機材レポート

強風の中の望遠撮影でもブレない安定感! 写真家・林明輝プロデュースのLeofotoロング三脚レビュー

防水仕様のLeofotoアテナシリーズに、林明輝さんがプロデュースした風景撮影用のロングタイプ三脚が登場。優れた安定性と堅牢性を備えた「Leofoto LA-324CL」の実力を、林さん自身が過酷な冬の北海道で体感した。

レオフォト LA-324CL レビュー

Leofoto LA-324CL

[希望小売価格] 80,300円 (税込) [伸長] 1,725mm [最低高] 85mm [収納高] 600mm [段数] 4段 [最大パイプ径] 32mm [耐荷重] 15kg [重量] 1,625g

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笠雲を纏う烈風の利尻富士をドラマチックに描く

真正面からの烈風の中、利尻富士が洋上に浮かび上がる。上空に笠雲をまとい、しばらく山頂が確認できなかったが、一瞬雲が薄くなったところで山頂付近に寸光が差し込みシャッターチャンスを迎える。近景の樹林帯とともに、波打つような容姿を見せる岩礁は、気の遠くなるような長い時間、風雪に耐えてきた独特の風貌を呈している。「Leofoto LA-324CL + LH-40R (FR)」の組み合わせは、望遠レンズによる撮影でもブレを気にせず撮影に集中できる。

レオフォト LA-324CL レビュー
ライカ SL2 APO-Vario-Elmarit-SL 90-280mm f/2.8-4 絞り優先オート F16 1/50秒 −2補正 ISO100 WB : 晴天 北海道・稚内市

天候や場所を選ばず使える新世代のロングタイプ三脚

2019年に小生がプロデュースした「Leofoto LS-284CLin」に続き、アテナシリーズのロングタイプ三脚をプロデュースさせていただいた。キズや摩耗を防止する赤い塗装を施した防塵防滴仕様のアテナシリーズなら、天候や撮影場所を選ばない万能三脚ができあがると確信していた。そして完成したのが「Leofoto LA-324CL」である。

LS-284CLin」と比べるとわずかに重量は増えているが、最大パイプ径は4mmアップし、ジョイント部分の剛性が高まったことで、フィルターワークによる強風時の長時間露光でもブレを感じることはなかった。自由雲台「LH-40R (RD)」の剛性とも相まって、「ライカ SL2」に90-280mmズームを装着した望遠撮影でも、その安定感は筆舌に尽くしがたいほどだ。また、伸長が40cm以上も高くなっているので、傾斜地や足場が悪いロケーションでもかがまずに撮影できるのが嬉しい。

今回のロケ地は、まだまだ厳しい寒さが残る北海道。以前は海岸や湖畔で撮影した後、ジョイント部分が凍結して収納できなくなったこともあったが、この三脚はそのようなアクシデントもなく、安心して撮影に集中できる。まさに新しい時代の、風景撮影用三脚の誕生といえるだろう。

風景撮影に適した高さと安定感が魅力

中央が新しく登場した「LA-324CL」。左が通常モデルの「LA-324C」、右が「LS-284CLin」。伸長は「LA-324C」と比べ40cm以上、「LS-284CLin」と比べ20cm以上も高くなる。兄貴分的な存在で、その安定感は何よりも頼もしい。

レオフォト LA-324CL レビュー

操作性に優れたルビーレッドの自由雲台

三脚雲台セット「LA-324CL + LH-40R (FR)」(税込 99,000円) には、アテナシリーズに似合うルビーレッドの自由雲台「LH-40R (RD)」が付属する。独立したフリクション調整とパンニングロックノブを備え、水平方向に360°回転できるのでパノラマ撮影も容易だ。

レオフォト LA-324CL レビュー

過酷なフィールドでも安心の堅牢性を追求

チタン製のスパイク石突が付属する。従来のアルミタイプは使っているうちに削れてしまうことがあったが、堅牢で耐食性にも優れている。ロック部分には水や砂の浸入を防ぐ、防水ロックシステムを採用している。

レオフォト LA-324CL レビュー

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レオフォト LA-324CL レビュー

林 明輝 (Lin Meiki)

デジタルカメラを駆使し、21世紀の「新しい風景」を発表していく風景写真家&ドローンパイロット。写真集『DesignScape』で、写真の町・東川賞ファイナリストに。写真教室・輝望フォトグラファーズは20年目。公益社団法人 日本写真家協会会員。
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〈文・写真〉林 明輝
〈協力〉株式会社ワイドトレード