伊達淳一のレンズパラダイス『CAPA』2024年5月号 アザーショット【前編】
ポートレートや屋内スポーツ撮影に適した「SIGMA 70-200mm F2.8 DG DN OS | Sports」と、約1370gと軽量で機動性に優れた「SIGMA 500mm F5.6 DG DN OS | Sports」。いずれもシグマのSportsラインにカテゴライズされ、高い描写性能に加え、堅牢性や耐久性を併せ持っている。「ソニー α7R V」で、この2本の描写性能を確かめてみた。
前編では「SIGMA 70-200mm F2.8 DG DN OS | Sports」の描写力を実写作例で検証する。
伊達淳一カメラマンがさまざまなレンズを使い倒しレビューする『CAPA』の人気連載「レンズパラダイス」。本記事では2024年5月号の「レンズパラダイス」に掲載しきれなかったアザーショットとインプレッションを紹介します。
- SIGMA 70-200mm F2.8 DG DN OS | Sports 実写チェック
- SIGMA 500mm F5.6 DG DN OS | Sports 実写チェック
SIGMA 70-200mm F2.8 DG DN OS | Sports
[マウント] Lマウント、ソニーEマウント [最大径×長さ] Lマウント φ90.6×205.0mm、Eマウント φ90.6×207.0mm [重さ] Lマウント 1345g、Eマウント 1335g [レンズ構成] 15群20枚 [最短撮影距離] ワイド端 65cm、テレ端 100cm [最大撮影倍率] 約0.19倍 [絞り羽根枚数] 11枚 [フィルター径] φ77mm
参考価格 241,950円 (税込)
「α7R V」の描写力を引き出せる高い解像性能
絞り開放テレ端でも解像とコントラストが非常に高く、6100万画素の「ソニー α7R V」の細部描写力を最大限に引き出せる。ピントを合わせたチューリップの花びらをピクセル等倍でチェックしても緩さはまったくなく、前後のボケもさほど騒がしくなく自然だ。
飛んでいるクマタカを鮮明に捉えられた
多摩動物公園のクマタカを高速シャッターで撮影。1/5000秒のシャッタースピードでも羽根はわずかにぶれてしまっているが、目やくちばしはこの距離でも驚くほど鮮明。もう少し望遠で撮りたかったが、この解像ならトリミングすることも十分可能だ。
口径食はあるもののボケ味は柔らか
帰宅途中にミモザを撮影。すでに薄暮の時間帯で光量的に厳しいと思ったが、開放F2.8と明るいので意外と余裕で撮れる。口径食は多少あるが、背景がグルグルと渦を巻いて見えるほどではなく、後ボケは柔らかだ。
色付きがよく抑えられているぶん二線ボケが出るケースが
色収差はよく抑えられていて、ピント面だけでなくボケ領域まで色浮きや色ズレはなく、クリアな描写だ。ただ、ボケ領域まで収差が少なくコントラストが高いままなので、枯れ枝や葉の反射などレンズのような効果のあるものは、微ボケが二線ボケになりやすい。
檻が大きくぼけてサーバルの顔を鮮明に描写
多摩動物公園のサーバル。檻を大きくぼかして目立たなくするには、できるだけ檻に近い位置からテレ側の絞り開放で撮影するのがポイント。檻の影響が出て芝が二線ボケっぽくなっているものの、サーバルはシャープに写っていて、瞳のキャッチライトが印象的だ。
後編では「SIGMA 500mm F5.6 DG DN OS | Sports」の描写力をチェックします。
本記事で紹介した以外の実写作例と詳しい解説は『CAPA』2024年5月号でご覧ください。
※参考価格は記事公開時点の量販店価格です。