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【花撮影の基本⑩】撮影シーンに合わせたレンズの選び方

春夏秋冬、いつでも被写体として私たちを楽しませてくれる「花」。撮影する際、「こんな風に撮りたい!」とイメージするかと思いますが、それを写真で再現するためには、カメラ操作における基本的な知識やテクニックが必要になってきます。基本的な撮影のコツを押さえておきましょう。

レンズは焦点距離によって広角、標準、望遠と大別できます。広角は広い範囲を、望遠は遠くのものを引き寄せて写せるという特徴がありますが、クローズアップ撮影時には背景の写る範囲やボケ量の違いも考慮してレンズを選びたいものです。
自分が花に近づけば広角も望遠もある程度大きく写すことはできますが、広角は背景の写る範囲が広がり、咲いている周囲の環境を写し込むことができます。一方、望遠は背景の写る範囲が狭いので、すっきりと見せることができます。また、望遠はぼけやすく、広角はぼけにくいという特徴もあります。クローズアップ撮影をメインにするなら、マクロレンズも必須といえます。通常のレンズよりも大きく写すことができるので、小さな花や花の一部に迫る楽しさがあります。レンズごとの特徴を知り、シーンに合わせて使い分けましょう。

 

クローズアップならマクロレンズが必須

クローズアップが得意なマクロレンズは、標準系、中望遠系、望遠系と焦点距離の違いによって分けられる。いずれも等倍や1/2倍程度の最大撮影倍率が得られるので、小さな被写体を大きく写すことが可能だ。望遠だから大きく写せるということはなく、焦点距離の違いはボケ量や撮影距離に出る。望遠系マクロほどボケが大きくなり、背景の写る範囲も狭くすっきりするが、レンズ自体が大きくて重いのがデメリットだ。標準マクロはコンパクトさが魅力だが、ボケは少なめ。両者の間をいくのが中望遠マクロで、ボケ量も撮影距離も程よいので使い勝手がよい。初めの1本なら中望遠マクロがおすすめだ。

 

中望遠マクロはほどほどのボケ具合と撮影距離で使い勝手No.1

マクロレンズを買うなら中望遠マクロがおすすめだ。背景がぼけすぎず、撮影距離も離れすぎず、近づきすぎずの距離で、使い勝手がよい。各メーカーともにモデルチェンジが頻繁にされている人気の焦点域だ。

90ミリ相当 絞り優先オート(F2.8 1/20秒) +1補正 ISO100 WB:太陽光


タムロンSP AF90ミリF2.8 Di MACRO 1:1

 

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