2022年6月20日から200ｇ以下のトイドローンの優遇措置がなくなった。これに合わせDJIのMiniシリーズが、より本格的な撮影機能を有するドローンに生まれ変わった。新たに登場した「DJI Mini 3 Pro」を使ってみた。
上位機並みの性能をコンパクトサイズで実現
規制の緩かった200ｇ以下のドローンでは最も高性能だった「DJI Mini 2」。6月の航空法の改正※に伴い重量制限に意味がなくなったため、機能などを見直して上位機に匹敵する性能を持つ「DJI Mini3 Pro」として生まれ変わった。
注目すべきは、飛行時間の大幅な向上。大容量バッテリーの使用により最大飛行時間47分を実現している。また、上位機種のみが搭載していた、被写体に追尾するアクティブトラック4.0、ハイパーラプススポットライト2.0、衝突回避機能APAS4.0、障害物検知システムなどを搭載し、手軽に高度な撮影技法を楽しめる。
※航空法が改正され、2022年6月20日からは100ｇ以上のドローンの機体と所有者の登録が義務化された。もし登録せずに飛行させると懲役や罰金が科せられる。有効期間は3年間で、更新も必要となる。また、登録すると車のナンバープレートに相当する「リモートID」という装置の搭載が義務化されたが、「DJI Mini 3 Pro」は機体内に「内蔵リモートID」を搭載して対応する (ファームアップにより対応)。
手のひらに乗るコンパクトサイズ
離陸重量249ｇと軽量。プロペラとアームは「Mavic」と同じようにコンパクトに折り畳んで収納できるので、服のポケットにスマホを1台入れる感覚で持ち運ぶことができる。
最大47分の飛行時間を実現
標準バッテリーの最大飛行時間は34分だが、オプションの「インテリジェント フライトバッテリー Plus」を使用すると、上位機を超える最大飛行時間47分が可能になる。
撮影性能も進化
気になるカメラは、デュアルネイティブISO対応の1/1.3インチCMOSセンサーを搭載。4K/60fps動画撮影や48MP RAW写真撮影に対応し、HDR映像も直接出力できる。画期的なのは、カメラを縦に変更でき、SNSなどに最適な縦向き映像を簡単に撮影できること。可動範囲が大幅に広がり、上方向にカメラアングルを変えられるのも大きな進化だ。
48MP RAWで静止画撮影が可能
丘の上にある蜂の巣をイメージしたオブジェを30mの高さから撮影。田園風景や山並みも入れて広大さを写し出した。レンズ性能が優秀で被写体のシャープ感もちょうどいい。
高速移動でも安定した動画性能
4K/60fps動画まで対応。狙った被写体へのAFや追従性能が正確で安定している。スポーツモードで高速移動して撮影してみたが、ジンバルも非常に安定しており水平バランスをよくキープできていた。
縦映像の撮影が可能になった
カメラが90°回転して縦位置になる機能を搭載。トリミングなしで縦映像が撮れるようになった。また、撮影した写真や映像をその場でSNSなどにアップできる。
液晶一体型のコントローラーが登場
そして新しいコントローラー「DJI RC」が選択可能となった。今までは手持ちのスマホをモニターとして使っていたが、RCなら液晶モニターを搭載し、即フライトが可能だ。
従来機より少し重くなったが、相変わらず群を抜くコンパクトさ。そこに本格的な撮影機能や飛行性能が盛り込まれた、プロの名を名乗るにふさわしいドローンとなっている。
液晶一体型コントローラー「DJI RC」
従来機はスマホを組み合わせて使うコントローラーだが、新しく液晶一体型の専用コントローラー「DJI RC」が登場した。面倒なアプリ登録などが必要ない。従来型も選択できる。
DJI Mini 3 Pro 主な仕様
発売日 2022年5月20日
参考価格
本体のみ 92,400円 (税込)
本体＋コントローラー 106,700円 (税込)
本体＋新RCコントローラー 119,900円 (税込)
離陸重量 249ｇ (バッテリー、プロペラ、microSDカードを含む)
長さ×幅×高さ 折りたたみ時 145×90×62mm (プロペラなし)、展開時 251×362×70mm (プロペラあり)
最大飛行時間 34分 (別売バッテリー使用時 47分)
センサー 有効48MP 1/1.3インチ CMOS
レンズ 35mm判換算 24mm F1.7
最大静止画サイズ 8064×6048 (4：3)
動画解像度 4K (3840×2160 60fps)、スローモーション (1920×1080 120fps)
ズーム範囲 2倍 (4K)、4倍 (FHD)
※参考価格は記事執筆時点の量販店価格です。