フォクトレンダー SL IIsシリーズ3本目となるMF広角レンズ「COLOR-SKOPAR 28mm F2.8 Aspherical SL IIS」が発売された。昭和40年代のレンズをオマージュしたクラシカルな外装デザインを採用している。このレンズが似合う「ニコン Df」に装着し、晩夏の鉄道風景を撮り歩いた。
昭和40年代のレンズをオマージュしたデザインが「ニコン Df」に似合う
このレンズを手にしたとき、最初に思ったことは「ニコンDfに付けたい!」だった。そこで今回は、「ニコン Df」とこのレンズ1本で出かけることにした。
鉄道で旅をしていると車よりたくさん風景を楽しむことができる。レンズは小さく205gしかないので、常にカメラに付けていても苦にならない。フォーカシングユニットが新しくなり15cmまで寄れるので、広角接写にも重宝しそうだ。私もワイドで寄るのが好きなので気に入っている。
近景から遠景まで絞り込んでシャープに
八戸駅の近くは海を入れて列車を撮影できるポイントが少ないので、早朝に海岸線を散策した。干潮で露出している岩場の質感と雨雲から青空に変わった空の下を走る列車を、28mmの遠近感を生かしてシャープに捉えた。
レトロな駅舎の雰囲気を階調豊かに描く
銚子電鉄の終点、外川駅。この木造駅舎が好きである。日の出が早いためか朝の光ではないが、水まきしたホームとレトロな駅舎の雰囲気を、朝一番の列車を入れて撮影。明るい空から暗いひさしまで階調豊かに再現できた。
デザインはレトロ、光学設計は最新
レンズ前面のリムはシルバーとブラックが用意されているので、ボディに合わせて選ぶといいだろう。CPU内蔵のニコンAi–S互換マウントを採用し、「ニコン Df」ならフォーカスエイドで撮影できる。またAiカプラーも装備されているので、フィルム一眼レフユーザーにもオススメしたい。
両面非球面レンズで高画質と薄型化を両立
後玉に両面非球面レンズを採用したSL II Nのレンズ構成を受け継ぎ、周辺までシャープな画質が得られる。フォーカシングユニットが一新され、最短撮影距離15cmまで寄れるのも嬉しい。
操作しやすいローレットパターンを採用
右手でグリップを握り左手にカメラボディを乗せると、無理なくフォーカスリングに指が届く。小ぶりなレンズであるが、指がかりがよくスムーズなピント調整が可能だ。ローレットのデザインも性能の1つといえる。
Voigtlander COLOR-SKOPAR 28mm F2.8 Aspherical SL IIS
金属部材を採用した懐かしいデザインが印象的。鏡筒のローレットも大き目で手触りがいい。また前枠のリムがボディに合わせてブラックとシルバーが選べるのも贅沢だ。
ブラックリム |
シルバーリム |
発売日 2021年10月20日
希望小売価格 71,500円 (税込)
カラー シルバーリム、ブラックリム
マウント ニコンF (Ai-S / CPU内蔵)
レンズ構成 6群7枚
最短撮影距離 0.15m
最大撮影倍率 1:2.3
絞り羽根 9枚
フィルター径 φ52mm
最大径×全長 φ66.3×32.8mm
質量 205g