機材レポート

E-510と比較しながら画質傾向をチェック!『オリンパスE-3』実写レポート③

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雲ひとつない「文句ナシの晴天」。基本的な画質チェックをするには最適な条件ですナァ~!

 いろんな新機能を搭載し、プロフェッショナル基準の仕様…。と、この『オリンパスE-3』は見所満載のカメラである。それは多くの人が認めるところだろう。でも、「実際の写りはどーなんよ?」という素直な疑問も忘れちゃイケナイ。ということで、所有するE-510と同条件での比較も織り交ぜながら、E-3の画質傾向を“ボクなりに”チェックしてみたいと思いマス!

☆ AWBの傾向 ☆

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E-3のAWB(オートホワイトバランス)は、光源センサーと撮像センサーが、自動的に白い色を判断して、全体の色のバランスを調整する…とのこと。もちろん、すべての条件で「最適な色」とはいかないだろうが、室内や日陰とかで撮影しても、なかなかイイ感じの安定したホワイトバランスだと思った。意外かもしれないが、一般的に言って、晴天の順光風景って、けっこう“AWBのクセ”が出るんだよね。このE-3でも、AWBと晴天の写りを比較すると、路面部分(日向と日陰の両方)がマゼンタっぽくなってるのがわかる。そして、木立の葉も少し赤っぽく(黄色っぽく)なっている。でも、このくらい適度な赤みがある方が、肉眼の感覚に近いんだけど…。まあ、主に風景写真を撮る人なら「晴天」を基本にした方が間違いはないとは思うけど。

☆ 階調再現 ☆

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E-510と比較しながら、E-3の階調再現の特性をチェックしてみた。チェックの際のポイントは「ハイライト側の階調がとのくらい粘るか?」ということ。…というのも、E-510を使っていると「ちょっとハイライトが白飛びする傾向があるなぁ」と感じるんだよね。使用レンズは「ZUIKO DIGITAL ED 12-60ミリF2.8-4.0 SWD」で、仕上がりは「NATURE」に設定。ISOは100で、ホワイトバランスは晴天。以上の設定に揃えて、プラス1の露出補正をして、洋館風の建物のハイライト部の白飛び傾向や、日陰部分の階調再現などをチェック! カメラの違いでビミョーに色調は違うけど、空の深みや画面左下の階段などを見ると、露出レベル的には“ほぼ同じ”。でも、日陰部分の明るさ(暗さ)や階調を見ると、E-510の方がメリハリがついてるというか、暗くなっているのがわかる。

☆ 階調再現(ハイライト部) ☆

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はい、上と同じ画像から、白飛びを起こしている洋館の屋根部分を拡大してみましたヨ。でもって、画像閲覧ソフトの「ハイライト表示機能」を使って、白飛びを起こしてる(露出オーバーで階調が失われている)部分を赤く表示させてみた。こうやって見ると、前面部(楕円のプレートがある面)はそう差は見られないけど、側面部(左側)の白飛び部分に差が見られた。そう、E-510よりもE-3の方が白飛びしている面積が少なかったんだよね。

☆ 仕上がり設定 ☆

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「仕上がり」の設定によって、色鮮やかさが変わってくるワケだけど、このE-3の場合、標準的な「NATURE」と、鮮やかな「VIVID」との差は、思ったほど大きくなかった(まあ、E-510も同じような傾向だけど)。だから、どっちを選んでも「失敗だった!」というコトにはなりにくいだろう。でも、全体的に派手な絵作りをするカメラじゃないので、風景写真などでは「VIVID」を常用するとイイかも…。ただし、被写体の色がどぎつい高い場合には「NATURE」や「FLAT」に設定する必要はある。ちなみに、使用レンズは「ZUIKO DIGITAL ED 12-60ミリF2.8-4.0 SWD」で、ホワイトバランスは晴天。露出補正はナシ。

☆ 超高感度のノイズ特性 ☆

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日陰にある鉢植えの花を、最低感度のISO100から最高感度ISO3200まで感度を変えて撮影。同様の条件でE-510も撮影して(E-510の最高感度はISO1600)、超高感度時の画質をチェックしてみた。

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ピントを合わせた花のシベを中心に部分拡大。そして、ボケている背景部分などで、ノイズ特性などをチェック! まず、E-510とE-3に共通するISO1600だが、全体的にE-3の方がツブが細かくて滑らかに感じられる。まあ、見る部分によって、その感じ方は違ってくるけどネ。そして、E-3の最高感度ISO3200は、さすがにISO1600よりも粒状感が出てくるけど、ISO3200の画質としては、けっこう上質じゃないかと思う。E-510のISO1600の画質と比べても、そう大きな差は感じない。E-510の画像処理が“ツブをややボカしぎみ”なのに対して、E-3の画像処理は“ツブを自然に残した”仕上がりなので、E-3の方がシャープに見える。ちなみに、使用レンズは「ZUIKO DIGITAL ED 12-60ミリF2.8-4.0 SWD」で、仕上がりは「NATURE」に設定。絞り優先オートでF5.6に設定。露出補正はナシ。ホワイトバランスは曇天。