手の届く価格が魅力のサムヤンAFレンズ。「AF 35mm F1.4 FE II」「AF 50mm F1.4 FE II」に続き、「AF 85mm F1.4 FE」の第2世代モデル「AF 85mm F1.4 FE II」が登場した。より軽く、よりコンパクトになった新レンズの実力をチェックする。
コンパクト&リーズナブルを追求した定番の大口径中望遠が第2世代に進化した
AF対応レンズを矢継ぎ早に投入するサムヤン。その歴史は長く、ここで紹介する製品は50周年を記念するモデルだ。一般的に単焦点レンズのモデルサイクルは長めだが、ソニーEマウント用の85mmはすでに2代目である。
手にしてまず感じるのが、その軽さとコンパクトさ。光学系は先代モデルを踏襲しているが、約1割減のダイエットで、重さはなんと509g。ライバルの多くが600〜800g台なので、その軽さは群を抜く。AFは静か、かつ滑らかな動きで、動画撮影にも向くが、ブリージングは少し気になる。
外装の質感などは、眺めて愛でるような製品ではなく、必要十分なクオリティーだ。純正レンズの半額程度で入手できると思えば、お買い得感が高い。力を付けてきたサムヤン製AFレンズを検討してみるのもいいだろう。
柔らかな開放描写がネコの表情にマッチ
絞り開放の最短付近で適度な柔らかさが残り、ポートレートレンズの異名を持つ85mm。シャープすぎない描写がペットや人物ではむしろ好都合だ。カメラ機能の顔/瞳優先AFにも対応する。口径食は目立ち気味なので注意。
大きく美しいボケで奥行き感を演出
最短撮影距離は85cmで、おおむね『CAPA』の誌面サイズを画面いっぱいに撮れる。近接撮影が得意とはいえないが、大口径を生かした奥行き感は魅力的だ。ボケには強い輪郭や輪線 (玉ねぎボケ) も見受けられない。
フォーカスと絞り操作を切り替え可能
モード1はフォーカスリング、モード2に切り替えるとフォーカスリングで絞り設定ができる。スライドスイッチの下にあるフォーカスホールドボタンの機能は、ボディのメニューより任意に切り替え可能だ。
先代モデルの光学系をそのまま踏襲
光学系は先代モデルと共通で、HR (高屈折率) レンズ4枚とED (低分散) レンズ1枚を採用。絞り羽根は9枚。ステッピングモーターを使用して、AFスピードと滑らかさ、静かさを実現している。
廉価タイプの円形フードが付属する
フィルター径は72mm。フードの全長は約55mmで、円形の2本爪タイプ。植毛や溝加工はない。価格相応といえばそれまでだが、限られた予算で大口径レンズの描写が楽しめる魅力は大きい。
SAMYANG AF 85mm F1.4 FE II
発売日 2022年10月21日
参考価格 103,840円 (税込)
マウント ソニーEマウント
レンズ構成 8群11枚
絞り羽根 9枚
最短撮影距離 0.85m
最大撮影倍率 0.12倍
フィルター径 φ72mm
最大径×長さ φ83.4×99.5mm
質量 約509g
※参考価格は記事公開時点の量販店価格です。