機材レポート

【実写レビュー】キリッとシャープな描写と明るさが好印象「LEICA DG VARIO-SUMMILUX 25-50mm / F1.7 ASPH.」

ライカ基準をクリアした開放F1.7の明るさを持つマイクロフォーサーズ用ズームレンズがパナソニックから発表された。全域F1.7シリーズ第2弾となる「LEICA DG VARIO-SUMMILUX 25-50mm / F1.7 ASPH.」は、35mm判換算で50〜100mmをカバー。その実力を実写で検証した。

LEICA DG VARIO-SUMMILUX 25-50mm / F1.7 ASPH. 実写レビュー

全域F1.7の明るさを持つ大口径F1.7シリーズ2本目のズームレンズ

6月に「LUMIX GH5II」が登場したパナソニックから、ズーム全域F1.7シリーズ2本目となる「LEICA DG VARIO-SUMMILUX 25-50mm / F1.7 ASPH.」が発売された。「GH5II」と組み合わせたインプレッションをお届けしよう。

黒の締まりとハイライトのコントラストが◎

日本橋の橋の真ん中でモノクロスナップ。黒の締まりとハイライトのヌケが良く、キリッとシャープな印象を受ける。もう少し広角側が広ければ、1本のズームで幅広い撮影が楽しめると思うのは筆者だけか。

LEICA DG VARIO-SUMMILUX 25-50mm / F1.7 ASPH. 実写レビュー
LUMIX GH5II LEICA DG VARIO-SUMMILUX 25-50mm / F1.7 ASPH. 絞り優先オート F8 1/60 秒 ISO200 WB : オート

ハーフマクロ的な使い方もできる

全域F1.7ズームとしては、すでに「LEICA DG VARIO-SUMMILUX 10-25mm / F1.7 ASPH.」が発売されているが、2本を並べてみると、見分けがつかないほどソックリな外観をしている。強いて違いをあげれば、10-25mmには花形フードが、25-50mmには丸形フードが付属するくらいだ。最短撮影距離はどちらも0.28mで、ハーフマクロに迫る近接能力を持っている。

ハーフマクロに迫るクローズアップで捉える

公園にトルコキキョウが咲いていたので接写にチャレンジ。35mm判換算0.42倍の撮影倍率が得られるので、これはもうハーフマクロレンズといってよいレベル。ピント位置のシャープさも優秀だ。

LEICA DG VARIO-SUMMILUX 25-50mm / F1.7 ASPH. 実写レビュー
LUMIX GH5II LEICA DG VARIO-SUMMILUX 25-50mm / F1.7 ASPH. 絞り優先オート F1.7 1/640秒 +0.3補正 ISO200 WB : オート
LEICA DG VARIO-SUMMILUX 25-50mm / F1.7 ASPH. 実写レビュー
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うりふたつの外観を持つF1.7兄弟ズーム

先に発売された「LEICA DG VARIO-SUMMILUX 10-25mm / F1.7 ASPH.」(左) と「LEICA DG VARIO-SUMMILUX 25-50mm / F1.7 ASPH.」(右) を比べてみた。ほとんど同じサイズとデザインで、まさに兄弟ズームだ。

LEICA DG VARIO-SUMMILUX 25-50mm / F1.7 ASPH. 実写レビュー

単焦点クラスの高い光学性能

このレンズの特徴は、非球面レンズやEDレンズ、UHRレンズといった特殊硝材を贅沢に使い、開放から使える性能を追求していること。しかし、動画用レンズといった印象が拭えないのもこのレンズの特徴だ。「LUMIX GH5II」と組み合わせれば、フォーカスリングの回転速度に応じMFのスピードと回転角度が変化する「ノンリニア」と、フォーカスリングの回転角度を任意に設定できる「リニア」に切り替えできる。

個人的には写真専用に少し画角を広げた12-42.5mm F1.7なんてレンズも作ってほしいし、さらにレンズ内に手ブレ補正機能を入れてくれれば完璧だ。

優れた描写性能と小型軽量化を追求

非球面レンズで球面収差や歪曲収差などの諸収差を効果的に抑え、EDレンズで望遠側の軸上色収差を補正。さらにUHRレンズにより画面全体の均一な描写性能と小型軽量化を追求した。

LEICA DG VARIO-SUMMILUX 25-50mm / F1.7 ASPH. 実写レビュー

瞬時に切り替えできるフォーカスクラッチ機構

このレンズにもフォーカスクラッチ機構が採用され、フォーカスリングを前後にスライドさせるだけでAFとMFの切り替えができる。写真だけでなく動画撮影にも便利な機能だ。

LEICA DG VARIO-SUMMILUX 25-50mm / F1.7 ASPH. 実写レビュー

天気が悪い日にこそ使いたい明るさとキレのよさ

実際に撮影してみると、イメージしている以上に速いシャッターが切れるので驚かされる。天候が悪いときほどその威力を実感できるので、ぜひ一度体験してほしいレンズだ。

キレとボケが描く雰囲気のある描写が気持ちいい

東京駅丸の内側の広場に設置されていた、オリンピック開催をカウントダウンする時計を開放で手持ち撮影。イメージしている以上に明るいレンズで撮影しているように感じた。シャープで雰囲気のある描写が印象的だ。

LEICA DG VARIO-SUMMILUX 25-50mm / F1.7 ASPH. 実写レビュー
LUMIX GH5II LEICA DG VARIO-SUMMILUX 25-50mm / F1.7 ASPH. 絞り優先オート F1.7 1/50秒 ISO200 WB : オート

点光源のボケ味はズームとしておおむね良好

毎日雨降りで日差しが出なかったため、口径食と逆光テストを兼ねて、お店の照明を利用しシャーベット入りビールを撮影。口径食はさすがに四隅近くはレモン型になるが、問題ないレベルといえる。

LEICA DG VARIO-SUMMILUX 25-50mm / F1.7 ASPH. 実写レビュー
LUMIX GH5II LEICA DG VARIO-SUMMILUX 25-50mm / F1.7 ASPH. 絞り優先オート F1.7 1/30秒 ISO200 WB : オート

パナソニック LEICA DG VARIO-SUMMILUX 25-50mm / F1.7 ASPH.

LEICA DG VARIO-SUMMILUX 25-50mm / F1.7 ASPH. 実写レビュー

発売日 2021年8月26日
希望小売価格 242,000円 (税込)

品番 H-X2550
マウント マイクロフォーサーズマウント
焦点距離 25〜50mm (35mm判換算 50〜100mm)
開放絞り F1.7
最小絞り F16
レンズ構成 11群16枚 (非球面レンズ1枚、EDレンズ3枚、UHRレンズ1枚)
画角 W 47°~T 24°
絞り羽根枚数 9枚 (円形虹彩絞り)
最短撮影距離 W 0.28m、T 0.31m (撮像面から)
最大撮影倍率 0.21倍 (35mm判換算 0.42倍)
フィルター径 φ77mm
最大径×長さ φ87.6×約127.6mm
質量 約654g (レンズフード、レンズキャップ、レンズリアキャップを除く)