
片手で持つことができて、気軽に高品質な動画が撮れる「ジンバルカメラ」。手軽な使いやすさで人気となり、街で見かけることも増えた。アクションカメラ同様に、従来はワイドな単焦点レンズが基本で、せいぜいデジタルズームで数倍寄れる程度だったものが、2026年、Insta360とDJIが競うように望遠までズームできる新製品をデビューさせてきた。先陣を切ったのが、Insta360初のジンバルカメラ「Insta360 Luna Ultra」。どんなカメラか見ていこう。
デュアルLeicaレンズの望遠12倍8Kジンバルカメラ
本体は片手で収まるコンパクトなサイズ。ただ、本体だけだとやや落ち着かず、下部にハンドルを接続することでちょうど握りやすくなる。

まず目につくのが、撮影時に2つのレンズが横に並ぶジンバル部。ユーモラスな表情のロボットなどを彷彿とさせてくれる楽しいデザインだ。

レンズはライカとの共同開発によるもので、ロスレスで6倍、最大12倍 (35mm判換算240mm相当) のズームが可能だ。メインレンズ (左) は20mm F1.8で1型8Kセンサーを搭載、望遠レンズ (右) は60mm F2で1/1.3型センサーと組み合わせてあり、1〜3倍までをメインレンズが、3~12倍までを望遠レンズが担っている。

デュアルLeicaレンズは3軸ジンバルに搭載され、強力な手ブレ補正により安定した動画を手軽に提供してくれる。さらに「Luna Ultra」は最大14ストップのダイナミックレンジを実現。白トビを抑え、コントラストの強いシーンで威力を発揮する。

2型有機ELのタッチスクリーン液晶の下に操作部がまとまっていて、右側にレンズのズームスライダー。左上に向きの微調整などに使うジョイスティック。左下にシャッターボタンが配置されている。

本体の前面にはウインドガードが装備され、風切り音を低減してくれる。また、本体には47GBの内蔵ストレージを搭載。SDカードスロットと併用できる。そして、1550mAhバッテリーにより最大4時間の撮影を実現。PD急速充電で、約23分で使用可能な状態に回復できる。

液晶モニターと操作部は着脱式になっていて、リモコンとして使用できる。最大20mほど離れることができ、離れても映像をライブビューでき、マイクとしても使用可能だ。

気が利いているのがバッテリーハンドル。底部にワイヤーの小さな三脚を内蔵していて、安定して自立でき、収納時はすっきり折り畳むことができる。いざという時や、アイデア次第でリモコン部と組み合わせて面白い使い方ができそうだ。


持ち運びに便利な保護カバーが標準で付いてくる。デリケートなジンバル部を囲むように収納でき、ワンタッチで素早く取り出しが可能。バッグなどに入れやすく、専用の広角レンズなどの収納も可能となっている。


動画作例で機能紹介
■8K撮影が可能
「Luna Ultra」は、メインセンサーが8K30p (7680×4320) に対応。簡単に8K動画が撮れる。ただし、ズーム倍率は最大6倍までに制限される。さらに、本体の温度が上がりやすいことや、記録データが大容量になるため、それなりのストレージが必要になることには注意したい。
■ライカならではのカラープロファイル
映像は非常に鮮やかでクリアなもの。さらに「Leicaビビッド」「Leica Chrome」といった、ライカならではのカラープロファイルとシネマティックフィルターを搭載しているので、こだわった印象的な色表現を楽しむことができる。
■AIトラッキング機能
信頼性の高いAIトラッキング機能「Deep Track 5.0」を搭載。たいていの被写体は自動でも十分追尾し、必要ならジョイスティックやタッチでの選択も可能だ。
■ズーム
ズームスライダーを上下に押し続けるとズームイン/アウトできるだけでなく、素早く2回押すことで焦点距離を2倍、3倍、6倍に切り替えできるなど、自由度が高い。
スマホ同様、複数のレンズでズーミングするため、1倍と3倍の画質を基準として、最大12倍はさすがに画質がやや低下するようだ。また、3倍のレンズ切り替え時にちょっと違和感を感じることがあったが、実用上はあまり気にならないはずだ。
■マクロ
望遠側の最短撮影距離が15cmと短いため、マクロ撮影にも強く、ボケも自然で美しい。クローズアップ以外に、ポートレートや遠くの被写体にも威力を発揮してくれそうだ。
■PureVideoモード
PureVideoモードにすると、高度なAIノイズ低減により、実際は決して明るくないこの場所でも明るくクリアな映像となった。PureVideoモードは最大4K60p撮影が可能。
ジンバルカメラの新しい可能性
正直、画角がワイドな従来のジンバルカメラだと、もう少し寄れるといいのにと思うシーンは多かった。「Luna Ultra」はこの問題を一気に解決して、新しい可能性を示してくれた。
今回は試せなかったが、ほかにも、肌を美しく見せる自然で美しいポートレート動画が撮影可能。Dolby Visionや10-bit-Logなどでも撮影できるなど豊富な機能を持ち、日常を記録するだけでなく、クリエイティブな動画撮影で威力を発揮してくれるジンバルカメラを超えた動画カメラとなっている。

Insta360 Luna Ultra
標準版

参考価格 119,800円 (税込)
セット内容 本体、保護カバー、ウインドガード、1/4インチねじ付きハンドル、リストストラップ
クリエイターキット

参考価格 159,800円 (税込)
セット内容 本体、保護カバー、収納バッグ、ウインドガード、バッテリーハンドル、1/4インチねじ付きハンドル、MicPro送信機、広角レンズ、リストストラップ
主な仕様
カラー
コスミックブラック、ステラホワイト
最大解像度
静止画 37MP (7040×5288、6144×6144)、動画 8K (16:9) 7680×4320 @30/25/24fps
メインレンズ
センサーサイズ 1インチ、絞り F1.8、焦点距離 20mm (35mm判換算)、最短撮影距離 9cm
望遠レンズ
センサーサイズ 1/1.3インチ、絞り F2.0、焦点距離 60mm (35mm判換算)、最短撮影距離 15cm
ズーム倍率
1~12倍 (360°パノラマは1倍のみ、2億画素風景パノラマは3倍のみ)
ISO感度
ISO100〜6400
シャッター速度
静止画 1/8000~30秒、動画 1/8000~1/24秒
制御可能範囲
パン −57°~235°、ティルト −57°~120°、ロール −50°~50°
可動域
パン −63°~240°、ティルト −98°~180°、ロール −63°~220°
記録媒体
内蔵ストレージ (47GB)、microSDメモリーカード (最大2TB)
外寸
52.4×169.9×38.5mm
重量
コスミックブラック 233g、ステラホワイト 235g
〈文・写真〉稲葉利二