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【花撮影の基本⑥】花を撮る時のおすすめのホワイトバランス

春夏秋冬、いつでも被写体として私たちを楽しませてくれる「花」。撮影する際、「こんな風に撮りたい!」とイメージするかと思いますが、それを写真で再現するためには、カメラ操作における基本的な知識やテクニックが必要になってきます。基本的な撮影のコツを押さえておきましょう。

 

 

色合いを調整する機能がホワイトバランスです。晴天時の日中では色の影響はありませんが、日の出前や日の入り後、曇天時は青っぽく、朝や夕暮れは赤みがかります。これらの色を補正するのがホワイトバランスの役割です。自動で色を補正する「オート」のほかに、光源に合わせる設定や数値で調整することもできます。花写真では自然の色をそのまま出したいので、基本設定は「太陽光(晴天)」モードがおすすめです。初心者の人は「オート」でも構いません。ライブビューで見ながら設定すると、画面上でも色が変化するので仕上がりのイメージがつかみやすいです。

また、ホワイトバランスはRAWで撮影しておくと、現像時に設定を変更することができます。極力現像の手間を省きたいのであれば、容量は食いますが、画質設定をRAW+JPEGにしておくのもいいでしょう。

 

 

3つの使い方を覚えよう

白色をどんな光源下でも白く写すのがホワイトバランス本来の役割だが、違った使い方もできる。ここでは、ホワイトバランスで「色を補正する」「そのままの色を出す」「色を強調する」という3つの使い方を紹介する。

 

①色かぶりを補正する
WB「オート」、もしくは光源に合わせたホワイトバランスを選ぶことで、色を補正することができる。曇天時はやや青みがかるので、WB「晴天」で写すとサクラの色が寒々しく見える。WB「曇天」を選ぶと自然な色彩になった。

 

②そのままの色を出す

WB「オート」は便利だが、被写体本来の色を補正してしまうこともある。この写真でも、明け方特有の青みが補正されてしまった。WB「晴天」を選ぶと、日中の白い光を基準としているので、明け方の青みがそのまま写し出された。

 

③色を強調する

色を加えることでイメージを強調することもできる。ハナショウブは梅雨の花なので、青みを加えることで季節感が引き出せる。青みを加えるならWB「電球」に、赤みなら WB「曇天」や「日陰」に設定しよう。ここでは色温度設定で 4200Kにしてほんのり青みを加えた。

 

 

自然な色合いにしたい場合は、ホワイトバランス「太陽光」の設定が、一番のおすすめです。また、意図的にホワイトバランスを設定することで、カラーフィルターのように使うこともでき、撮影の楽しさも増えることでしょう。

 

 

写真・解説/吉住志穂