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【花撮影の基本⑩】撮影シーンに合わせたレンズの選び方

 

望遠レンズは離れた花を撮るときに最適

遠くの花を狙うなら望遠ズームレンズが便利だ。焦点距離が長いので離れていても大きく写せるし、近接撮影ではないので望遠マクロでなくてもピントは合う。望遠ズームで最も大きくぼかしたいなら、いちばん望遠側の焦点距離を選ぼう。そして、画面内の花の大きさは自分が寄ったり引いたりして決める。ズームで花の大きさを決めてしまうとボケ量が変わってしまうので要注意。

 

近づきにくい水生植物も大きく写せる

スイレンやハス、ハナショウブなどの水生植物は近づきにくいので、望遠レンズで引き寄せよう。焦点距離の長さによって遠くの花も大きく写すことができる。寄り引きができないシーンなので、単焦点の望遠マクロよりも、ズームのほうが細かいフレーミングが行えて便利だ。

300ミリ相当 絞り優先オート(F5.6 1/160秒) -0.7補正 ISO100 WB:太陽光

 

木に咲く花にも望遠レンズの出番

水生植物と同様に、高いところにある木に咲く花も近づきにくいので、望遠レンズが便利。また、背景に枝が入ると直線的なボケがうるさくなるが、大きくぼかせるというのも木の花で望遠を使うメリットだ。

220ミリ相当 絞り優先オート(F3.5 1/400秒) +1補正 ISO200 WB:晴天


ソニー FE70~300ミリF4.5-5.6 G OSS

 

周囲の状況も写し込むなら広角レンズ

広角レンズの魅力はその画角の広さから、背景の写る範囲が広いことだ。また、遠くのものと近くのものの大きさの差が広がり、遠近感が強調されて写る特徴もある。ただし、花畑などの広い風景を何のポイントもなしに狙うと、つまらない写真になってしまう。ポイントを決めて、それに近づいて大きく捉えることで、広角レンズの画角の広さや遠近感が生かされて、迫力のある写真になる。

ヒマワリに近づくことで生まれる背景描写とのメリハリ

ヒマワリに近づけばアップで写せて、広角には望遠にはない広がりも出せる。周囲の花々や、青い空と雲を入れると、背景で咲いている様子も伝えられる。また遠近感も強調されるので、迫力のある画面を作り出すこともできる。

24ミリ相当 絞り優先オート(F2.8 1/6400秒) ISO200 WB:晴天


オリンパス M.ZUIKO DIGITAL ED7~14ミリF2.8 PRO

 

マクロレンズ、望遠レンズ、広角レンズなど、レンズの特性を理解しておけば、花の撮影環境に合わせた撮影が可能になります。

 

写真・解説/吉住志穂

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