クラシックレンズを彷彿させるスタイリングと高い画質性能を両立したフォクトレンダーのVintage Lineシリーズ。4種類のデザインバリエーションを用意した大口径広角レンズ「NOKTON Vintage Line 28mm F1.5 Aspherical VM」が登場した。
所有欲をくすぐる金属外装と最新の光学性能を追求
クラシカルな外観に最新の光学系を搭載する、VMマウントのVintage Lineシリーズに大口径広角レンズが登場。鏡筒にアルミを使用した軽量なType Iと、真鍮を採用した重厚感のあるType IIをラインアップ。ここではType Iを使用した。光学系はどちらも同じだ。
手にすると金属ならではの質感が伝わり、高級感がある。フォーカスレバーを装備するがローレットも持ち、好みに応じたフォーカシングができる。
絞り開放の描写は、やや柔らかだが解像力は高い。1段絞るとキリッとした写りになる。また逆光でもフレアやゴーストは発生しにくい。最短撮影距離は0.5m。明るくコンパクトで描写力も高く、扱いやすいレンズだ。マウントアダプターによるミラーレス機での使用にもおすすめしたい。
注目ポイント
4種類のバリエーションを用意
Type Iはアルミ製。重さは250gだ。カラーはシルバーとマットブラックペイント。真鍮製のType IIは重さ330g。フォーカスノブや化粧ネジが付く。カラーはシルバーとブラックペイント。
最新カメラの画質を引き出す光学設計
8群10枚のうち、異常部分分散ガラスを2枚、非球面レンズを2枚使用。クラシックレンズを思わせる外観と、最新の光学性能を併せ持つ。また、ミラーレスでの使用も考慮した設計だ。
絞っても円形に近い12枚羽根の絞り機構
絞り羽根は12枚もあり、絞った際のボケも円形に近い。また、絞りリングは1/2ステップを採用。デジタルのM型ライカのシャッターダイヤルも1/2ステップなので、露出を合わせやすい。
別売のスリット入りフードが似合う
レンズフードは別売。「NOKTON classic 35mm F1.4 II」や「NOKTON classic 40mm F1.4」などと共通の「LH-6」が対応する。スリット入りの、いかにもレンジファインダー用レンズを思わせるスタイルになり、見た目の満足感も高い。
実写作例
周囲の雰囲気を伝えるナチュラルなボケ味
絞り開放で撮影。ピントは自転車のハンドルの付け根付近に合わせた。大口径ながらソフトになりすぎず、幅広いシーンで活躍する写りだ。後輪はぼけているが形が崩れず、自然な雰囲気なのがわかる。背景のボケはやや硬い印象。
高い質感描写で看板をリアルに再現
絞りはF2.8に設定。12枚の絞り羽根のおかげでボケが角張らず、自然なボケ味が得られた。描写力も高く、標識の質感再現もリアルだ。レンジファインダー用レンズとしては最短撮影距離が短いので、遠近感を強調した表現に対応する。
フォクトレンダー NOKTON Vintage Line 28mm F1.5 Aspherical VM
発売日 2024年1月19日
希望小売価格 (税込) 137,500円 (Type I)、154,000円 (Type II)
マウント VMマウント
レンズ構成 8群10枚
最短撮影距離 0.5m
フィルター径 43mm
絞り羽根枚数 12枚
最大径×全長 φ54×45.5mm (突起部を除く)
質量 250g (Type I)、400g (Type II)