ソニーEマウント用として人気の大口径超広角ズームレンズ「タムロン 11-20mm F/2.8 Di III-A RXD」(Model B060) に、富士フイルムXマウント用が追加された。早速「X-T5」と組み合わせ、その実力を検証した。
Xシリーズユーザー待望の小型で明るい超広角ズーム
これまでサードパーティー製の富士フイルムXマウント用レンズは、ほとんど存在せず、Xシリーズユーザーは他社マウントのレンズを、指をくわえて見ているしかなかった。しかし最近になって、注目のレンズが相次いでXマウント用として登場している。本レンズも待ち望まれていた1本だ。
大口径の描写をコンパクトに楽しめる
開放F2.8の大口径超広角ズームでありながら、手のひらに収まるほどコンパクト。Xシリーズのカメラに適したサイズ感だ。「17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD」と組み合わせて使いたい。
特殊硝材を贅沢に使い画質と小型化を追求
レンズ構成は10群12枚。ガラスモールド非球面レンズ2枚、異常低分散レンズ2枚、XLDレンズ1枚を使用し、歪曲収差や色のにじみを良好に補正。ゴーストやフレアを抑えるBBAR-G2コーティングを施している。
コンパクトで高画質、撮影旅行へ連れて行きたくなる1本
画角は35mm判換算で16.5〜30mm相当。似たような焦点距離を持つ純正レンズ「XF10-24mmF4 R OIS WR」と比較すると、テレ端の焦点距離は4mm短く、ワイド端は1mm長いものの、開放絞りは1段も明るい。手ブレ補正機構は非搭載だが、レンズの明るさでカバーできそうだ。
さらに純正レンズに比べ、比較的リーズナブルなのも魅力。コンパクトで画質性能も高く、ちょっと遠くへ撮影旅行に連れて行きたくなるレンズだ。
ワイド感あふれる画角でクリアに描く
ワイド端11mm (16.5mm相当)、絞りF5.6で撮影。全体的に解像感が高く、良好な結果が得られた。画面四隅に、わずかに結像の甘い部分が見受けられるものの、F8まで絞ると改善される。目立つようなディストーションや色のにじみもない。
ナチュラルなボケ味が主役を際立たせる
テレ端20mm (30mm相当)、絞り開放で、ほぼ最短撮影距離まで近づいて撮影。合焦した部分はエッジのキレが良く、解像感も高い。ボケ味もズームレンズとしてはナチュラルだ。
浅い作りの花形フードが付属する
ワイド端11mmに合わせたフードなので浅めだが、これでも遮光効果は得られるので、常に装着しておきたいアクセサリーだ。67mm径の丸型フィルターも使える。
タムロン 11-20mm F/2.8 Di III-A RXD 富士フイルムXマウント
発売日 2023年5月30日
希望小売価格 124,300円 (税込)
焦点距離 11〜20mm (35mm判換算 16.5〜30mm相当)
レンズ構成 10群12枚
絞り羽根枚数 7枚 (円形絞り)
最短撮影距離 ワイド端 0.15m、テレ端 0.24m
最大撮影倍率 ワイド端 1:4、テレ端 1:3.7
フィルター径 φ67mm
最大径×長さ 約φ73×86.5mm
質量 335g