
2026年7月31日に、約9年ぶりの新モデルとなるソニーのレンズ一体型デジタルカメラ「RX10 V」が発売されました。有効約2010万画素の1.0型Exmor RS CMOSイメージセンサーと、35mm判換算で24mmから600mmまでカバーする光学25倍ズームレンズ「ZEISS Vario-Sonnar T* F2.4-4.0」を搭載したRX10シリーズ第5世代モデルは、新たに画像処理エンジン「BIONZ XR」を積んだことでどのように生まれ変わったのか? さまざまな被写体で体験してみました。

リアルタイムトラッキングでアオバトを捉えた

従来モデルを引き継いだテレ端600mm (35mm判換算) でF4.0という明るさに加えて、「RX10 V」は、AF/AE追随で最大30コマ/秒のブラックアウトフリー連写が可能になりました。リアルタイム認識AFは「人物」「動物/鳥」「動物」「鳥」「昆虫」「車/列車」「飛行機」を選択できるようになり、最大約60回/秒のAF/AE演算処理により、動きの速い被写体を捉え続けるリアルタイムトラッキングも搭載しています。

ということで、かなり野鳥撮影に適した進化をしたのではと思い、まずは神奈川県の大磯でアオバトを狙ってみることにしました。
アオバトは全身がきれいなオリーブグリーンで、オスは翼の羽毛が一部ブドウのような色をしています。神奈川県大磯町にある照ヶ崎海岸の岩場には、ミネラルを含んだ海水を飲むアオバトが集団で飛来します。7~8月の時期がピークで、野鳥カメラマンに人気の撮影スポットです。

筆者は朝6時ごろに撮影ポイントへ到着したのですが、すでに20人以上がカメラを構えていました。待っていると50〜60羽ほどでしょうか。群れでやってきて海辺上空を飛び回ったり、浜辺から少し沖にある岩場に降りて水を飲んだり。飛び去ってはまたやってきてを、少し時間をおきながら何度も繰り返してくれます。アオバトが群れをなして飛んでくると、カメラマンたちが一斉に望遠レンズを向けて撮り始めます。

飛び回っている間も被写体認識がしっかりと捉え、AFが追従を続けてくれるので、波打ち際の集団飛行もばっちり撮れました。



大きな波から飛んで逃げる瞬間も、最大30コマ/秒の高速連写で撮ることができます。



ズーミングは、シャッターボタンまわりの「W/T (ズーム) レバー」を動かすか、後レンズリングを回して行います。レンズがニュ~ッと伸び縮みする動きは、レンズ交換式のカメラに慣れているとかなり戸惑いがありました。リングを回した分だけ、すぐにその焦点距離に達する感覚とは違いますね。スムーズにズーミングができるので、動画撮影には便利だと思います。

光学ズームは25倍までですが、ズーム機能として「全画素超解像ズーム」と「デジタルズーム」も搭載しています。ズーム倍率は記録する画像サイズによって変わり、静止画では「全画素超解像ズーム」だと20Mサイズ 約50倍、10Mサイズ 約70倍、5.0Mサイズ 約100倍、VGAサイズ 約380倍。「デジタルズーム」だと20Mサイズ 約100倍、10Mサイズ 約140倍、5.0Mサイズ 約200倍、VGAサイズ 約380倍で撮影することができます。ただし、「全画素超解像ズーム」と「デジタルズーム」ではAF追従はできません。
■全画素超解像ズーム
画像劣化を抑えたデジタルズーム「全画素超解像ズーム」で撮影。20Mサイズで撮影していたので、約50倍でここまで寄れます。Exifデータでは、600mm以上は表示されません。

■デジタルズーム
「デジタルズーム」にしてみました。同じく20Mサイズなので、約100倍です。モニターにも「600mm×4」と表示されています。


さすがにややデジタルズーム感が出るでしょうか。同じくExifデータでは、600mm以上は表示されません。

ズームを生かして背景をぼかしたポートレートも
サーキットでレースアンバサダーも務める菅田れもんさんに協力いただいて、ポートレート撮影も行ってみました。橋の上でヌケのあるシーンを狙ってみると、背景がしっかりボケて、望遠レンズならではの被写体を際立たせた写真を撮ることができました。
■テレ端600mm (35mm判換算) で背景をぼかして撮影

この日は曇り。撮影場所が首都高の高架下を流れる川なので、川に架かる橋の上も少し薄暗い場所でしたが、「ZEISS Vario-Sonnar T* F2.4-4.0」は開放F値がワイド端F2.4、テレ端F4.0と明るく、ISO感度を上げる必要はありません。また、24mmの広角域から600mmまでの望遠域 (いずれも35mm判換算) も自由自在なので、とても雰囲気のある写真を撮ることができました。
■ワイド端24mm (35mm判換算) で背景を生かして撮影

「人物」を認識し、瞳AFもしっかりと効いています。



日本初の市街地ナイトレースを実写!
2026年7月25日~26日、東京ビッグサイト周辺の特設コースで、電動フォーミュラカーレース「FIAフォーミュラE世界選手権」第14・15戦 東京大会「2026 TDK TOKYO E-Prix」が開催されました。こちらの取材にも「RX10 V」を持ち込みました。

モータースポーツではどのくらい撮れるのか、「リアルタイム認識AF」の被写体は「車/列車」を選択して、マシンを追従してみます。マシンが遠い位置にあるとグリーンの四角い枠でマシン全体を捉え、近づいてくるとドライバーのヘルメット部分を認識して捉えます。昼間の練習走行時と夜間の予選の両方で試したのが、下の写真です。
■昼間の撮影

■夜間の撮影

どちらもしっかり認識してくれたので、広い構図にするのかグッと寄るのか、流すのか止めるのか、状況を見ながらトライしてみました。

ソニー RX10 V シャッター速度優先オート 1/160秒 F5.6 ISO100 WB : オート 277mm (35mm判換算)

ソニー RX10 V シャッター速度優先オート 1/160秒 F5 ISO1000 WB : オート 600mm (35mm判換算)

ソニー RX10 V シャッター速度優先オート 1/200秒 F4.5 ISO100 WB : オート 600mm (35mm判換算)
このレースは、CAPA「流し撮りGP」審査委員長・小林稔さん視点のレポートを後日公開予定です。そちらもお楽しみに。
1台でいろいろな表現が楽しめる
発売前に約2週間ほどお借りできたので、たくさん撮影させていただきましたが、この1台でいろいろな表現が楽しめるカメラだなと思いました。24~600mmという広い焦点域をカバーしているだけでなく、最新の画像処理エンジンを搭載したことで、動きモノなどの一瞬を逃さず撮ることもできました。
お子さんの運動会などでも、超望遠レンズの威圧感なく (笑) 普通のファミリーに交じってしっかりと素敵な写真が残せるのではないでしょうか。構えたらもっと撮りたくなる、そんなカメラだと思います。


細身のスマホのようなイメージで、軽くて取り回しも楽。microSDメモリーカードを挿すことができます。ただし、録画映像は本機の内部ストレージに保存されます。microSDメモリーカードへの直接保存はできないので注意が必要です。
