機材レポート

今こそ見直し!“撮影データ激重時代”を安心・安全に乗り越える「ブルーレイ保存」の選択肢

撮影データの高画質化、RAW現像の一般化、さらにはYouTubeやVlogなどの動画……これからは「5G時代」と言われ、さらに大容量のデータを扱うようになってきました。「昔は128MBのSDカードを買っていたんだよ」なんて、想像できないほどです。

より美しく、たくさんのデータを残せるようになった一方で、同時に考えたいのがデータの保存問題。

HDDやSSDもずいぶんと求めやすい価格になりましたが、保存の仕方は複雑に、さらにいつ故障するかもわからないとなると、バックアップを含めて機器の台数を増やしていかざるを得ません。最近はクラウドサービスで保存する方法もありますが、月額のランニングコストやデータの読み書き速度の兼ね合いで、まだまだベストとはいえない状態です。

そこで!今こそ見直したいのがブルーレイディスクへの保存という選択肢。今回、さまざまに使ってみて、その良さを改めて実感できました。

 

見過ごされがちな、ブルーレイ保存だからこそのメリット

ブルーレイディスクは映像やテレビ番組によく使われるイメージもあるかと思いますが、データ保存用途としても重宝します。現在は1枚あたり128GBの大容量モデルも発売され、SDカードの中身をそのまま移しきってしまうこともできるようになりました。

ディスクの作成も簡単で、WindowsでもMacでも、特別なアプリケーションを必要とせずに標準機能だけで書き込み可能。また、一度はザッとHDDやSSDにコピーをして、そこから残したいものだけをブルーレイへ保存するようにすると、データを分散して保管でき、消失リスクの軽減につながります。

また、読み書き用のブルーレイドライブも外付けタイプでコンパクトになり、使いやすさも向上を続けています。

パイオニア製品のドライブは「BDR-XD08MB−S」を始め、ユーザー目線を重視。「使いやすい道具」をコンセプトに掲げる。BDR-XD08MB−Sは薄く、軽く、持ち運びもラクで、導入しやすいフラッグシップモデル。

特に、この分野では改善・開発を続けている国内メーカーとして定評があるのは、パイオニアのブルーレイドライブ。今回の記事では現行の最新機種の一つである「BDR-XD08MB−S」を用いていますが、ヘビーユーザーに対応する業務用、PC内蔵モデル、縦置き対応のスロットイン型など、ラインナップも豊富に用意されています。

たしかにHDDやSSDに比べると読み書きの速度や保存容量の面では及ばない面もありますが、むしろブルーレイにしかないメリットもあります。代表的な3点をまとめてみました。

 

メリット1:長期保管性に優れる

ブルーレイディスクは長期間の保存が可能です。水や静電気にも強く、ハードコート処理によって傷も付きづらくなっています。

「直射日光や高温を避ける」などといった適切な保管をすれば、一般的なディスクでも10年から20年、それ以上の期間にも耐えます。中には「100年以上」と耐久性を高めた「M-DISC」もあります。

HDDやSSD、フラッシュメモリはあくまで電気機器。水濡れや静電気での故障リスクは避けようがなく、突然の豪雨など天災に見舞われがちな日本だからこそ、保管に関するメリットはよく働きます。

 

メリット2:消費電力への配慮

ブルーレイディスクなどの光ディスクは「コールドアーカイブ」などと呼ばれ、保存し続けるための電力を必要としません。クラウドストレージは利便性が高い一方で、常にデータセンターを動かすための電力が必要となり、環境負荷についての問題が懸念されています。もちろん自宅でもHDDやSSDを動かすためには電力の消費が欠かせません。

長期的な観点でいえば、環境への配慮の面としてもメリットがあるといえます。個人レベルのデータ保管はもちろんのこと、官公庁や放送局など業務用としての見直しも進んでいるそうです。

 

メリット3:セキュリティの堅牢性

物理メディアである光ディスクは適切な保管方法を実現できれば、クラウドストレージに起きるリスクであるパスワード流出やハッキングといったサイバーセキュリティの心配もいりません。商業写真や軍事関連など、機密性の高い情報や対象を取り扱う場合には、ウェブにデータを残すことを禁じられている例もあります。そのような場合にも上記2点のメリットと組み合わせもあり、光ディスクの優位性といえるでしょう。

→ 写真データの長期保存に最適な光学ドライブ、ディスクの組み合わせはこちら

 

これらのメリットは具体的に、どのように役立つのでしょうか。そこで以下、このメリットが働くシーンとして2つの実践例を取り上げてみます。

 

プロカメラマンの「活動を残す意義」に応える選択肢

後藤奈津子さんはバレエ写真家として活動しています。

(後藤さんの作品たち)

