タムロンから2026年3月26日に発売されたフルサイズ対応の大口径標準ズームレンズ「35-100mm F/2.8 Di III VXD」。定評ある「35-150mm F/2-2.8 Di III VXD」の性能を受け継ぎ、ユーザーからの小型軽量化を望む声に応えた製品として話題になっています。“ポケットサイズで楽しむ、カジュアルポートレート” というコンセプトですので、本当にポケットに入るのか!? も含めて、屋外と屋内で実写しました。

対応マウントは、ソニーEマウント、ニコンZマウント。希望小売価格はソニーEマウント用が173,800円、ニコンZマウント用が178,200円 (いずれも税込) となっています。今回は、ニコンZマウント用をお借りました。カメラは「ニコン Z8」、ピクチャーコントロール「リッチトーンポートレート」を使用しています。

ポートレート撮影を存分に楽しめる焦点距離
東京では桜が満開の時期を迎えた3月末。ソメイヨシノが見ごろということで、東京さくらトラム (都電荒川線) 面影橋駅付近で、神田川沿いの桜並木をロケ地に選びました。モデルは、「CP+2026」でペリカンブースに出演し、CAPAブースにも遊びに来てくれた生井美和 (なまい みわ) さんです。

神田川に沿って、面影橋を中心に高戸橋から中之橋あたりまでを散策しながら撮影しました。人物の背景に桜をどの程度入れるか? どこまで寄れば印象的なポートレートになるか? 路面電車と一緒に撮るには? などいろいろ考えましたが、単焦点レンズでもよく使用する35mm・50mm・85mmの焦点距離をF2.8の明るさで1本でカバーしてくれるので、構図に集中できてストレスなく撮影を楽しむことができました。
「35-150mm F/2-2.8 Di III VXD」のように150mmまでとはいきませんが、100mmまでズームでき、被写体の魅力を引き出すことができます。あくまで筆者の個人的な印象ですが、「動きのある35mm」「親しみのある50mm」「空気を切り取る85mm」「空気を閉じ込める100mm」といったイメージでしょうか。
■焦点距離35mm

■焦点距離50mm

■焦点距離85mm

■焦点距離100mm

F2.8が生み出すボケはとてもやわらかく、ピント面は鮮明に描写し、被写体を立体的に描き出してくれます。

最短撮影距離はワイド端で0.22m (最大撮影倍率 1:3.3)、テレ端で0.65mm (最大撮影倍率 1:5.9) となっていて、近接撮影も楽しむことができます。「こんなところからも咲くんだ!」という、幹から直接咲き出した「胴咲き桜」に手を添えてもらって撮影しました。

ポケットに入るサイズと軽さ
使用したニコンZマウント用は長さ121.5mm、最大径80.6mmで、本当にポケットに入るか試してみました。ちゃんとジャケットのポケットに入りました (笑)。質量は575gととても軽く、撮影中ずっと持ち歩いていましたが軽快に撮影することができました。ちなみにソニーEマウント用は、長さ119.2mm、質量565gです。

ズームしても鏡筒の全長変化が少ないのもポイントです。実際に17mmほどしか伸びないので、ワイド端からテレ端までスムーズにズーミングが行えます。そして、このズームリングのトルク感が非常に心地よいので、ぜひ体感してほしいです。

東京モーターサイクルショー2026でも撮影してみた
貸し出し期間中に、東京ビッグサイトでは「第53回 東京モーターサイクルショー2026」が開催されました。3月27日~29日の3日間で約11万9千人が来場した、オートバイを中心とした国内最大級の二輪車展示会です。186のブースが出展し、544台の車両が展示され、昨年を上回る観客動員に二輪への熱が感じられるイベントでした。
展示車両を撮影してみましたが、さまざまなパーツを美しく組み上げたバイクのフォルムや金属の焼き込みの質感など、優れた描写力を発揮しています。


ワイド端が35mmの準広角ということで、コンパニオンさんを全身で撮ろうとすると、やや距離をとらないといけないので、混雑した状況での全身撮影には難しさも感じました。ただし、テレ端が100mmまであるので、遠目からのアップ撮影が可能です。また、ボイスコイルモーターが採用されたAF駆動のピント合わせも、速くて静かで快適でした。


屋内撮影で優位なF2.8という明るさとボケと描写性能は、イベントの状況写真としてだけでなく、撮り方次第でポートレート写真に活用できる楽しみがありました。
