普段使いに適した携帯性を徹底的に追求した、新しい時代の大口径標準ズーム「20-40mm F/2.8 Di III VXD」がタムロンから登場。広角側を20mmスタートにすることで、ワイド表現の幅を広げた標準ズームの実力を検証した。
超広角20mmスタートを実現したクラス最小・最軽量の大口径標準ズーム
スペックを見たベテランユーザーなら、大きく重かったころの高級ズームレンズを思い出すかもしれないが、現代の設計技術によりマグカップ程度のサイズに生まれ変わり、重さも365gを実現。大口径ズームの定番である開放F2.8でありながら、フィルターサイズをタムロンの多くのレンズと共通の67mm径に揃えるなど、扱いやすい常用レンズとして登場した。
高精細なワイド表現が自由なアングルから狙える
レンズが軽いと、バランスを保ちながらのローアングル撮影が楽。ジンバル使用などにも重宝する。ワイド側開放ではそれなりに周辺光量は落ちるが、精細な描写はなかなかのもので、カメラのポテンシャルを生かしてくれる。
被写体を印象的に描くワイドマクロに強い
最短撮影距離はワイド側17cm、最大撮影倍率は約0.26倍。ここでは6cm程度の葉っぱに最短まで迫って撮影した。描写は適度なシャープさとボケ味のバランスが良好。素直で美しい広角接写が楽しめる。
写真から動画までシーンを選ばず快適に撮影できる
AF駆動はリニアモーターを採用。ブリージング (ピント移動に伴う画角変化) 対策も考慮され、ムービー、スチルを問わず快適な撮影が楽しめる。
近年はスマホからステップアップするユーザーも増え、広角レンズから撮影に慣れ親しんだ層には、フレンドリーな焦点域に仕上がっている。日常的な撮影をはじめ、荷物の多い登山や旅行など、シーンを選ばないレンズだ。
ズーム&フォーカスリングの操作性が◎
ズームリングの回転は滑らか。フォーカスリングとともに、滑り止めのゴムの指掛かりも良好だ。ほどよいツヤのある外装は、特別な高級感はないが、αボディともマッチしている。
フルサイズからAPS-Cまで扱いやすい焦点域
易防滴構造、防汚コートを施したフルサイズ対応レンズだ。APS-Cフォーマット機では35mm判換算30~60 mm相当の画角になり、両方で使いやすいのが嬉しい。
USBで接続してレンズをカスタマイズ
専用ソフトにより、フォーカスリングのカスタマイズやファームアップが可能。端子にキャップがなく水などの浸入が不安だが、考慮済みとのこと。レンズ着脱指標が確認しづらいのは残念。
TAMRON 20-40mm F/2.8 Di III VXD
発売日 2022年10月27日
希望小売価格 118,800円 (税込)
モデル名 A062
マウント ソニーEマウント
レンズ構成 11群12枚
絞り羽根 9枚 (円形絞り)
最短撮影距離 0.17m (ワイド端) / 0.29m (テレ端)
最大撮影倍率 1:3.8 (ワイド端) / 1:5.1 (テレ端)
フィルター径 φ67mm
最大径×長さ φ74.4×86.5mm
質量 365g