主には副代表として運営にあたる「みなとシティバレエ団」の公演や練習風景のほか、バレエをテーマとした作品制作、子供向けバレエスクールでの撮影などを続けてきました。後藤さんも自身の経験をもとに、写真を通じてバレエの魅力を伝えています。

▽この日、後藤さんが撮影した写真たち

後藤さん「コロナ禍で劇場公演ができなくなり、とはいえダンサーは技術保持のためにスタジオレッスンも続けなくてはなりません。お客様を呼べない代わりに、私たちの活動を伝える場として、写真の撮影やライブ配信にもより注力してきました」

B0版へプリントする機会もあることから、現在の撮影はRAWとJpegを同時記録。愛機のソニー α1では、RAWデータが1枚100MBを超える場合も。プロのバレエダンサーであれば動きに合わせた撮影ができますが、子どもたちの発表会ではそうもいきません。全ての子どもがより良く写るように撮影枚数も増えていくといいます。

普段のデータ管理ではHDD、SSD、クラウドストレージへ、撮影案件ごとに日付と名前でフォルダを整理して“トリプルバックアップ”。それほど入念に行うのは、以前に大事なデータの入った「高衝撃」を謳うポータブルHDDが突然にアクセス不良になった痛い経験があるからだとか……。

(増え続けていくストレージ……故障リスクとはいつも隣り合わせ)

歴代の団員を含め、一つひとつの公演はまさに歴史の積み重ね。記録としても、記憶としても大切なデータであるからこそ、堅牢な長期保存は常に課題となっていました。

後藤さん「100年以上続くバレエ団もあるように、私たちも50年、60年と続けていくつもりです。長く続くことが前提の事業活動であれば、過去の活動をいかに記録するかも大切。たとえば、周年の節目にもかつての写真が残り、振り返られることは価値の一つです」

そういった観点からもブルーレイディスクでの長期的なデータ保管は、後藤さんにとっても魅力的な選択肢として受け取ってもらえたようです。今後は「書き出し専用、印刷専用、現像専用と作業内容を分けて、より効率的な環境を整えられたら」とも話してくれました。

後藤さん「バレエダンサーはとてもデリケートな職業。健康な20代であっても、ささいなケガなどで踊れなくなることも珍しくありません。みなとシティバレエ団は19歳の研修生を始め、みんなが『今日は今日しかない』という意識でバレエに向き合っています。いつ踊れなくなるかわからないからこそ、『今日のこと』を記録し続ける私の仕事は大事なのだと感じています」

 

写真と歩む人生を、確かに残していく

プロカメラマンだけでなく、ひとりのカメラファンであっても、ブルーレイ保存は日常に役立ちます。

CAPA CAMERA WEBの編集部員Mが最近実践したのは、実家の片付けと共に、データ保管をすること。父親が趣味で野鳥の撮影を毎朝続けており、そのデータも膨大になってきていました。一期一会の出会いだけに、どの写真も、どの季節も、大切なデータたち……。

そこで帰省のついでに親孝行。年代別や鳥の種類ごとにまとめ、父の大切な記録たちをブルーレイディスクに保存を始めたといいます。

ここ数十年の撮影人生を振り返る機会にもなり、写真について饒舌に話す父の知らない面も知れたのだとか。もちろん、家族写真も保管です。意外に見過ごされがちな写真ですが、いきなり必要となったり、かつての姿を懐かしんだりと、確かに保管しておくと嬉しいもの。

「将来的に必要になりそうなデータも探しやすくなり、いつか父が見たいと思う写真が出てきたときも簡単に探してあげられる」と、編集部員Mはひと仕事をやり遂げた様子でした。

 

ブルーレイディスク、買う前の予備知識

ブルーレイディスクの持つメリットに着目してみると、さまざまな活用のシーンが見えてきます。

一方で、いくつかの注意点や予備知識もあります。ブルーレイディスクには、いくつかの記録方式、記録層(容量)、書き込み可能速度の違いがあるのです。

 

記録方式

まず方式は3種類あり、データの書き換えが可能な「BD-RE」、データを一度だけ書き込める「BD-R」、再生専用の「BD-ROM」です。いずれも性能はほぼ同じですが、データ保管で用いるのはBD-REとBD-Rです。

・BD-RE:記録したデータを消去して再度書き込める。テレビ録画などによく用いられる。
・BD-R:消去や上書きができないため、データバックアップに向いている。

ただし、BD-Rはデータの書き換えはできませんが、「読み取り専用メディア」に変える処理(ファイナライズ)をする前で、空き容量が残っていれば、データの追記が可能です。

 

記録層(容量)

