新世代のセンサーとエンジンを搭載した「ライカSL3」。6000万画素の高精細画質が自然風景をダイナミックに描く。ライカ使いの林明輝氏が、春を迎えた屋久島でその魅力を堪能した。
ライカSL3 × 林 明輝
春の色彩と木々の立体感をイメージどおりに捉える
山肌に映えるヤマザクラと新緑のコラボレーションを望遠ズームで捉えた。ライカならではの高品位な色再現が印象的。6000万画素の高精細画質と高いレンズ性能が、木々の立体感まで再現してくれた。
しっとりとした木肌の質感をリアルに描く
登山道をまたぐように立つくぐり杉の迫力を超広角レンズで撮影。F16まで絞ることで、後方の木々や新緑をパンフォーカスに捉えた。雨上がりの木肌の質感描写が美しく、ダイナミックレンジの広さも感じられる。
高精細画質に磨きをかけたタフに使えるミラーレス機
愛機の「ライカSL2」は完成度が高く、4700万画素の画質で十分だと感じていたが、6000万画素の「ライカSL3」で撮影してみると、高精細な画質だけでなく、階調再現も優れている印象を受ける。また、レンズの焦点距離が足りないときにAPS-Cサイズにクロップしても、2600万画素で撮影できるのもうれしい。
画質や機能を進化させながら、ボディは約70g軽くなり、横幅も約5mm小さくなった。実際に手にしてみると数字以上に小さく、軽く感じられ、グリップも握りやすく、レンズ交換や三脚への装着などがスムーズだ。
また、風景撮影に便利なチルト式液晶モニターが採用された。特にローポジションの多い、小さな花の撮影などに重宝する。位相差AFや5軸手ブレ補正も搭載され、スナップ感覚で風景撮影を楽しむこともできそうだ。
今回は雨の多い屋久島で撮影したが、防塵・防滴性能に優れた完全密閉構造のボディにより、トラブルは一度もなかった。バッテリーが大容量化され、1本でほぼ1日の撮影がこなせるので、予備を1本用意しておけば万全だ。
日本各地の絶景を、新たな相棒「ライカSL3」と撮り歩きたい。
ライカSL3
撮像素子 有効約6000万画素裏面照射型CMOSセンサー
画像処理エンジン LEICA MAESTRO IV
ISO感度 ISO 50~100000
AFシステム 位相差検出+深度マップ+コントラスト検出 (AF測距点 315点)
連写性能 最高7コマ/秒 (メカシャッター)、最高15コマ/秒 (電子シャッター)
手ブレ補正 5軸手ブレ補正 (補正効果5段)
ファインダー 576万ドット有機EL、倍率0.76倍 (アスペクト比 3:2)
液晶モニター 3.2型233万ドット液晶 (タッチパネル・チルト可動式)
動画性能 C8K・8K/30P対応
大きさ 幅141.2×高さ108×奥行き84.6mm
質量 約769g (バッテリー含まず)
林 明輝 (Lin Meiki)
独自の視点で風景の微妙な空気感、透明感を表現した作品を発表する風景写真家&ドローンパイロット。30年以上にわたり日本各地の絶景を追い続け、これまでの写真展の来場者数は15万人を超える。写真教室「輝望フォトグラファーズ」主宰。日本写真家協会会員。
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〈協力〉ライカカメラジャパン株式会社