機材レポート

OM SYSTEM PEN 実写レビュー「このカメラだからこそ撮れる写真がある」5年ぶりに登場したPENの実力をスナップでチェック

ミラーレスカメラ「OM SYSTEM PEN」が、2026年10月30日に発売される。PENシリーズとしては5年ぶり、そしてOM SYSTEMブランドを冠した初のPENだ。その撮り心地を千田智康さんがレビューする。

OM SYSTEM PEN 実写レビュー
OM SYSTEM PEN 14-42mm F3.5-5.6 III レンズキット (シルバー)

お散歩撮影にぴったりのコンパクトサイズ

2026年の8月下旬から9月にかけては、首都圏において記録的な長雨と日照不足が続く、例年にない気象となった。そんな中、9月9日にOMデジタルソリューションズが発表した注目のマイクロフォーサーズミラーレスカメラ「OM SYSTEM PEN」。小型・軽量でありながら電子ビューファインダー (EVF) を搭載し、PENシリーズとして初めて防塵・防滴性能に対応したスナップシューターだ。また、近接撮影能力に優れ防塵・防滴に対応したズームレンズ「M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 III」も同時に発表された。

OM SYSTEM PEN 実写レビュー
画像提供 : OMデジタルソリューションズ

 

さらっと「小型・軽量」と伝えたが、カメラの質量はなんと約393g※。そして35mm判換算で28mmから84mm相当までをカバーする「M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 III」は125g。防塵・防滴で小型・軽量なカメラとレンズの組み合わせならば、天気を気にせずお出かけできる。ということで、同じく防塵・防滴設計の「M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8 II」も携帯して、悪天候続きの試用期間中に、お散歩撮影を楽しんでみた。

※CIPA準拠、付属充電池およびメモリーカードを含む。

カラープロファイルコントロールで印象的な色に

OM SYSTEM PEN 実写レビュー
OM SYSTEM PEN M. ZUIKO DIGITAL14-42mm F3.5-5.6 III 絞り優先オート F4 1/60 秒 ISO250 AWB 19mm (35mm判換算 38mm相当)

カラーフィルターを装着しているわけでもなく、RAW現像で画面全体をグリーンにしているわけでもない。カラープロファイルコントロール COLOR2「Film Vivid」で作り上げられた色彩だ。ガラス窓に周辺のビル群や木々が反射し、奥にはエスカレーターが透けて見えるシチュエーション。鮮やかなグリーンだからこそ、ワンポイントのオレンジが映える。そんなワンシーンだ。

COLOR2「Film Vivid」で色を際立たせる

OM SYSTEM PEN 実写レビュー
OM SYSTEM PEN M. ZUIKO DIGITAL14-42mm F3.5-5.6 III 絞り優先オート F5.6 1/100 秒 ISO200 AWB 42mm (35mm判換算 84mm相当)

彩度が高く、濃厚な発色のフィルム風効果が得られるカラープロファイルコントロール COLOR2「Film Vivid」を選択。高コントラストな設定をそのままに、ショーウィンドウに並ぶカラフルなワンピースにガラスの反射を入れ、街並みの雰囲気を加えて撮影した。これほどCOLOR2がピッタリの被写体はほかにあるだろうか。そんな高揚感を味わえるのも、カラープロファイルコントロールの良さだ。

カラープロファイルコントロールをカスタマイズして自分色に

OM SYSTEM PEN 実写レビュー
OM SYSTEM PEN M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 III 絞り優先オート F5.6  1/60秒 ISO500 AWB 34mm (35mm判換算 68mm相当)

雨が降り、歩道橋に水たまりができていた。バリアングル液晶を活用し、街風景を撮るカップルがフレームインした瞬間をシンメトリー構図で切り取った。4種類あるカラープロファイルコントロールは、それぞれにカスタマイズした設定を保存できる。これは彩度とトーンカーブを調整したCOLOR1「Film Rich Color」を使用し、雨の日らしい中間調の柔らかな色彩で写しとった写真だ。自分色を見つけて楽しめるのも、カラープロファイルコントロールの良さである。

雨の日でも安心してアクティブに撮れる

OM SYSTEM PEN 実写レビュー
OM SYSTEM PEN M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8 II 絞り優先オート F1.8 1/250秒 ISO200 AWB 17mm (35mm判換算 34mm相当) モデル : momonin

