OM SYSTEMのハイスペックレンズ「M.ZUIKO PRO」シリーズ初の望遠マクロレンズが発売された。35mm判換算で4倍相当の高い撮影倍率を持つ「M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PRO」を試してみた。
マイクロフォーサーズ派待望の望遠マクロレンズ
マイクロフォーサーズのレンズ群には意外にも望遠マクロが存在していなかった。そこを埋めるべく登場したのがこの90mmマクロだ。フルサイズ換算で180mmという焦点距離、4倍という最大撮影倍率は、近寄りにくい昆虫などに威力を発揮する。また、強い圧縮効果や大きなボケが得られるため、花などの静物を撮るのにもいい。
浅い被写界深度で花びらをクローズアップ
チューリップの花をほぼ等倍で撮影。マクロ域での描写はかなり柔らかめという印象だ。マイクロフォーサーズといえども被写界深度は紙のように薄いが、深度合成機能を使えばシャープに撮影することもできる。
圧縮効果を生かした望遠スナップも楽しめる
通常の撮影域では緻密さを感じさせつつも、近接時とは違ってキレ味が鋭くコントラストも高め。AFの追従性やボケ味も良好で、望遠ズームの代わりに携行するのもアリだ。
4倍までの超マクロを身近にしてくれる1本
手にしてまず思ったのは、とてもスリムということ。そのせいで全長が長く見えるかもしれないが、実際には136mmしかない。重量も453gと軽く、また装着したときのバランスもいい。いざファインダーをのぞくと、最大7段というレンズ+カメラの手ブレ補正が強く効いているのがわかる。おかげで等倍以上の撮影でも気持ちよくフレーミングができた。肉眼を超えたクローズアップが楽しくなるレンズだ。
撮影距離を切り替えて素早くフォーカシング
側面のスイッチで撮影距離を無限遠~0.25m (等倍)、0.5~0.25m (0.25倍~等倍)、0.5~0.224m (0.25倍~2倍) の3段階に切り替えられる。フォーカシングに関わるレンズ群も連動し、素早いAFが可能になっている。
OM SYSTEM M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PRO
発売日 2023年2月24日
参考価格 184,800円 (税込)
マウント マイクロフォーサーズ
レンズ構成 13群18枚
絞り羽根 7枚 (円形絞り)
最短撮影距離 0.25m (S-Macro時 0.224m)
最大撮影倍率 1.0倍 (S-Macro時 2.0倍)
※35mm判換算 2.0倍相当 (S-Macro時 4.0倍相当)
フィルター径 62mm
最大径×長さ 約φ69.8×136mm
質量 約453g
※参考価格は記事公開時点の量販店価格です。