機材レポート

奈良が雨でも暗くても心配ノンノン!!【ペンタックスK10Dレポート・後編】

0201

K10Dは従来機種よりも大柄なので、小振りなリミテッドレンズとのバランスはイマイチかもしれない(ここではDA70ミリF2.4リミテッドを装着)。しかし、それは外観のバランスであって、操作上のバランスは悪くない。

 昨夜は、新大宮駅(近鉄奈良の隣)の駅前のホテルに宿泊した。でもって“奈良の旅”の2日目がスタート! 今日は奈良公園を散策してみようかナァ。近鉄奈良駅にほど近い興福寺あたりから若草山の麓まで…。その広大な敷地を総称して「奈良公園」と呼ぶのである。そこには、興福寺、奈良国立博物館、春日大社、東大寺大仏殿、二月堂、といった歴史的な見所が点在する。1日では回りきれないほど、奈良公園は奥深いんだよねー。

0202 0203

【写真左】あらためて、今回の機材を紹介しよう。K10Dボディ、DA16〜45ミリF4ED AL、DA70ミリF2.4リミテッド、DFAマクロ100ミリF2.8、DA50〜200ミリF4−5.6ED。以上デ〜ス!
【写真右】春日大社に続く参道の入口に、ドーンと鳥居が建っている。その柱の金具を、DA70ミリF2.4リミテッドでクローズアップ!

 撮影機材で少し不安な点がある。2日目の撮影を前にして、懸念していた“SDカードの不足”が、早くも現実となった。出発前日に購入した4GBのSDHCカードは、昨日の明日香村で早々に使い切った。結局、昨日の撮影では、10GB中の6GBを使用。残り約4GB…か。う〜ん、ちょっとツライなぁ。画質モードは変更したくないので、あとは不要なカットを消去するしかない。画像を再生してみて“明らかに失敗したカット”だけ消去していこう。ペンタックスK10Dの場合、RAW+JPEGで撮影したカットは「JPEG消去」「RAW消去」「RAW+JPEG消去」が選択できる。たとえば、撮影時の画質設定が良くなくて仕上がりが不満な場合は「JPEG消去」を選択。反対に、画質設定が決まってJPEG画像で満足な時は「RAW消去」を選択。この機能は便利〜っ!!

0204_1

南大門跡で、色づいたナンテンハゼ50〜200ミリ(200ミリ域)で切り取る。ここは少し高い場所にあるため、背後に瓦屋根を入れて撮影できた。ちなみに、シャッター速度は1/80秒。

 さあ、近鉄奈良駅から興福寺に移動し、撮影を開始しようか。まず目につくのが、独特な外観と朱塗りの色が印象的な『南円堂』。これは、望遠ズーム50〜200ミリを使って、手前にある橘(ミカン科の常緑樹)の葉や実と絡めて撮るとおもしろそう…。その前方横の南大門跡では、三条通沿いの赤く色づいたナンテンハゼを50〜200ミリや70ミリで切り取ったり、望遠マクロ100ミリで足元の松ぼっくりなどをクローズアップすると楽しいネ。

0205_1 0206

【写真左】K10Dのモードダイヤルには「Sv」というモードがある。これは「感度優先オート」で、絞りやシャッターと同じ感覚でISO感度を設定するモード。その設定ISOに合わせて、シャッターと絞りが自動調節される。
【写真右】観光客の姿もまばらな夕方、土産物の店先をうろつくシカを見つけた。こういう時間帯の撮影では、ISO感度オート「下限100・上限400」に設定することが多かった。

 春日大社に向かう途中、奈良県新公会堂の中のレストランで遅い昼食を取る。そして、外に出てみたら、いつの間にか雨だよ〜。こんな状況下でも、防塵・防滴仕様のK10Dなら安心して撮影できる…けど、ボクの方がイヤだよ(苦笑)。しかも、春日大社の周辺は樹木に囲まれた場所が多い。だから、光量不足が深刻化する。もちろん、手ぶれ補正機構SRは有効だが、それだけでは不十分。その場の明るさやレンズの焦点距離や開放F値などに応じて、ISO感度を変える必要があるのだなー。スナップ的に撮るなら、オートが便利だと思う。K10Dのオートは調節幅(下限と上限の感度)が自由に設定できるので、自分の撮影スタイルや表現意図に即した調節が期待できる。ボクの場合、晴れている時は画質を考慮して「下限100・上限200」に留める。だが、こういう状況では「下限100・上限400」や「下限100・上限800」に設定する。K10Dは高感度でも嫌らしいノイズが発生しにくい。だから、ISO800なども、積極的に利用したくなる。

0207_1 0208

【写真左】側面の端子カバーを開くと、その縁にシーリング材が見える。この部分をはじめ、防塵・防滴仕様のK10Dボディには、72カ所ものシーリングが施されている。
【写真右】近鉄奈良駅に戻る途中、ライトアップされた興福寺の五重塔を、70ミリで1枚だけ撮影する。そう、1枚撮ったところで“バッテリー切れ”になったのであ〜る(泣)。

 光量的にはキビシくても、曇りよりは雨が降った方が、写真の内容は良くなるネ。そう、平凡に思えたモノや風景が、艶っぽく見えてくるんだナァ〜。傘を差していても濡れるし、だんだん寒くなってくる。でも、雨が降ったことにより、撮影のリズムはどんどん良くなってきたゾ! …なのに、嗚呼無常! 手持ちのSDカードが、ついに底をついてしまった。不要カットを消しながら撮影を続けてきたけど、そろそろ限界みたい。しかも、けっこう長持ちする専用バッテリーも、ガンガン再生&削除したので、最終的には記録メディアより先にバッテリーの方が限界を迎えたようだ(苦笑)。今度訪れる時には、メディアもバッテリーも十二分に用意するゾ!! そう決意しながら、K10Dの購入も決意したボクであった。