フォクトレンダーNOKTONの中でもさらなる大口径を追求した、富士フイルムXマウント用の「NOKTON 35mm F0.9 Aspherical」が誕生。大自然が広がる北海道・花咲線を旅しながら新NOKTONの描写を検証した。
開放F0.9を実現した富士フイルムXマウント専用設計のMF標準レンズ
「NOKTON 35mm F0.9 Aspherical」を富士フイルム「X-T5」と組み合わせ、北海道の花咲線を訪れた。このレンズはフォクトレンダー3本目となるGAレンズを採用した光学設計で、超大口径F0.9と取り回しのいいサイズ感を実現している。492gと軽量で「X-T5」とのバランスも良く、持ち歩くのも楽だった。
湿原に続く線路の遠近感をクリアに捉える
列車後方の車窓から湿原に続く直線の線路を撮影。ピントは無限遠に合わせタイミング良くシャッターを切る。手前の線路はなだらかにぼけているが、開放F0.9の割には被写界深度が深く感じる。
MFでピントを合わせて超大口径のボケを楽しむ
MFレンズであるが、自動で拡大表示されるので正確なピント合わせが容易にできる。総金属製の鏡筒でピントリングは滑らかに回転する。開放をメインに撮影するなら、ND16以上のフィルターがあるとシャッタースピードをコントロールしやすい。
フローティング機構を搭載して近接にも強いので、花などに寄って背景を柔らかくぼかすことができる。開放から高い解像感が得られるので、積極的に開放描写を楽しみたいレンズだ。
柔らかなボケ味が主役の花を際立たせる
根室駅の外の線路沿いで一輪のオオカサモチを撮影。35cmまで寄れるので花の存在感を出しながら、折り返しの列車を背景に取り入れた。主役を際立たせる開放のボケ味が心地よい。
Xシリーズのカメラ機能が使える
「X-T5」に装着すると構えたときのバランスがいい。レンズとボディ間で情報通信ができ、Exif情報やフォーカスチェック、撮影距離連動表示、ボディ内手ブレ補正などに対応する。
GAレンズで超大口径と小型化を両立
自社生産のGA (研削非球面) レンズを採用。超大口径ながら全長は約65mmと実用的なサイズで取り回しがいい。絞り開放から解像感が高く、柔らかなボケ味が得られる。
リバース装着が可能な金属製フードが付属
質感の高い総金属製鏡筒にマッチする金属製フードが付属する。遮光性能を考えた小型のフードだ。リバース装着もできてコンパクトに持ち運べる。
フォクトレンダー NOKTON 35mm F0.9 Aspherical X-mount
発売日 2023年8月23日
希望小売価格 247,500円 (税込)
焦点距離 35mm (35mm判換算 約53mm相当)
レンズ構成 8群10枚
絞り羽根枚数 12枚
最短撮影距離 0.35m
最大撮影倍率 1:7.1
フィルター径 62mm
最大径×全長 φ72.7×64.9mm
質量 492g