タイルが敷き詰められた円の中心に、傘をさしてしゃがんだモデル。カメラを持ち上げてバリアングル液晶を下に向け、モデルの表情を確認しながらタッチAFを使ってシャッターを切った。防滴性能に優れた組み合わせだから、雨に濡れても気にならない。傘の柄を首ではさみ、両手を使って撮影した1枚だ。雨のポートレート撮影が楽しくなる。

このカメラだからこそ撮れるポートレートがある

OM SYSTEM PEN 実写レビュー
OM SYSTEM PEN M. ZUIKO DIGITAL17mm F1.8II 絞り優先オート F1.8 1/100秒 ISO200 AWB 17mm (35mm判換算 34mm相当) モデル : 丹子

かわいくて威圧感を与えないカメラだからこそ、リラックスして自由に動き回るモデル。そんなモデルを、AI被写体認識AFでしっかり認識・追尾。バリアングル液晶画面を上に向け、ジャンプしたモデルがいい表情をした瞬間を約8コマ/秒連写※で撮影した。

※静音連写時。

目に止まった被写体をイメージ的に写せる近接性能

OM SYSTEM PEN 実写レビュー
OM SYSTEM PEN M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 III 絞り優先オート F3.5 1/500秒 ISO200 AWB 14mm (35mm判換算 28mm相当)
OM SYSTEM PEN 実写レビュー
OM SYSTEM PEN M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 III 絞り優先オート F3.5 1/1000 秒 ISO200 AWB 14mm (35mm判換算 28mm相当)

レンズキットのキットレンズにもなっている「M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 III」は小型軽量でありながら、優れた描写性能と最短撮影距離13cm (ワイド端) の近接性能を両立。ハーフマクロを超える最大撮影倍率0.53倍相当 (35mm判換算) で、レンズの先端から約4cmまで被写体に寄れる。

画面いっぱいにグリーンが広がるカットは、最短撮影距離の13cmまで寄って撮ったチリトリの先端である。まるで顕微鏡のように切り取れて、写真の楽しさの幅を広げてくれる。

光の変化を逃さずスナップ

OM SYSTEM PEN 実写レビュー
OM SYSTEM PEN M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 III 絞り優先オート F5.6 1/1600秒 ISO200 42mm (35mm判換算 84mm相当)

「OM SYSTEM PEN」と「M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 III」を試用した期間の、ほんのわずかな日照タイミング。そんな一瞬を逃すまいと観察していたら、ビルのガラスに雲間から微かな日差しを見つけた。「M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 III」を42mm (35mm判換算 84mm相当) までズームし、ビルの間を飛行機が通過する瞬間にシャッターを切った。中望遠域だからこそダイナミックに切り取ることができた。

多様なモノクロ表現が存分に楽しめる

OM SYSTEM PEN 実写レビュー
OM SYSTEM PEN M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 III 絞り優先オート F8 1/60秒 ISO3200 14mm (35mm判換算 28mm相当)

白の床に、不規則に散りばめられた黒のパネルという色数が少ないシチュエーション。弧線の中へ視線を誘導するため、粒状効果と高コントラストが特徴的なモノクロプロファイルコントロール MONO1「Film B&W」を選択。 少女がフレームインした瞬間を切り取った。

軽快に撮影できるコンパクトで高性能なミラーレスカメラ

今回使ってみた「OM SYSTEM PEN」と「M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 III」の組み合わせは、実に約518g。奥行きも10cm程度なので、サコッシュや大きめのポケットに入れて携帯し、サッと取り出して撮影できる機動力がある。

また、手動でズーム操作ができるので、ここぞというシーンにも瞬時に対応可能。「OM SYSTEM PEN」の購入を検討している方にはレンズキットをおすすめしたい。もちろん、軽快なお散歩フォトを楽しみたいと思っている方にも、自信を持っておすすめしたいカメラとレンズだ。

OM SYSTEM PEN 実写レビュー
OM SYSTEM PEN 14-42mm F3.5-5.6 III レンズキット (シルバー)

 

※「OM SYSTEM PEN」の詳細な性能については、『CAPA』2026年11月号の実写レビューをご覧ください。