機材レポート

【実写レビュー】再現力が凄い!「APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical VM」は生涯愛用したい標準レンズだ

フォクトレンダー史上最高性能の「APO-LANTHAR (アポランター) 50mm F2 Aspherical」にVMマウントモデルが登場。4000万画素の「ライカ M10-R」をチョイスし、夜明け前の宮城県・気仙沼港でその実力を検証した。

APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical VM

M型ライカの実力を引き出す最高性能の標準レンズ

VMマウントモデルの「APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical」は、VMマウントカメラ用に光学性能が最適化されている。そのため今回は「ライカ M10-R」にこのレンズ1本で撮影に臨んだ。夜明け前の気仙沼港には何隻か船が接岸しており、友人の協力を得て港の端と上から撮影することができた。

サンマ船はすでに魚を降ろした後だったが、運よく集魚灯を点灯させているところを撮影できた。ライトのハイライト部から船周辺のシャドー部まで見事に再現され、空の表情も印象的だ。とにかくよく写ることに驚かされた。

また、魚を降ろしているサバ船の撮影では、まだ日差しのない時間帯だったが、コンテナのブルーや作業員の服装、散らばっている氷など、色再現が素晴らしい。このアポランターは生涯愛用するレンズになりそうだ。

夜明け前のサンマ船を豊かな階調で印象的に

気仙沼港のサンマ船。夜明け前に入港し集魚灯を点灯させて点検していた。ライトが明るすぎて肉眼では暗い部分がよく見えなかったが、ハイライトからシャドーまで鮮明に再現できた。フレアもなくクリアな描写だ。

APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical VM 作例
ライカ M10-R フォクトレンダー APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical VM 絞りF2.8 1/125秒 ISO800 WB : 晴天

港で働く人々を緻密な構図でリアルに描く

サバ船が入港してちょうどサバを降ろしていた。「APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical VM」は比較的小さいので、ファインダーのケラレも少なくフレーミングがしやすい。シャープな描写がその場の雰囲気をリアルに再現した。

APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical VM 作例
ライカ M10-R フォクトレンダー APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical VM 絞りF2.8 1/125秒 ISO400 WB : 晴天

「ライカ M10-R」に似合うコンパクトサイズ

レンズが小ぶりなので「ライカ M10-R」とのバランスがちょうどいい。ピントリングの幅や滑らかな操作感も良好。絞りリングは撮影中に動いてしまわないように、もう少し硬めでもよかった。

APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical VM

3ポジションで円形になる絞り機構を採用

F5.6の絞り形状。Eマウントモデルでは開放とF2.8で円形になったが、VM マウントモデルではさらにF5.6でも円形絞りが得られる。近接ではよくF5.6を使うので嬉しい仕様だ。

APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical VM

VMマウントカメラ用にレンズ構成を最適化

レンズ構成は8群10枚。非球面レンズの配置や全体的なレンズ構成はEマウントモデルと同じだが、異常部分分散ガラスの配置とサイズが異なっている。VMマウントカメラに直接装着した場合に最高性能を発揮する設計のようだ。

APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical VM

フォクトレンダー APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical VM

APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical VM

発売日 2021年1月27日
希望小売価格 132,000円 (税込)

マウント VMマウント
焦点距離 50mm
レンズ構成 8群10枚
画角 46.2°
絞り羽根枚数 12枚 (F2 / F2.8 / F5.6で円形絞り)
開放絞り F2
最小絞り F16
最短撮影距離 0.7m
口径比 1:2
フィルター径 φ49mm
大きさ (最大径×全長) φ55.6×53.0mm
重量 288g