機材レポート

富士フイルム X-S20 実写レビュー! 高性能AFと強力な手ブレ補正で機動力がアップした

エントリーユーザーからハイアマチュアまで、幅広い層から支持される富士フイルムのX-Sシリーズがモデルチェンジ。高性能AFと強力な手ブレ補正を搭載した「X-S20」が登場した。

富士フイルム X-S20 実写レビュー
FUJIFILM X-S20 XC15-45mmレンズキット

上位モデルと同等の機能をコンパクトボディに凝縮

センターファインダースタイルの富士フイルムX-Sシリーズが、上位モデルと同じ画像処理エンジンを搭載して第2世代に進化した。

先代モデルで注目されたボディ内手ブレ補正機能は、本モデルでももちろん継承。補正効果は6段から7段へと向上している。Xシステムには秀逸な単焦点レンズが多数ラインアップされているが、その大半はレンズ内手ブレ補正機能を持たないため、これまで以上に心強い味方になりそうだ。

ベルビア調の色鮮やかな仕上がりが気持ちいい

富士フイルムらしい極めて色のりのよい煌びやかな絵づくりだ。合焦部分の鮮鋭感も文句なく、誰もがきれいだと思える仕上がりである。フィルムシミュレーションを使いこなすのも本モデルを使う楽しさのひとつ。

富士フイルム X-S20 実写レビュー
富士フイルム X-S20 XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ 絞り優先オート F8 1/280秒 ISO160 WB : オート フィルムシミュレーション : Velvia

強力な手ブレ補正機能が室内撮影をサポート

手ブレ補正効果は最大7段。ここではレンズ内手ブレ補正機能を持たない「XF50mmF2 R WR」を使用し、シャッタースピード1/12秒で撮影した。光の少ない室内や夕景、夜景も、手持ちでシャープに撮影できる。

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富士フイルム X-S20 XF50mmF2 R WR 絞り優先オート F2 1/12 秒 ISO160 WB : オート フィルムシミュレーション : Velvia

大容量バッテリーで撮影可能枚数が飛躍的に向上

バッテリーの変更も「X-S20」の注目ポイント。小型の「NP-W126S」から「X-T5」などと同じ、大容量タイプの「NP-W235」へ変更された。メーカー公表の撮影可能枚数は、325枚から750枚へと飛躍的に向上している。動物や鳥、クルマ、バイク・自転車、飛行機、電車を対象とする被写体検出AFの採用や、フィルムシミュレーション「ノスタルジックネガ」の追加など、手堅い進化を果たしている。

最新画像処理エンジンを採用しAF機能を強化

イメージセンサーは先代「X-S10」と同じ有効約2610万画素の裏面照射型 X-Trans CMOS 4を採用。画像処理エンジンは最新の「X-Processor 5」を搭載し、被写体検出などAF機能が強化されている。

富士フイルム X-S20 実写レビュー
X-Trans CMOS 4
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X-Processor 5

写真から動画まで撮影しやすく進化

シンプルなダイヤル表記で撮影モードを自由に選べる

同じセンターファインダースタイルの「X-T5」(写真上) と比べてみた。「X-S20」もダイヤルこそ多いものの、撮影モードダイヤルを除き、アナログ表記がなくシンプル。

富士フイルム X-S20 実写レビュー
上が「X-T5」、下が「X-S20」

自撮りに便利なバリアングル液晶モニター

液晶モニターは3.0型184万ドット。自撮りのときに便利なバリアングルタイプだ。Xシステムではバリアングルタイプとチルト式の液晶モニターが、カメラの性格に合わせて使い分けられている。

富士フイルム X-S20 実写レビュー

Vlogから本格的な動画撮影まで可能

モードダイヤルには、自撮りに適したVlogモードを新たに搭載。本モードに加え、バリアングル液晶モニターや6.2K動画撮影など、映像制作にもこだわったカメラであることがわかる。

富士フイルム X-S20 実写レビュー

FUJIFILM X-S20

富士フイルム X-S20 実写レビュー

発売日 2023年6月29日
参考価格 ボディ 204,600円、XC15-45mmレンズキット 221,100円 (いずれも税込)

マウント 富士フイルムXマウント
有効画素数 有効約2610万画素
撮像素子 APS-Cサイズ X-Trans CMOS 4センサー
画像処理エンジン X-Processor 5
ISO感度 ISO 160〜12800 (拡張 ISO 80 / 100 / 125 / 25600 / 51200)
AFシステム コントラスト+位相差 (顔・瞳、被写体検出)
連写性能 約8コマ/秒 (メカシャッター JPEG 連続1000+枚)
手ブレ補正 センサーシフト方式5軸補正 (最大7段)
ファインダー 約236万ドット 有機EL (0.62倍)
液晶モニター 3.0型 約184万ドット (バリアングル式タッチパネル)
動画性能 6.2K/30P、DCI 4K/60P対応
大きさ 幅127.7×高さ85.1×奥行き65.4mm (最薄部 32.9mm)
質量 約491g (バッテリー、メモリーカードを含む)

 

※本レポートは『CAPA』2023年7月号掲載の記事をWEB用に構成したものです。撮影にはベータ機を使用しています。
※参考価格は記事公開時点の量販店価格です。