トキナーatx-mシリーズのコンパクトなサイズ感はそのままに登場した、富士フイルムXマウント対応の大口径中望遠レンズ「atx-m 56mm F1.4 X」。フィルムシミュレーションを考慮した、柔らかいトーンの描写を堪能した。
持った瞬間「軽い!」
トキナーから富士フイルムXマウントに対応した、大口径中望遠レンズが登場した。まず、レンズを持った瞬間、とにかく軽いと感じた。開放F1.4で金属鏡筒を採用しながら、APS-Cサイズの利点を生かして、315gという驚きの軽さを実現している。
大口径らしい柔らかく大きなボケ味
35mm判換算84mm相当の大口径中望遠レンズでありながら、コンパクトで富士フイルムXシリーズとのバランスもいい。背景の柔らかなボケ味が、ポートレートはもちろん、料理の撮影にも重宝する。
歪みのない描写と豊かな階調が気持ちいい
画面周辺まで歪みのない、気持ちのいい描写を実現。最短撮影距離は0.6mと短めで、ブツ撮りにも使えそうだ。光が厳しい状況であるが、ハイライトからシャドーまで階調再現も優秀。
高級感のあるデザインがXシリーズによく似合う
レンズ全体の作りも妥協がなく、金属製フードを採用している点も高級感がある。また、絞りリングはクリックがない作りであるが、適度なトルク感があり、静止画撮影においても絞りをしっかりホールドしてくれる。
AF駆動にはステッピングモーターを採用し、顔検出/瞳AFにも対応。静かで高速なAF追従ができ、動画撮影にも適している。富士フイルムXユーザーなら、コンパクトで高級感のあるatx-mシリーズを、ぜひ一度試してほしい。
直感的に操作できるクリックレスの絞りリング
クリックがない絞りリングを採用している。直感的に絞り操作ができるとともに、動画撮影時に一気に絞りを変更するといった使い方ができる。適度なトルク感があり操作しやすい。
フィルムシミュレーションに適した描写を追求
球面レンズによる光学設計と9枚羽根の円形絞りにより、中望遠ならではのボケ味を追求。富士フイルムのフィルムシミュレーションを考慮した、柔らかなトーンが得られるという。
同一デザインの単焦点3本
富士フイルムXマウント用atx-mシリーズとして、既存の23mmと33mmに、中望遠の56mmが加わった。同一のコンパクトデザインで、フィルター径は52mm。重さも275~315gと軽量で使い勝手がいい。11月には、この3本のEマウントも発売される。
Tokina atx-m 56mm F1.4 X
発売日 2021年8月6日
希望小売価格 68,200円 (税込)
マウント 富士フイルムXマウント
フォーマット APS-C
焦点距離 56mm (35mm判換算 84mm相当)
開放絞り F1.4
最小絞り F16
レンズ構成 9群10枚 (円形絞り)
画角 28°
フォーカス方式 インナーフォーカス
絞り羽根枚数 9枚
最短撮影距離 0.6m
最大撮影倍率 0.1倍
フィルター径 φ52mm
最大径×長さ φ65×72mm
質量 315g