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【花撮影の基本⑧】イメージに合った光の差す撮影ポジションを選ぶコツ

春夏秋冬、いつでも被写体として私たちを楽しませてくれる「花」。撮影する際、「こんな風に撮りたい!」とイメージするかと思いますが、それを写真で再現するためには、カメラ操作における基本的な知識やテクニックが必要になってきます。基本的な撮影のコツを押さえておきましょう。

 

 

ここまでいろいろなカメラの機能について解説してきましたが、それと同じくらい大切なのが光の選択です。撮りたい花を見つける前に、どんな光で撮るかを考えましょう。逆光で撮りたいとなれば、太陽に対面するように花畑の前に立ち、それから主役の花を選びます。

どんな光で撮るかによって花の印象は大きく変わります。順光や逆光、晴れの日、曇りの日、明け方、夕暮れなど、一口に光といっても差してくる方向や強さ、色合いさえもまちまちです。晴れている日はたっぷりとした日差しがあって好条件といえますが、しっとりと見せるには薄曇りの光のほうがよく合いますし、夕暮れの光もドラマチックです。撮影する前に、今どのような光が花に当たっているのかをよく観察し、イメージに合った光が差す撮影ポジションを選びましょう。

 

 

光線状態や太陽の位置による描写の特徴を知ろう

晴天時は太陽が花にどのように当たっているかを見ること。順光が当たる花はくっきりと写るが、影がきつく出たりする。逆光は手前が陰になるが、陰の中に影はできないのでフラットな印象に写る。また時間帯による太陽の位置にも注目したい。こちらは主に光の色が変わるため、描写の違いは一目瞭然だ。

 

 

順光

逆光

花びらの薄い花は逆光の透過光がきれい

順光の空は青色が濃く出るので、空とともに花を写すには格好の光線状態である。コスモスのように花びらが薄い花では、逆光は透過光になって輝きを増す。ただし、逆光時は暗く写りがちなので、プラス補正をして明るさを調整する。

 

明け方

夕暮れ

時間帯による色を生かすならWB「太陽光」に

日の出前はまだ太陽が出ていないのでフラットな光で、かつ青みがかる。ホワイトバランスを「太陽光」にして青みをそのまま生かそう。夕暮れは赤みがかった色合いになる。やはり WB「太陽光」にして赤みを残すか、「日陰」や「くもり」を選んで赤みを強調するのも◎。

 

 

花の撮影時には、天候、太陽の高さと光線の向き、被写体とカメラの位置関係もとても重要です。撮影したいイメージに合った、撮影のポイントと日時をじっくりと探しましょう!

 

写真・解説/吉住志穂