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【花撮影の基本①】写真の明るさをコントロールする露出補正

 

背景の明るさに合わせて露出補正をする

カメラは画面全体の明るさ(反射率)から露出を判断しているので、花の色だけで露出補正を行うと失敗してしまうこともある。主役が白い花でも背景を暗い色が占めていればマイナス補正が必要になる。画面内の明るい色と暗い色を足して割り、明るい色が多ければプラス補正、暗い色が多ければマイナス補正しよう。

 

背景が明るい、または、明るい背景が画面を占める場合はプラス補正

明るい木漏れ日を背景にして黒いクリスマスローズを撮影。画面内の白と黒を足して割ると白い面積が多いので、ここではプラス補正をかけるのが正解。補正なし(± 0)では暗いが、プラス 1.3 補正すると自然な明るさになった。

 

背景が暗い、または、暗い背景が画面を占める場合はマイナス補正

白いシャガが主役だが、日陰を背景にしているため暗い部分の面積が画面を占めている。案の定、補正なし(±0)ではオーバー気味に。マイナス 1 補正するとシャガが適正露出になった。

 

 

ハイキー調やローキー調に仕上げる

写真は明るさによってイメージが左右される。明るい調子の画像を「ハイキー」、暗い調子の画像を「ローキー」という。しかし、露出オーバーやアンダーの失敗写真と区別しなくてはならない。コントラストが低めの場所で撮ると、花が白とびしにくいのでハイキーが成立しやすい。反対に、コントラストのあるところで暗めに写すと、ただ沈むのではなくメリハリのあるローキーが作れる。

 

わびしい雰囲気にはローキーが似合う

全体は暗い調子だが、花弁はやや明るく、背景は暗くと、多少のコントラストがある状態。明るく写すこともできるが、ここでは日陰に咲くわびしさを引き出すため、マイナス 1 補正してローキー調に仕上げた。

300ミリ相当 絞り優先オート(F2.8 1/2000秒) -1補正 ISO400 WB:5000K

 

ハイキーに仕上げてふんわり花写真に

花びらが白とびしにくい。最も暗いガクの部分がグレーよりも明るくなるようプラス 2.7 補正した。さらに、ソフト系のフィルターを掛けて、よりふんわり感を演出している。

90ミリ相当 絞り優先オート(F1.8 1/1000秒) +2.7補正 ISO200 WB:曇天 フィルター機能:ファンタジックフォーカス

 

 

露出補正で明るさをコントロールすると、写真の印象は大きく変わります。花の種類や季節に合わせて、意図的に明暗を操作することができれば、自由自在に写真が楽しめそうですね。

 

 

 

写真・解説/吉住志穂

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