富士フイルムXマウントを採用したMF中望遠レンズ「フォクトレンダー NOKTON 50mm F1.2 X-mount」が登場した。全球面レンズと12枚羽根の絞りにより、ボケ味にも期待が持てる。トライアルした結果を報告しよう。
ナチュラルなボケ味がスナップを際立たせる
絞り開放で撮影。背景ボケは合焦面から滑らかにぼけていく。しかもナチュラルで柔らかいボケ味だ。前ボケについても同様で、二線ボケも気にならない。解像感、コントラストともに不足を感じさせない描写だ。
絞り込むとキレッキレの解像性能
F8に絞り込むとエッジはキレッキレに。画面四隅もしっかり結像する。ヌケもよく、Xシリーズの色再現とも相性が良い。非球面レンズは使われていないが、歪曲収差もよく抑えられている。
写真を撮る楽しさが味わえる重厚感のあるMFレンズ
精力的にラインアップを増やすフォクトレンダーのXマウントレンズ。その6本目となる「NOKTON 50mm F1.2 X-mount」」が発表された。35mm判換算75mm相当の画角を持ち、大口径を生かした人物撮影から、一歩被写体に踏み込んだスナップや風景撮影など、何かと出番が多そうだ。
総金属製の鏡筒はレンズのグレードに見合う重厚感があり、フォーカスリングおよび絞りリングともに操作感は上質。特にフォーカスリングの心地よいトルク感は特筆ものだ。
写りに関しては、全群繰り出しのフォーカシング機構により、撮影距離を選ばず安定した結果が得られる。しかも絞り開放からエッジのキレは上々で、コントラストも不足を感じない。Xシリーズの煌びやかな絵づくりを強力にあと推しするレンズである。
大口径の滑らかなボケ味が楽しめる
ゾナータイプのレンズ構成により、開放F1.2の明るさとコンパクトサイズを追求。絞り開放から滑らかなボケ味とキレが楽しめ、数段絞り込むことでシャープさがさらに向上する。
Xシリーズのカメラ機能に対応する
電子接点を備えることで、Exif情報、フォーカスチェック、撮影距離連動表示のほか、ボディ内手ブレ補正やパララックス補正にも対応。純正レンズと変わらない操作性が魅力。
レンズと一体感のある金属製フード
円柱状のシンプルなレンズフードを同梱。鏡筒と同様に金属製で、質感も含めレンズ本体と一体感がある。フードを装着したまま使用できるレンズキャップが付属する。
フォクトレンダー NOKTON 50mm F1.2 X-mount
発売日 2023年9月7日
希望小売価格 110,000円 (税込)
マウント 富士フイルムXマウント
レンズ構成 8群9枚
絞り羽根枚数 12枚
最短撮影距離 0.39m
最大撮影倍率 1:6.0 (35mm判換算 1:4.0)
フィルター径 58mm
最大径×全長 φ63.9×49.0mm
重量 290g