春夏秋冬、いつでも被写体として私たちを楽しませてくれる「花」。撮影する際、「こんな風に撮りたい!」とイメージするかと思いますが、それを写真で再現するためには、カメラ操作における基本的な知識やテクニックが必要になってきます。基本的な撮影のコツを押さえておきましょう。
花の撮影ではカメラとレンズ、バッテリー、記録メディアが基本セットです。加えて、三脚があるとブレが防げて、安定した状態でフレーミングを行うことができます。
三脚は重ければ重いほど安定しますが、持ち運びを考えて、カメラとレンズを据えた状態でぐらつかない程度のものを選びましょう。脚が細く、軽い三脚ではカメラを乗せてもぐらついてぶれてしまうことがあります。
その他には、シャッターボタンに触れずにシャッターが切れるレリーズ、影になった部分をほんのりと明るくすることができるレフ板があると便利です。
また、水面や葉のテカリを除去するPLフィルターや、シャッター速度を遅くするNDフィルターなども、シーンは選びますが使うことがあります。これらはかさばるものではないので、カメラバッグに入れておくといいでしょう。
三脚はローアングル対応のものを、レリーズも必需品
草花を撮る機会が多いなら、低くできる三脚を選ぼう。脚ごとに開脚角度が変えられ、センターポールを短くできるものがいい。さらに、脚を全て伸ばすと目線近くまで上げられるタイプなら、木の花や風景の撮影にも対応できる。三脚を使用してもシャッターを押した振動でブレが生じることがあるので、レリーズも欠かせない。
三脚
レリーズ
レフ板を使って花を明るくする
レフ板
レフ板は人物撮影でよく使われるアイテムだが、花の撮影でも使う。逆光で陰になった部分を明るくするのだ。被写体が小さいので、ミニレフ板が使いやすい。太陽の光が当たる方向に面を向け、反射光を花に当てる。光が弱いときは銀の面で、光が強いときは白い面で当てると自然な仕上がりになる。
レフ板:有
レフ板:無
レフ板を使って陰をやわらげる
暗部を明るくするにはプラスの露出補正をすればいいが、それでは全体が明るくなり、背景が白っぽくなってしまう。レフ板を当てることで、露出はそのままに、暗部だけを明るくすることができる。
「花」を被写体とした撮影の基本的なテクニックを、数々ご紹介させていただきました。数えきれないほどの種類のある花々。これらの基本テクニックで、頭の中でイメージしたとおりに花の写真を撮ることができるようになれば、次には思いもよらないステキな花の写真撮影ができそうですね。
写真・解説/吉住志穂