機材レポート

ライカのスマホ「LEITZ PHONE 2」実写レビュー! ポートレートでライカの描写を実感

ライカのスマートフォン第2弾「LEITZ PHONE 2」がソフトバンクから発売された。グラビアフォトグラファーの松田忠雄さんが「LEITZ PHONE 2」でポートレートの撮り下ろしに挑戦。その描写力を余すことなく伝える。

LEITZ PHONE 2 実写レビュー
スマートフォンのカメラで撮ったとは思えないきれいなボケ味のポートレート。冬晴れの硬い光だったが、それを感じさせない柔らかい描写となっている。フィルターのシネマクラシックを使ったことで、背景のグリーンが鮮やかに描写された。

「LEITZ PHONE 2」で本格的なポートレート撮影にチャレンジ!

ポートレート撮影で重視されるのは、とにかく肌の描写。肌の質感だったり、健康的な発色が重要になる。普段からM型ライカを手にしているだけに、そんな期待に「LEITZ PHONE 2」(ライツフォン・ツー) がどこまで応えてくれるのか、とても気になっていた。

LEITZ PHONE 2

LEITZ PHONE 2 実写レビュー

メインカメラは有効約4720万画素の1インチCMOSセンサーに約190万画素の測距用センサーを搭載する。レンズは19mm相当の大口径超広角F1.9レンズを採用。ディスプレイは6.6インチのOLEDディスプレイだ。日本国内限定モデルでソフトバンクが独占販売する。

LEITZ PHONE 2 実写レビュー
「LEITZ PHONE 2」での撮影は、レンジファインダーカメラのようでもあり、ティザー撮影のようでもある。

ライカレンズの描写がスマートフォンで味わえる

LEITZ PHONE 2」は、ライカの全面監修によるスマートフォン。ベースモデルのスマートフォンに、撮影に特化した機能や操作性を数多く採用している。「LEITZ LOOKS」もその一つだ。

「LEITZ LOOKS」の各レンズの描写は、シーンによって多少デジタルっぽさを感じる部分はあるものの、M型ライカの絵づくりを思わせる仕上がりになっている。

LEITZ PHONE 2 実写レビュー
ディスプレイで「LEITZ LOOKS」の効果を確認しながら撮影できるのは、レンジファインダーカメラのM型ライカと大きく違う点だ。

ズミルックスやノクティルックスの特徴をうまく再現できていて、ボケ味はとにかく滑らかだ。絞り開放・低感度での撮影がベースになっているのがその要因だろう。シャドウ部の再現に強いのはデジタルならではなのか、逆光で撮影しても暗部がつぶれるようなことはほとんどなかった。

「ズミルックス 28」のふわっとしたボケ感は、思わず「おっ、ライカっぽい」と口にしてしまうほど。面白いと感じだのは「ノクティルックス 50」のボケ味で、大口径レンズの描写を思わせる仕上がりになっている。

LEITZ LOOKS「SUMMILUX 35」

LEITZ PHONE 2 実写レビュー

ピントのシャープさと滑らかなボケ味が特徴の準標準レンズ「ズミルックス 35mm」。F1.9の大口径もあって、室内でも大きなボケが表現できる。窓から入る光だけで撮影したが、ナチュラルな発色と見た目に近い画角は、ミラーレスカメラで撮ったかのような自然な描写だ。

LEITZ PHONE 2 実写レビュー
絞りF1.9 1/140秒 ISO50

LEITZ LOOKS「SUMMILUX 28」

LEITZ PHONE 2 実写レビュー

シャープさと被写体が浮き立つような立体感のあるズミルックス特有の描写を再現する。28mmの広角で背景を広く取り入れた表現ができる。空に明るさの残る夕暮れ時に、イルミネーションをバックに撮影した。点光源がきれいなボケで表現されている。空のグラデーションも滑らかだ。

LEITZ PHONE 2 実写レビュー
絞りF1.9 1/20秒 ISO1824

LEITZ LOOKS「NOCTILUX 50」

LEITZ PHONE 2 実写レビュー

柔らかさの中にも芯のある描写は、まさに大口径標準レンズ「ノクティルックス 50mm」を思わせるもの。手前のシーツの滑らかなうねり、背景の柔らかいボケ味はスマートフォンで撮ったとは思えない描写だ。

LEITZ PHONE 2 実写レビュー
絞りF1.9 1/100秒 ISO56

フィルターを使えばさらに「ライカらしさ」のある仕上がりに

また、3種類のフィルターを使うことで、さらにライカらしさが増す。フィルムライクな仕上がりになるからだろう。シネマクラシック、シネマコンテンポラリーはネガフィルムで撮ったような印象だ。ウォームトーンになるシネマコンテンポラリーは、ポートレート向きと言える設定で好感が持てる。柔らかいボケ描写をする「LEITZ PHONE 2」は、ポートレート撮影にも最適なスマートフォンだ。

3種類のフィルターを搭載

LEITZ PHONE 2 実写レビュー

LEITZ PHONE 2」の「LEITZ LOOKS」には、3種類のレンズと3種類のフィルターが搭載されている。「LEITZ PHONE 1」ではモノクロームだけだったから、大きな進化ポイントと言える。フィルターはモノクローム、シネマクラシック、シネマコンテンポラリーの3種類で、レンズと組み合わせて使用できるので、よりイメージに近い描写にできる。

LEITZ PHONE 2 実写レビュー

LEITZ PHONE 2 実写レビュー
「SUMMILUX 35」にモノクロームのフィルターを組み合わせて撮影した。まさにライカらしい滑らかなトーンの描写になっている。
絞りF1.9 1/210秒 ISO50

→「LEITZ PHONE 2」の詳しい情報はこちら!

 

〈撮影〉松田忠雄
〈モデル〉三浦彩花 (CRUVA)
〈ヘアメイク〉Ryuji (donna)
〈現場撮影〉中場敏博
〈協力〉ライカカメラジャパン株式会社