機材レポート

最新コンパクトで南九州を撮る!キヤノンIXYデジタル90・前編

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JR肥薩線の名物駅、嘉例川(かれいがわ)にて。ソリッドでスタイリッシュなIXYデジタル90ボディが、築100年以上の歴史ある木造駅舎に映える。…って、ちょっと強引かしら?(苦笑)

 この春も、各社からいろんなコンパクトデジカメが登場した。その中で、個人的に「もしかしたら買うかも」と予感したのは、キヤノンのIXYデジタル10とIXYデジタル90の2機種である(※以降「デジタル」表記は省略)。どちらのモデルにも、いまや「必須機能」とも言える光学式手ブレ補正が搭載されていない。IXY10やIXY90は、この春のエース級の機種なのにねぇ…。これは大変興味深い。「手ブレ補正はなくても、デザインや作り込みの完成度や機能で売れる!」と考えての戦略だろうか?

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撮影メニュー内から、イージーダイレクトボタンの「ボタン機能登録」が可能。登録できる項目は、露出補正、ホワイトバランス、マニュアルWB、デジタルテレコン、撮影ガイド、動画、ディスプレイオフ、効果音、の8項目。自分は露出補正を登録して使用した。

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最初の訪問地の熊本から、リレー号で新八代まで移動し、そこから九州新幹線『つばめ』に乗車。IXYデジタル90の場合、ISO感度を「オート」に設定すると、最高ISO200までアップされる。感度的には物足りなさも感じるが、画質を考慮すると妥当な値かも…。そのあたりの詳しい話も次回に!

 まぁ、そんな難しい話は別にイイか。3月14日、行きつけのPCショップの店頭で触って「欲しい!」と思ったから買った…。それだけの事なんだよネ。ちなみに、自分が選んだのは『IXY90』の方。3.0型の大型で高精細な液晶モニターや、独立再生ボタンがある点などが気に入った。それと、前モデルのIXY80を踏襲するソリッドなデザインや、レンズ周り(サークル)の緻密な細工にも魅力を感じた。実際にIXY90を手にすると、そのスリムさに感心する。さらに小型でスリムなIXY10のデザインも悪くないけど、角がミョーに尖っていて、何だか手に刺さりそうでコワイ(苦笑)。

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上下を三日月形にカットしたシャープ感のある銀色のボディ。緻密な細工が施された黒色のレンズ部周辺のサークル。それらが巧みに組み合わされ、独特の存在感や雰囲気が生み出される。

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植え込みと記念碑を絡めて、年季の入った嘉例川駅の木造駅舎を撮る。その渋さを表現するには、露出を切り詰める必要がある。「ボタン機能登録」に露出補正を登録しておけば、こういった撮影に便利なのだな〜。

 この買ったばかりのIXY90を持って、さっそく旅に出かけてみた。…といっても、純粋な旅じゃなくて“取材旅”だけどネ。それでも、行き先が南九州(熊本〜鹿児島〜宮崎)ということで、自然とワクワクしてきちゃう。IXY90は「スリムなスタイリッシュ機」だが、すでに同じようなタイプのソニーサイバーショットT10を持っている。なのに、なぜIXY90を買ったのか? …あ、その理由はさっき書いたっけ(笑)。ほんっと、コンパクトデジカメ好きよのぅ、ワシってば! レンズバリアのないフラットボディ、前述の3.0型大型液晶モニター、フェイスキャッチテクノロジー、ショートカット機能。…こういった点が、サイバーショットT10にはない魅力デス。

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IXYデジタル90とサイバーショットT10(奥)の液晶モニターを比較。う〜ん、3.0型と2.5型のサイズの差は意外と大きいね。IXY90のモニターは、動きに対する反応も良好(コマ落ちのような不自然さが少ない)。

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嘉例川駅を後にして、旅の一行を乗せた観光バスは、高速道を綾町(宮崎県)に向かって走る。あ、車窓から見えるあの山は霧島連山のひとつ? こういった撮影で便利なのが、フォーカスの遠距離(遠景)モード。コンパクトモデルの場合、この手の機能を搭載する機種って意外と少ないのよね。

 もちろん、実際に使ってみると、良い所だけじゃなくて、悪い点(個人的に気になる点)も見えてくる。搭載される映像エンジンが「DIGIC II」から「DIGIC III」になり、フェイスキャッチテクノロジーなどが実現された反面、高感度時の絵作りが荒くなった点とか、一時的に感度を上げるISOブースターが思ったほど使いやすくない点とか。ま、それらの不満点も含めて、詳しい話はまた次回(後編)で…。さあ、次回はどこに出かけようかなぁ〜?

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古墳群で有名な西都原(さいとばる)にて。多くの古墳群も興味深いが、その一帯に広がる菜の花畑の彩りが印象的だった。その中の1本の花に、マクロモードで接近! 最短撮影距離は広角端で3cm。マイカラー機能で「くっきりカラー」に設定して撮影した。