機材レポート

持ってヨシ、操作してヨシ、撮ってヨシ!心が燃える標準ズームに出会った!!

多くの人が、交換レンズの“最初の1本”に選ぶ標準ズーム。でも、ボク自身としては、深い思い入れはない。なんちゅーか、いまいち「燃えないレンズ」なのよね(笑)。使用頻度の高い重要なレンズなのは認める。でも、作画効果がちょっと中途半端なんだよなぁ。画角は広角側も望遠側も不十分だし、ボケ効果もあまり期待できないし…。

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フィルター径が72mmなので、ちょっと前枠が目立つけど、その他はとてもバランスが良い『シグマ17〜70ミリF2.8-4.5DCマクロ』。純正の18〜70ミリと比べると、開放値が広角側も望遠側も約半段ほど明るい。

そんな風に、醒めたスタンスで評価してきた「標準ズーム」だけど、久しぶりに出会いましたヨ! 持って&操作して&撮って「燃える」標準ズームに!! それが『シグマ17〜70ミリF2.8-4.5DCマクロ』。このズームの燃え要素は、ずばり「寄れる」ということ。一般の標準ズームの最短距離は50cm前後だけど、このズームの最短撮影距離は20cm。この数値は、標準ズームとしてはずば抜けて短い。

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【写真左】最短撮影距離はズーム全域で20cmだが、ズームポジションによって、ワーキングディスタンス(レンズ前面からの距離)は変わってくる。鏡胴がぐ〜んと伸びる望遠端だと、このワンコの鼻っ面のような、レンズに触れそうな位置までピントが合っちゃうのだ。
【写真右】大口径タイプではないが、ズームやフォーカスのリングなど、各部の作りや操作性はとても良好。そして、純正の18〜70ミリとは違って、フォーカスリングが前側にあるのがウレシイ!

現在のコンパクトデジカメでは、ズーム広角側で5cm以下まで寄れる製品が珍しくない。その極端に近い間合いは、時として肉眼を超える写真を生み出してくれる。そう、単なる撮影倍率の問題じゃない。同じ倍率でも、望遠マクロでアップにするのとは臨場感が違うんだよね。

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雨に濡れて地面に散らばったキンモクセイの花。その様子を、カメラを地面まで下げ、ジーンズやシャツを泥だらけにしながら、最短撮影距離付近で狙う。こういう臨場感、フツーの標準ズームでは、なかなか出せないからね〜。

コンパクトデジカメの最短撮影距離は「レンズ前面からの距離」を表すことが多いけど、一眼レフの交換レンズでは「フィルム&センサー面からの距離」を表す。その距離が20cmということは、レンズ先端からの距離はわずか数cm! 実際に操作してみても、まあ寄れるわ、寄れる。その寄りっぷりにはホント感心しちゃう。画面内にレンズ自身の影が写り込むくらいだもんね。

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【写真左】買ったばかりのシグマ17〜70ミリF2.8-4.5DCマクロをニコンD200に装着して、週末のプチ旅に出かけた。今回は「真岡鐵道の旅」。その始発駅の下館で、ユニークなカラーリングの列車を撮影。
【写真右】乗客数もそう多くなく、とても長閑な雰囲気の列車内の様子。左側から差し込む斜光線や、車窓に広がる農村風景が、とってもイイ感じだった。

実は、このシグマ17〜70ミリF2.8-4.5DCマクロは、純正のAF-S DX ズームニッコールED18〜70ミリF3.5-4.5Gを売却して購入したもの。その事を知人に話すと「えー、なんで?」ってよく言われマス(笑)。まあ、純正の18〜70ミリの方は、操作性に優れた超音波モーター仕様だし、フォルムや重量のバランスも絶妙なんだけどね(フィルター径も小さいし)。でも、ボクにとっては、コンパクトデジカメ並に寄れるシグマの方が、より魅力的に感じられた。そ・れ・に! あまり大きな声じゃ言えないけど、ニコンの18〜70ミリよりシグマの17〜70ミリの方が、ずっとシャープな描写だったんだよねー。ま、あくまでも個人的な感想ですけど。