ブルーレイは薄い膜の「記録層」が重ねられ、その層の数によって記録容量が異なります。

容量は25GB(1層=Single Layer / SL)、50GB(2層=Dual Layer / DL)、100GB(3層=Triple Layer /TL)、128GB(4層=Quadruple Layer/ QL)があります。この他に、アメリカのMillenniata社による耐光、耐熱、耐湿に優れる高耐久性ディスクの「M-DISC(Millennial Disc)」も市販されています。

書き込みに用いるブルーレイディスクドライブによっては高容量ディスクやM-DISCに対応していないケースもあるので、購入前に念のため、確認しておくとベターです。

ちなみに、今回取り上げた「BDR-XD08MB−S」は高容量ディスクやM-DISCにも対応可能です。

 

倍速

ブルーレイは書き込み速度の上限がディスクごとに定められており、現在は2倍速、4倍速、6倍速が販売されています。数値が高いほど書き込み時間が短くなるため、大容量データを扱うときや、作業スピードを速めたいときには、パッケージをよく確認してください。

また、書き込み速度は、使用するブルーレイディスクドライブの影響を強く受けます。たとえば、ディスクが6倍速に対応していても、ドライブが4倍速までしか対応していないことも。「オーバースピード機能」が搭載されたドライブでは、ディスク表記以上の速さで書き込みでき、最大16倍速で記録できるものもあります。

 

カラーバリエーション&高速書き込みができるモデルも

ブルーレイドライブにもさまざまな選択肢が増えています。国内メーカーとしてドライブを作り続けてきたパイオニアならば、最新機種の「BDR-XD08」シリーズではカラーバリエーションも用意され、自身の作業環境やインテリアとも合わせやすいでしょう。

シリーズハイエンドの「BDR-XD08MB−S」が採用している、マットブラック系に属する「MOONLIGHT BLACK」はカメラなどとも好相性。加水分解しないラバー調の塗装を施し、傷にも強いのがポイントです。

ノートPCでは一つ主流のシルバー系統とも合わせやすい「SNOW WHITE SILVER」は、雪のように幻想的な銀色がモチーフ。

ビジネス用途にも似合うシックな「MISTY BLACK」は“真夜中の霧のように曖昧で秘めた明るさ”がテーマです。

よりエレガントな空気をまとう「SUNSET GOLD」も、落ち着いた色調が多い印象の周辺機器類の中では目を惹く存在です。

デスクでも、ドライブの置き場に困らないのもポイント。「BDR-XD08」シリーズは「クラムシェル」タイプといわれ、その名の通り、貝殻が開くように上蓋が開閉。省スペースで使いやすい設計です。

接続にUSB Type-Cを採用し、本体にはL型ケーブル変換ケーブルが付属。PCの左右どちらに置いても取り回しがしやすく、接続するUSB端子を選ばないのは、気が利いています。

もう一点、地味ながら嬉しい機能が本体裏のイジェクトボタン。工具を使わず、つまみを押し上げるだけで上蓋が開閉するため、何かしらの理由でディスクが取り外せなくなってしまう、というトラブルも回避しやすくなっています。

クラムシェルの「BDR-XD08」シリーズだけでなく、他のラインナップには縦置きができるポータブルスロットインモデルも。CDジャケットサイズのBDR-XS07B-UHDなら、作業スペースが取りにくい場所でも、隙間を見つけて設置が可能。また、ドライブの密閉性が高いため、防塵性が高いのもメリットです。

ブルーレイ保管のヘビーユーザーならBDR-X12J-UHDを。高速書き込みモードを搭載し、BD-R SLなら最大16倍速に対応しています。プロユースにもおすすめの一台といえます。

また、さらなる貴重データの長期保存に向けて、パイオニアでは「業務用ドライブ」も展開しています。図書館・博物館・文書館をはじめ、医療・製薬業界、教育機関、放送局・スタジオ、企業・金融、官公庁といった各所で、そのドライブが役立っています。

 

デジタル写真にもフィルムのような保存方法を

写真フィルムも適切な方法であれば数十年、あるいはそれ以上の保管が可能といわれますが、デジタルデータはそうはいきません。不慮の出来事があっさりと消失してしまうリスクがある中で、複数のバックアップを取ることが欠かせなくなってきました。

そこへ光ディスクを用いることは、長期保存が望め、電気を食わず、さらに目で見て整理もしやすい、という良さは常にオプションの一つとして考えたいところです。作業環境に合わせたブルーレイディスクドライブを選んで、時間のある時に保管を始めてみてはいかがでしょうか。

「ブルーレイ保存」とは、さながらデジタル写真におけるフィルムのような存在、と言えるのかもしれません。

 

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〈協力〉パイオニア株式会社
〈取材・文・写真〉長谷川賢人