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【CP+2018/サイトロンジャパン】超広角レンズがシフトレンズになるLAOWAのマジックシフトコンバーターを試してみた

株式会社サイトロンジャパン(東京都新宿区)は、ケンコーグループ傘下の天体望遠鏡などを販売する会社。今回のCP+2018でも、天体望遠鏡製品の展示にブースの約半分を割いていた。だが、やはりカメラ・写真ファンにとって気になるのは同社が輸入・販売を行う中国のLAOWA(老蛙=ラオワ)の交換レンズ。LAOWAと聞くとマクロレンズ(かつて “虫の眼レンズ” でネットでも大きな話題を集めた)をイメージする人が多いと思うが、今回注目したのは「12mm F2.8 Zero-D」の超広角レンズに使うソニーEマウント対応の「マジックシフトコンバーター(MSC)」だ。

 

「LAOWA 12mm F2.8 Zero-D」は、画角122°の超広角レンズだが、歪みを徹底して補正した光学設計ということをアピールしている。通常、このくらいの超広角レンズでは2~5%ほどの光学的な歪みが発生するが、このレンズは極めて歪みが少なく補正されているのが特徴。製品名「Zero-D」の「D」はDistortion=ディストーションの頭文字だ。風景撮影はもちろん、天体写真の撮影にも向くレンズだろう。

 

これは、「12mm F2.8 Zero-D」のキヤノンEFマウントに取り付けて使う「マジックシフトコンバーター(MSC)」という、とても面白いマウントアダプター。補正レンズが搭載されており、焦点距離12mmのキヤノンEFマウントをソニーEマウントのフルサイズ機で17mm F4のシフトレンズとして使うことができる。写真はソニーα7に装填してシフト上方向にしているところ。

 

イメージサークルを拡大することで、超広角レンズをケラレなくシフトレンズに変換できるマウントアダプターは、おそらくこの製品しかないだろう。レボルビング機能によって360°縦横どの方向でも回転できるのも面白い。マスターレンズとして「12mm F2.8 Zero-D」の光学設計に最適化されているため、MSCを装着しても「12mm F2.8 Zero-D」のディストーション補正力は維持される。価格はオープンで、量販店では40,000円前後となっている。

 

サイトロンジャパンのLAOWAブースでは、写真家セミナーに『CAPA』でおなじみの伊達淳一さんが登壇。LAOWAレンズを使い倒している伊達さんの解説は必聴だ!

 

〈写真・文〉水澤 敬