RFマウント専用設計により、高画質化とコンパクト化を追求したF4通しの超広角ズームレンズ「RF14-35mm F4 L IS USM」が登場した。迫力のワイド描写からクローズアップまで楽しめる新超広角ズームの全貌に迫る。
14mmスタートのコンパクトな超広角ズーム
キヤノンからRFマウント2本目の超広角ズーム「RF14-35mm F4 L IS USM」が発表された。広角側を14mmスタートとしているのが最大のポイント。広角の1mmの差が大きなことは言うまでもないだろう。
1/2秒の手持ち撮影で人物の躍動感を演出
人物をブラしながらの動感描写を狙ってみた。人の動きやシャッター速度を何度かテストして、最終的に1/2秒で手持ち撮影。背景のビルはシャープに、手前の人物は大きく躍動感のある描写になり、傘のブレがいいアクセントになってくれた。
14~200mmをカバーする小三元が完成した
これで超広角14mmから望遠200mmまで、F4通しの小三元が完成した。レンズの全長はどれも短く重量も軽い。小さいカメラバッグで軽快に撮影したいRシステムユーザーに最適なレンズシステムだ。
「うわ、小さい!」
実際に手に取ってみると、普段「RF15-35mm F2.8 L IS USM」を使っている僕としては、「うわ、小さい!」と感じてしまうほど。開放F4に抑えられているので当然なのだが、全長は27mm短く、重さは300gも軽く、フィルター径は82mmから77mmへと格段にコンパクトになっている。ズームしたときのレンズの繰り出し量もわずかで、持ったフィーリングも手にしっくり収まる。これがもし16mmスタートだったら、どこまで小さくできたのかも興味がある。
広角端のワイド化と軽量化が嬉しい
同クラスの一眼レフ&広角ズームの組み合わせと比べ、重量で約12%も軽量化されている。それでいて広角端は16mmから14mmへワイド化され、よりダイナミックな撮影ができるようになった。ミラーレス専用設計による恩恵は大きい。
すみずみまで高解像、寄ればボケ味も楽しめる
一般的にレンズがワイドになればなるほど収差を抑えるのは難しくなる。また画質も画面周辺部に行くほど厳しくなるが、このレンズは隅々まで解像感が高い。14mm側での強烈なパースを生かした描写は、標準ズームとはまるで違う迫力を生み出すことができる。最短撮影距離ではキリッとした画質の印象が若干薄れるが、寄れることのメリットは大きい。35mm側ではとてもナチュラルな描写となり、ある程度被写体に近づくことでボケを生かした撮影も楽しめる。
歪みのないまっすぐな超広角描写が気持ちいい
水平垂直に気をつけながら撮影すると、広角端14mmでもまっすぐなものがまっすぐに写る自然な描写となる。画面周辺まで収差も感じられない。今までよりも一回り広く写せる画角は新鮮で、撮っていて楽しくなる。
主役の花にグッと迫り背景と組み合わせる
広角端14mmで最短撮影距離から撮影。最短撮影距離がこれまでの超広角ズームで多かった0.28mから0.2mになり、使い勝手が大幅に向上した。ピントを合わせた主役と背景を組み合わせた、遠近感のあるスナップ撮影に重宝する。
強力な手ブレ補正で手持ちでの撮影領域が広がった
5.5段分の手ブレ補正機構が付いており、「EOS R5」などのボディ内手ブレ補正との協調制御により最大7段分の効果を発揮する。手持ちでの撮影領域が広がった魅力的なレンズだ。
ワイド感を生かして夜の街を手持ちスナップ
狭い場所こそ超広角が生きてくる。すぐ目の前にある自転車もレンズを通すと適度な距離感で背景と組み合わせることができる。1/2秒のスローシャッターで手持ち撮影。強力な手ブレ補正機構があるため夜の街スナップに便利だ。
ミラーレス専用設計により高画質を追求
RFマウントの大口径とショートバックフォーカスによる自由度の高いレンズ設計により、高画質化と小型化を両立。全域で中心部から周辺部までの高画質を追求し、フレアやゴーストの発生も低減している。
キヤノン RF14-35mm F4 L IS USM
発売日 2021年9月30日
参考価格 236,500円 (税込)
マウント キヤノンRFマウント
レンズ構成 12群16枚
最短撮影距離 0.2m
最大撮影倍率 0.38倍 (35mm時)
フィルター径 φ77mm
絞り羽根 9枚 (円形絞り)
最大径×長さ 約φ84.1×99.8mm
質量 約540g