機材レポート

ライカSL3実写レビュー! 6000万画素の解像感とライカの画づくりを春のフィールドで満喫

新世代のセンサーとエンジンを搭載した「ライカSL3」。6000万画素の高精細画質が自然風景をダイナミックに描く。ライカ使いの林明輝氏が、春を迎えた屋久島でその魅力を堪能した。

ライカSL3実写レビュー

ライカSL3の詳しい情報はこちらからチェック

ライカSL3 × 林 明輝

春の色彩と木々の立体感をイメージどおりに捉える

山肌に映えるヤマザクラと新緑のコラボレーションを望遠ズームで捉えた。ライカならではの高品位な色再現が印象的。6000万画素の高精細画質と高いレンズ性能が、木々の立体感まで再現してくれた。

ライカSL3実写レビュー
ライカSL3 アポ・バリオ・エルマリートSL f2.8-4/90-280mm 絞り優先オート F11 1/25秒 -1補正 ISO100 WB : 晴天

しっとりとした木肌の質感をリアルに描く

登山道をまたぐように立つくぐり杉の迫力を超広角レンズで撮影。F16まで絞ることで、後方の木々や新緑をパンフォーカスに捉えた。雨上がりの木肌の質感描写が美しく、ダイナミックレンジの広さも感じられる。

ライカSL3実写レビュー
ライカSL3 スーパー・アポ・ズミクロンSL f2/21mm ASPH. 絞り優先オート F16 32秒 ISO100 W B :晴天

高精細画質に磨きをかけたタフに使えるミラーレス機

愛機の「ライカSL2」は完成度が高く、4700万画素の画質で十分だと感じていたが、6000万画素の「ライカSL3」で撮影してみると、高精細な画質だけでなく、階調再現も優れている印象を受ける。また、レンズの焦点距離が足りないときにAPS-Cサイズにクロップしても、2600万画素で撮影できるのもうれしい。

画質や機能を進化させながら、ボディは約70g軽くなり、横幅も約5mm小さくなった。実際に手にしてみると数字以上に小さく、軽く感じられ、グリップも握りやすく、レンズ交換や三脚への装着などがスムーズだ。

また、風景撮影に便利なチルト式液晶モニターが採用された。特にローポジションの多い、小さな花の撮影などに重宝する。位相差AFや5軸手ブレ補正も搭載され、スナップ感覚で風景撮影を楽しむこともできそうだ。

ライカSL3実写レビュー
構図確認がしやすいチルト式液晶モニター
風景撮影では三脚にカメラを据えて、ローポジションやハイポジションから撮影することが多い。構図の確認にはチルト式液晶モニターがとても便利だ。

今回は雨の多い屋久島で撮影したが、防塵・防滴性能に優れた完全密閉構造のボディにより、トラブルは一度もなかった。バッテリーが大容量化され、1本でほぼ1日の撮影がこなせるので、予備を1本用意しておけば万全だ。

日本各地の絶景を、新たな相棒「ライカSL3」と撮り歩きたい。

 

ライカSL3の詳しい情報はこちらからチェック

ライカSL3

ライカSL3実写レビュー
価格 1,100,000円 (税込)

撮像素子 有効約6000万画素裏面照射型CMOSセンサー
画像処理エンジン LEICA MAESTRO IV
ISO感度 ISO 50~100000
AFシステム 位相差検出+深度マップ+コントラスト検出 (AF測距点 315点)
連写性能 最高7コマ/秒 (メカシャッター)、最高15コマ/秒 (電子シャッター)
手ブレ補正 5軸手ブレ補正 (補正効果5段)
ファインダー 576万ドット有機EL、倍率0.76倍 (アスペクト比 3:2)
液晶モニター 3.2型233万ドット液晶 (タッチパネル・チルト可動式)
動画性能 C8K・8K/30P対応
大きさ 幅141.2×高さ108×奥行き84.6mm
質量 約769g (バッテリー含まず)

 

林明輝

林 明輝 (Lin Meiki)

独自の視点で風景の微妙な空気感、透明感を表現した作品を発表する風景写真家&ドローンパイロット。30年以上にわたり日本各地の絶景を追い続け、これまでの写真展の来場者数は15万人を超える。写真教室「輝望フォトグラファーズ」主宰。日本写真家協会会員。
→ WEBサイト

 

〈協力〉ライカカメラジャパン株式会社