機材レポート

久々の奈良はK10Dで軽快に!【ペンタックスK10Dレポート・前編】

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近鉄の飛鳥駅から、欽明天皇陵を目指して歩く。その途中、イイ感じの瓦屋根の小屋があったので、それをバックにK10Dを撮る。ん〜、黄昏色もイイ感じ。

 突如、話題の新製品『ペンタックスK10D』の実写レポートの話がきた。ムフフフ、これはチャ〜ンス(←何か企んだ低い声)。取材と称して、久しぶりに奈良へ行ってみよう! ワクワク度の高いK10Dでバリバリ撮るぞーっ!! あ、「バリバリ」はウソかも(笑)。奈良は二十数年も通っている大好きな場所だけど「あまり気合を入れずに、身軽に散策したいナ」という気持ちの方が強い。だから三脚はナシ! レンズも軽量タイプを中心に数を絞る! バックアップ用のノートPCもナシ!! オヤツは300円まで!? でも、毎度悩むんだよなぁ。「三脚はナシでイイのか、本当に?」って。特に、晩秋から冬の季節って、日が沈むのが早いから、三脚が欲しくなるケースが多くなる。でも、三脚を担ぐと一気に“身軽感”がなくなるからなぁ〜。はいっ、もう悩むのはヤメ! だってK10Dは「手ぶれ補正機構SR」を搭載してるんですもの! そういう踏ん切りがつくんだよね、ボディ内手ブレ補正内蔵機ってさ。

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【写真左】明日香の遊歩道を歩いていると、こういった無人販売のミカンを見かけたりする。ボクもよく買って、食べながら撮影します。う〜ん、のどかだなぁ〜。
【写真右】稲刈り後の田んぼに、豆の束が干してある。あ、農家のおっちゃんも歩いてくるヨ。彼方には、低い山並が連なる。そんな素朴な農村風景が、夕方の光で“黄昏色”に染まる…。まさにコレですよ! ボクが明日香に求める風景はっ!!

 1日目は、明日香村を訪れた。ココは奈良の中でも、特に大好きな地である。出発が遅かったせいで(東京駅を11時台に出発した)飛鳥駅に到着したのは午後4時前。すでに“夕暮れ時”ですがな…。ま、記録メディアが不足気味だから、このくらいのスタートでちょうどイイかも(苦笑)。

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【写真左】記録メディアが心配…。CFカードなら30GB近く持ってるけど、SDカードは約6GBしか持ってない。1020万画素のK10Dで「RAW+JPEG★★★」で撮るには足りないよなぁ。で、出発前日に4GBのSDHCカードを1枚購入しましたヨ。
【写真右】欽明天皇陵に燃えるような紅葉があった…が、それが主役ではない。ここでは、手前にあった柿の枝と葉を主役に選んだ。DA50〜200ミリを200ミリに設定。シャッター速度は1/100と、けっこう微妙な値だが、手ぶれ補正機構SRのおかげで、シャープに写し止められた。

 前述のとおり、画質モードは「RAW+JPEG★★★」に設定する。従来機はRAWとJPEGは別々だったけど、ようやく同時記録が採用された。さてと、画質仕上は「ナチュラル」にしようか? それとも「鮮やか」にするか? 現在、ボクは*istDSを持っているが、この機種の画像仕上げは少し極端。「ナチュラル」だと地味でシャープ感のない画像になり、「鮮やか」だと少し不自然な描写になる。一見するとシャープだが、輪郭線が太くて細部の描写が大雑把なのである。ところが、K10Dをテストしてみたら、両モードともかなり良くなっている。つまり、どちらを選んでも、従来機ほど極端な描写にならない。ボクは鮮やかでパキッとした描写が好きなので「鮮やか」を選択しよう。

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【写真左】樹脂製ボディながら、質感や剛性はなかなか高い。従来機よりもダイナミックなデザインで、配置される各ボタン類からも“高機能なマシン”という雰囲気が漂う。
【写真右】これも欽明天皇陵の近く。西の方を見ると、雑木林の隙間に太陽が沈んでいた。その光をポイントに、シンプルかつシブい夕景に仕上げる。こういった“空メイン”の絵柄は、センサーに付着したゴミやホコリが特に目立つ。それだけに、ホコリ除去機構DR(ダストリムーバル)の搭載は心強い。

 …あ、いつの間にか、すっかり日が暮れちゃった。観光色が強いけど、基本的に明日香村は“静かな農村”。だから、日が暮れたら田んぼの中の遊歩道なんて真っ暗! そこで、行き交う車のライトを求めて、幹線道路の歩道を歩く。う〜、けっこう冷え込むなぁ。故郷の晩秋を思い出させる“冷たい夜風”を肌や鼻孔で感じながら、1.5kmくらい先のバス停を目指してトボトボと歩く…。ボク以外は誰も歩いてない。温かい缶コーヒーを飲みたいけど、なかなか自販機がないナ。あ、あった!(歓喜) …うううっ、なんで「アイスのみ」かな〜(泣)

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明日香の集落にて。民家の明かりも乏しい薄暗い通りで、雑貨屋から漏れる明かりが、とても印象的だった。ISO400に設定したが、シャッターは0.6秒(1/2秒より長い)。普通なら撮影をあきらめるケースだが、手ぶれ補正機構SRのおかげで「手持ちで撮れる!」という気にさせられる。

 えーい、もう無茶でも何でもイイから、手持ちで夜景撮影にチャレンジング!! わははは、ISO800まで上げても、シャッターは1秒とか2秒とかだよ。あ、この場面なんか6秒だ。わははははー!(もう笑うしかない)でも、こんな無茶な手持ち撮影でも、何枚かはブレが目立たないカットが撮れたからスゴイ! 撮影がノってきたら、なんだか寒さも気にならなくなってきたヨ!?