T1作例(C)吉森信哉
◆富士フイルム X-T1 XF55-200ミリF3.5-4.8 R LM OIS(200ミリで撮影) 絞り優先オート F5.6 1/320秒 −0.3補正 WBオート ISO200 3264×4896ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)