機材レポート

文句なしの圧倒的スピード!「ソニー α9 III」の真価をスポーツ撮影で実感

フルサイズCMOSイメージセンサー搭載レンズ交換式デジタルカメラとして世界初のグローバルシャッター搭載機。そのインパクトはスポーツ写真、ひいては写真表現にいったい何をもたらすのか。「ソニー α9 III」の圧倒的実力を、水谷たかひとさんが語ります。

※レンズ交換式デジタルカメラとして。2023年11月発表時点。ソニー調べ。

ソニー α9 III 実写レビュー

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ソニー α9 III × 水谷たかひと

限界突破の「α9 III」が表現世界を拡張してくれる

プロゴルファーのフルスイングも世界的テニスプレーヤーの渾身のスマッシュも、まさに歪みなし! グローバルシャッターの恩恵により、歪みゼロのありのままの一瞬を撮れることが、スポーツ撮影においてこれほどまでに爽快だとは。

さらに最高約120コマ/秒の超高速連写にも、度肝を抜かれた。単に速いだけでは扱いにくいが、例えば30コマ/秒で連写中に、決定的瞬間のタイミングで「連写速度ブースト」を割り当てたカスタムボタンを押せば、MAX約120コマ/秒にブーストできる。かゆいところに手が届いているではないか。これは本当にありがたい。

αシリーズのAF性能は今までも頭ひとつ抜けていたが、今回はそこがさらに進化している。実際にフィールドホッケーの現場に持ち込んでみた印象を語れば、最先端のAIを活用したというAFはどんなプレイのときもバシバシと合焦してくれた。しかも120コマ連写してもきっちり追随してくれるのだから、文句などありはしない。

最高約120コマ/秒にAE/AF がブラックアウトフリーで追随!

女子ホッケーチーム「ソニーHC BRAVIA Ladies」の試合を撮影。果敢に攻めるも、相手チームのキーパーが飛び出してきて惜しくもボールははじかれてしまった。最高約120コマ/秒の超高速連写時もAE/AFが追随し、しかもブラックアウトなしで狙える恩恵により、撮影中は試合展開とファインダーに100%集中できた。

ソニー α9 III 実写レビュー
ソニー α9 III FE 400mm F2.8 GM OSS 1/1250秒 絞りF2.8 ISO250 WB : オート

新しいサンニッパとの相性も抜群

発表間もないクラス最軽量の「FE 300mm F2.8 GM OSS」の機動力を生かし、パスを出す選手を半逆光で狙った。フィールドにまかれた水のしぶきに露出を合わせたが、アンダー気味の表情もしっかり捉えることができた。テレコンバーター装着にも関らず、高い描写性とAF性能には舌を巻くばかりだ。

ソニー α9 III 実写レビュー
ソニー α9 III FE 300mm F2.8 GM OSS + 1.4X Teleconverter 1/3200秒 絞りF4 ISO400 WB : オート

スポーツ撮影以外もこなせるオールマイティーなフルサイズミラーレス

ひとことで言うと、「α9 III」はスピード特化型のプロフェッショナル機だ。けれども、スポーツ以外の撮影でも必要十分に使えるオールマイティーな35mmフルサイズミラーレスに磨き上げられているのがすごいところ。私は2年前から「α1」をスポーツ撮影の相棒に据えているが、「α9 III」に入れ替えるか実に悩ましい。なんと罪作りなのだろう。だからこそ面白いとも言えるのだ、ソニーαシリーズの新世界は。

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「α9 III」で撮るスポーツフォト撮影テクニックを動画でチェック!

2023年11月25日に開催した「CAPA博2023」では、水谷たかひとさんが「α9 III」を使ったスポーツ撮影の極意を解説しました。その様子を動画でご覧ください!

ソニー α9 III

ソニー α9 III 実写レビュー

撮像素子 有効約2460万画素フルサイズグローバルシャッター方式メモリー内蔵積層型CMOSセンサー
画像処理エンジン BIONZ XR
ISO感度 ISO250~25600 (静止画時上限51200)
AFシステム ファストハイブリッドAF (測距点数最大759点)
連写性能 最高約120コマ/ 秒 (電子シャッター)
シャッター速度
静止画撮影時 : 1/80000〜30秒、バルブ
動画撮影時 : 1/8000〜1秒
ボディ内手ブレ補正 8.0段 (CIPA規格準拠、ピッチ/ヨー方向、FE 50mm F1.2 GM装着時、長秒時ノイズリダクションオフ時)
ファインダー 約944万ドットOLEDファインダー (倍率 約0.9倍)
液晶モニター 3.2型約210万ドット (4軸マルチアングル液晶モニター)
動画性能 4K/120P、フルHD/120P対応
大きさ 幅約136.1×高さ約96.9×幅約82.9mm
質量 約703g (バッテリー、記録メディアを含む)

 

水谷たかひと

水谷たかひと (Takahito Mizutani)

1968年、東京生まれ。1990年に東京総合写真専門学校卒業と同時に渡仏。さまざまなスポーツイベントを撮影し、3年後に帰国。日本写真家協会 (JPS) 会員、日本スポーツ写真協会 (ANSP) 会長、国際スポーツプレス協会 (AIPS) 会員。
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〈協力〉ソニーマーケティング株式会社