機材レポート

高画質設計の高倍率ズーム機…で、倍率アップ技も実用的『パナソニック LUMIX DMC-FZ1000』

LUMIX DMC-FZ1000
レンズ交換式カメラを彷彿とさせるボディデザイン…よりも、レンズ鏡筒外枠の太さが印象的な「LUMIX DMC-FZ1000」。

 7月の中旬に買った『パナソニック LUMIX DMC-FZ1000』。ボディが大柄(特にレンズ鏡筒外枠が太い!)なのは気になったが、使用センサーが従来モデル(LUMIX DMC-FZ200。1/2.3型センサー採用)よりも格段に大きい”1.0型・高感度MOSセンサー”という点が魅力的だった。1.0型の面積は、1/2.3型センサーの約4倍にもなるからね。このセンサー仕様で「25-400ミリ相当/F2.8-4」という高倍率(本格望遠域をカバー)&大口径のLEICAブランドのズームレンズを搭載しているのである。「これなら便利なだけでなく、写りの方も期待できそう…」と思い、夏の勢い(何?)にまかせて買っちゃいました!

 この「LUMIX DMC-FZ1000」は、レンズ交換式のGHシリーズを彷彿とさせる、大柄で重めのカメラである(ボディ本体部分のサイズはかなり近い。重さは14-140ミリを装着したGH4とほぼ同等)。…だけど、大柄の印象が強いせいか、ボディ素材がプラスチックのせいか、実際に手にすると、さほど重さは感じない。不思議。

  • ズーム域・広角端(25ミリ相当)時

    LUMIX DMC-FZ1000

  • ズーム域・望遠端(400ミリ相当)時

    LUMIX DMC-FZ1000

ズーム操作は、シャッターボタン外のズームレバーか、レンズ鏡筒部のマニュアルリング(フォーカス操作と共用)でおこなう。このカメラの場合、ズーム域が広いので、リングの回転操作(しかも電動式)だとけっこう面倒。ということで、ボクはズームレバーの方を多用する。

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25ミリ相当
LUMIX DMC-FZ1000作例(C)吉森信哉

400ミリ相当
LUMIX DMC-FZ1000作例(C)吉森信哉

800ミリ相当(iAズーム使用)
LUMIX DMC-FZ1000作例(C)吉森信哉

◆共通データ:パナソニック LUMIX DMC-FZ1000 絞り優先オート F5.6 WBオート ISO125 JPEG

 望遠端「400ミリ相当」という数値は、高画質をウリにするコンデジとしてはスゴイと思う。…だけど、単純に”高倍率ズームのコンデジ”として見た場合はスゴくない。現在の製品だと、望遠端「1200ミリ相当」という高倍率ズームコンデジも珍しくないからね。

 でも、この「LUMIX DMC-FZ1000」も、クオリティをRAW以外に設定すれば、EX光学ズームやiAズームが使用できる。そうすれば、望遠側をさらに伸ばすことができる。記録画素数を下げてクロップ(画面中央部のトリミング)機能を利用してズーム倍率を上げるのが「EX光学ズーム」。超解像技術の応用で解像感を落とさずにズーム倍率を2倍に上げられるのが「iAズーム」である。

この両方式のズームは併用も可能だが、有効2010万画素をキープしながら倍率アップできる「iAズーム」を使用してみた(ここではリサイズデータを掲載してるけど)。お〜、広角端「25ミリ相当」と望遠端「400ミリ相当」の画角差も大きいけど、「400ミリ相当」とiAズームによる「800ミリ相当」の画角差もかなり大きいよね。…と、動物園撮影でその事を実感した次第。

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400ミリ相当
LUMIX DMC-FZ1000作例(C)吉森信哉

1600ミリ相当(EX光学ズーム+iAズーム使用)
LUMIX DMC-FZ1000作例(C)吉森信哉

◆共通データ:パナソニック LUMIX DMC-FZ1000 マニュアル F4.5 1/160秒 WB晴天 ISO125 2736×1824ピクセル JPEG(※オリジナルデータ。どちらも「3:2 S」設定で撮影)

 「少しくらい画素数や画質が落ちてもイイから、とにかくドドーンと超・超望遠の画角で撮りたいっ!!」…という場合には、「EX光学ズーム+iAズーム」の組み合わせもアリだろう。まあ、高画質がウリのコンデジと言えども、こういう使われ方もあるからね、「LUMIX DMC-FZ1000」のようなモデルだと。えーと、画像縦横比/記録画素数を「3:2 L」から「3:2 M」に設定すると、望遠端が「400ミリ相当」が「560ミリ相当」になるのか。う〜ん、ちょっと弱いな。「3:2 S」に設定すると「800ミリ相当」。おお、これは強い(笑)。で、この設定で「iAズーム」を併用すると「1600ミリ相当」。これこれ、これですわ!! この設定で、作例のような”月の撮影”をすると、けっこう楽しいヨ(このLUMIX DMC-FZ1000で、すでに何度か体験)。

 なお、このカメラは「有効2010万画素」と高画素タイプなので、画像縦横比/記録画素数の設定を「3:2 S」まで下げても「約500万画素」の画素数は確保できる。これは何気に有難いね。いくら画素数が下がってもイイと言っても、200万画素や300万画素だとちょっとサビシイからねぇ。

LUMIX DMC-FZ1000

望遠端400ミリ相当の実焦点距離は「146ミリ」。ちなみに、1/2.3型センサーモデル「LUMIX DMC-FZ200」の望遠端600ミリ相当の実焦点距離は「108ミリ」である。

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LUMIX DMC-FZ1000作例(C)吉森信哉
◆パナソニック LUMIX DMC-FZ1000 800ミリ相当で撮影(iAズーム使用) シャッター優先オート F4 1/250秒 WBオート ISO160 5472×3648ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)

LUMIX DMC-FZ1000作例(C)吉森信哉
◆パナソニック LUMIX DMC-FZ1000 400ミリ相当で撮影 絞り優先オート F4 1/125秒 WBオート ISO200 5472×3648ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)

LUMIX DMC-FZ1000作例(C)吉森信哉
◆パナソニック LUMIX DMC-FZ1000 25ミリ相当で撮影 絞り優先オート F5.6 1/15秒 −0.3補正 WB晴天 ISO125 5472×3648ピクセル JPEG(※オリジナルデータ) 三脚

LUMIX DMC-FZ1000作例(C)吉森信哉
◆パナソニック LUMIX DMC-FZ1000 200ミリ相当で撮影 絞り優先オート F5.6 1/1300秒 −0.7補正 WB日陰 ISO125 5472×3648ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)

LUMIX DMC-FZ1000作例(C)吉森信哉
◆パナソニック LUMIX DMC-FZ1000 400ミリ相当で撮影 絞り優先オート F4 1/500秒 +0.7補正 WBオート ISO125 5472×3648ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)