機材レポート

ソニー α6700 実写レビュー! 注目は上位モデル譲りの被写体認識AF

コンパクトで人気のα6000シリーズから、フルサイズ機の「α7R V」と同じAIプロセッシングユニットを搭載し、AFを進化させた「α6700」が登場。フィールドに持ち出し、軽快な撮影を体感した。

ソニー α6700 実写レビュー
ソニー α6700 高倍率ズームレンズキット (ボディ + E 18-135mm F3.5-5.6 OSS)

被写体認識AFを進化させて、静止画&動画ユーザーに好適

ソニーαの最新機能をAPS–Cサイズ機の小型ボディに盛り込んだα6000シリーズ。先代の「α6600」から約4年ぶりに、静止画と動画ユーザーの期待に応えて登場した。

今回のいちばんの目玉はオートフォーカス。各社でしのぎを削る被写体認識AFだが、フルサイズモデルの「α7R V」に搭載したAIプロセッシングユニットを本機にも採用。従来の人物と動物に加えて、飛行機、鳥、昆虫、列車、車が追加された。なお人物の瞳認識精度は、「α6600」と比べて約60%も向上しているという。

AFエリアも従来機より広がり、最大759点の像面位相差AF測距点を配置して、ソフトとハードの合わせ技で被写体を捉える。被写体認識AFは撮影者が任意で被写体を選ぶ必要はあるが、かなり使い出がある機能と言える。

最新エンジンによりレスポンスを追求

有効約2600万画素の裏面照射型CMOSセンサーと従来比最大約8倍の処理能力を持つBIONZ XRの組み合わせにより、レスポンスや画質などに磨きを掛けた。またAIプロセッシングユニットも搭載されて、AF性能も向上。

ソニー α6700 実写レビュー
APS-CサイズCMOSセンサー
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BIONZ XR

上位機と同等の被写体認識AFを搭載

フルサイズ機「α7R V」譲りの被写体認識AFには、鳥や昆虫などのメニューが新設された。ファンクションメニューより、任意の被写体をスピーディーに切り替えて撮影できる。

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被写体認識AFが画面内の鳥を瞬時に捕捉

新設された被写体認識AFにより、画面内に鳥が飛び込んできても、このくらいのサイズなら瞬時に捕捉。認識時には鳥の周りに枠が表示されて、ピントが合っているのを確認しつつ、構図に集中して撮影できる。

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ソニー α6700 E 18-135mm F3.5-5.6 OSS 絞り優先オート F5.6 1/2500秒 +0.3補正 ISO100 WB : 太陽光

上位モデルで培った技術を小型ボディに凝縮

外側は一見「α6600」と似たデザインで見落としがちだが、α6000シリーズとして初めて前ダイヤルを採用。α7シリーズに近い感覚で使えるようになった。ここまでくればマルチセレクターまで踏み込んでほしかったところだが、小型ボディの宿命で見送られたようだ。

ミラーレスαの礎となって育ってきたAPS-C機だが、軸足はフルサイズ機に移っても、上位モデルや派生モデルで培った技術を小型ボディにしっかり落とし込んで、まとめた印象だ。またアクセシビリティー機能として、メニュー操作の音声読み上げ機能を採用するなど、誰でも利用しやすい優しさを備えている点も特筆したい。

前ダイヤルとバリアングルモニターを採用

先代「α6600」と比べて、3方向ともに数mmずつ拡大。外観上のトピックは、前ダイヤルが新設されたほか、背面上部のAF-ONボタン周りの変更、背面モニターのバリアングル化、グリップの大型化が主なもの。

ソニー α6700 実写レビュー

ソニー α6700 実写レビュー

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「クリエイティブルック」で色彩を自由に表現

色合いなどの仕上がり設定が、従来の「クリエイティブスタイル」から「クリエイティブルック」に変更された。10種類のモードがプリセットされていて、さらに調整も可能。ここでは「VV2」を選択し、ヒマワリが明るく鮮やかでくっきりした印象に仕上げた。

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ソニー α6700 E 18-135mm F3.5-5.6 OSS 絞り優先オート F5.6 1/400秒 +0.3補正 ISO100 WB : 太陽光

ISO6400まで使える高感度画質を実現

常用ISO感度はISO32000、拡張時はISO102400が上限。ISOオートはISO100~6400 (任意変更可能) で変動する。写真はISOオート。感度相応のノイズは見られるがカラーバランスが顕著に崩れることもなく、自然な美しさをキープ。

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ソニー α6700 E 18-135mm F3.5-5.6 OSS 絞り優先オート F5.6 1/15秒 -0.3補正 ISO6400 WB : 電球

解像力と質感の高い4K動画記録ができる

4K/120pのハイフレームレート動画をはじめ、Log撮影にも対応。手ブレ補正にはアクティブモードを備えるなど、動画撮影にも注力している。同社カムコーダーの流れをくむ機能を搭載して、クリエイターの要求に応える。

ソニー α6700 実写レビュー
ソニー α6700 E 18-135mm F3.5-5.6 OSS 4K動画から切り出し

静止画と動画を瞬時に切り替え可能

モードダイヤルの下部に、静止画/動画/S&Qの切り替えダイヤルを新設。各撮影モードから瞬時に移行できるほか、カメラの状態がひと目でわかるのもメリット。メニュー項目も合わせて切り替えられる。

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こだわりの音声収録アイテム「ショットガンマイクロホン ECM-M1」

複数の集音部の指向性を変化させることで、幅広いシーンに対応。8つの収音モードを背面ダイヤルで直感的に切り替えられる。「α6700」との組み合わせでは、デジタル伝送により高音質で録音可能だ。

ソニー α6700 実写レビュー
2023年7月28日発売 参考価格 42,900円 (税込)

ソニー α6700

ソニー α6700 実写レビュー

発売日 2023年7月28日
参考価格 (税込)
ボディ 218,900円、高倍率ズームレンズキット 262,900円

撮像素子 有効約2600万画素 APS-Cサイズ 裏面照射型CMOSセンサー
画像処理エンジン BIONZ XR
ISO感度 ISO 100~32000 (拡張 : 下限 ISO 50、上限 ISO 102400)
AFシステム 位相差+コントラスト (位相差 : 最大759点)
連写性能 最高約11コマ/秒 (Hi+時)
手ブレ補正 5.0段 5軸補正
ファインダー 約236万ドット 有機EL (倍率 約1.07倍)
液晶モニター 3.0型 約103万ドット (バリアングル式タッチパネル)
動画性能 4K/120p対応
大きさ (幅×高さ×奥行き) 約122.0×69.0×75.1mm
質量 約493g (バッテリー、メモリーカードを含む)

※参考価格は記事公開時点のソニーストア直販価格です。